goo blog サービス終了のお知らせ 

東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

メトロポリタン美術館展(東京都美術館)

2012年10月14日 | 展覧会(西洋美術)

メトロポリタン美術館展 大地、海、空-4000年の美への旅  
2012年10月6日~2013年1月4日  
東京都美術館


最古は紀元前2600~2300年、最新は1993年。
絵画、彫刻のみならず、古代の発掘品から現代の工芸品まで、そして写真。
メソポタミア、エジプト、ギリシャ・ローマから、ヨーロッパ、アメリカ、そしてイラン。


時代も形態も地域も異なる美術品が次々と登場する。
並んでいる作品を結ぶキーワードは「自然」。
作品を移る度に観賞モードの切替えが必要なので、なかなかたいへん。

 

土曜日の訪問。前回マウリッツハイス美術館展と同様、閉室は17時30分と思い込んでいた。
16時の到着だったので、展示数133点に対し鑑賞時間が1時間半。結構慌ただしく鑑賞していると、17時30分になってもなんら案内がなく、そのうち係員から後20分との案内が。
チケットを確認すると、閉室は通常17時30分、金曜日は20時、そして土曜日は18時と確かにある。
ありがたいことだ。日曜日も18時としてほしい。

 

さて作品だが、思いのほか見応えのある作品が多かった。


今回のメインは、チラシの扱いからもわかるように、
レンブラント「フローラ」
ゴッホ「糸杉」
の2点となろう。これら2点は時間をかけて鑑賞した。


「フローラ」は素晴らしい。
全体鑑賞のほか、単眼鏡を使い、女性の顔、真珠のイアリング・ネックレス等をしっかりと見た。
マウリッツハイス美術館展に引き続き、素晴らしいレンブラント作品に出会えた。


それ以外にも、印象に残った作品は多数。強いてあげると。


No15  洗礼者聖ヨハネの生涯が描かれた写本紙葉
 1515年頃南ネーデルランドで制作された祈祷書写本。
No26  実った大麦のレリーフ
  エジプト紀元前1300年代。たわわな麦。ゴッホ作品で似た作品を見たことがある気がする。
No32 ジョージ・スタッブス「馬丁と犬を伴うドーゼット公3世の猟馬」
 猟馬と馬丁、そして広がる風景を描かせることで、公の豊かさを示そうとしているパターンか。
No33 ブルトン「草取りをする人々」
 現実の過酷な労働の場を理想化して描いている。
No57 聖餐用のハト
 13世紀前半、仏・リモージュ。
 鳥つながりで、ヴィッラ・ノーヴァやエジプトの発掘品、ジョヴァンニ・ピサーノの1300年頃の教壇彫刻(ワシ)などが同じ部屋に展示されていたりするのが本展の特徴か。
No104 雲から現れる天使の柱頭
 12世紀後半の仏・ブルゴーニュ。天使や柱頭のデザインに魅入る。
 一度、仏ロマネスク作品をたっぷり味わう機会が欲しい。
No110 ホッパー「トゥーライツの灯台」
 人は描かれていない。
No111 オキーフ「骨盤Ⅱ」
 20年ほど前に横浜美術館で開催されたオキーフ展以来のオキーフファン。
 本作は近年来日したオキーフ作品の中では、特に魅力的な作品だと思う。

 

繰り返しになるが、時代も形態も地域も異なる美術品が次々登場する。
宝探しの気分で、自分の好みにフィットする作品に出会えれば儲けもの。


本展の構成は、次のとおり。

第1章 理想化された自然
1-1 アルカディア-古典的な風景(No1-5)
1-2 擬人化された風景(No6-12)◎
第2章 自然のなかの人々
2-1  聖人、英雄、自然のなかの人々(No13-25)◎
2-2 狩人、農民、羊飼い(No26-36)◎◎◎
第3章 動物たち
3-1 ライオン、馬、その他の動物(No37-52)
3-2 鳥(No53-61)◎
第4章 草花と庭(No62-76)
第5章 カメラが捉えた自然(No77-89)
第6章 大地と空
6-1 森へ(No90-98)◎
6-2 岩と山(No99-103)
6-3 空(No104-111)◎◎◎
第7章 水の世界
7-1 水の生物(No112-123)
7-2 海と水流(No124-133)

◎印は、本記事で挙げた作品の数を示す。
どうやら私は、「農民」と「空」の美術品が好みのようだ。 



コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。