水ー神秘のかたち
2015年12月16日～2016年2月7日
サントリー美術館
「水と生きる」サントリー
本展は、水にかかわる神仏を中心に、その説話や儀礼、水に囲まれた理想郷や水の聖地など、水を源とする信仰に根ざした造形物を、彫刻、絵画、工芸にわたって展観することで、日本人が育んできた豊かな水の精神性を浮び上がらせようとするものです。
重文《日月山水図屏風》六曲一双 室町時代 15～16世紀
大阪・金剛寺
画面の下半分が水ゾーン。波頭やうねりの描写に目が行く。その盛り上がり。左隻左端の滝のしぶきの描写も見る。
《宇賀神像》江戸時代 17～18世紀 大阪・本山寺
本像は、1月7日からの展示だが、展示場所となるガラスケースは既に用意されていて、なかには秘仏御開帳の文字と本像のシルエット（実物大？）を表したパネルが置かれている。
このシルエットがかなり強烈。
宇賀神は、人頭蛇身（頭は老翁、体はどくろを巻いた蛇）で表される。
と聞くと、いかにもグロテスクそうだが、隣にあるもう1点の宇賀神像（木食白道作、江戸時代 18～19世紀）を見る限り、それほどの感はない。
が、やはりこのシルエットは強烈すぎる。図録をのぞく。なるほど。これはもう一度来て、実物を見るべきかも。
本山寺は、大阪府高槻市の京都府境に近い山間部に位置。JR高槻駅からバス、そして約6kmの徒歩と、なかなかアクセス甲斐があるようだ。
国宝《善女龍王像》定智作、平安時代 1145年、和歌山・金剛峯寺
「善女龍王」は、雨を降らせる力を持つ龍王のうちの一尊。「善女」とあるが本作のように男神で表されることも多いという。
姿はかなり霞んでしまっているけれども、優しそうな顔をしている。衣の裾からは尾が見えている。
以上、印象に残る３点を記載。