伊藤晴雨 幽霊画展
2016年8月11日〜9月25日
江戸東京博物館 常設展示室内
5F企画展示室
落語家五代目柳家小さん(1915~2002)が1981年に東京谷中・全生庵に寄贈した、伊藤晴雨(1882~1961)作の幽霊画を紹介する企画展。企画協力:スタジオジブリ。
5F企画展示室の半分のスペースを利用。(残り半分のスペースも、全生庵関連の企画展。)
3章構成。第2章が幽霊画で、第1・3章は、江戸時代考証や風俗研究関連の作品や出版物などの展示。伊藤晴雨は、責め絵で知られたらしいが、当然その分野の作品は展示されない。
毎年8月恒例の全生庵の幽霊画展、昨年、6回目の訪問にして初めて伊藤晴雨の幽霊画を見た。14幅の展示であった。
昨年は、三遊亭圓朝・幽霊画コレクション50幅の約半分が東京藝術大学大学美術館にて開催の「うらめしや~、冥途のみやげ展」に出張していたので、残る約半分では埋めきれない展示スペースを伊藤晴雨作品で埋めていた。なお、三遊亭圓朝・幽霊画コレクションにも、伊藤晴雨作品が1点含まれている。
本企画展における幽霊画の展示は19幅。これで、全生庵所蔵の全てなのか一部なのかは分からない。
展示室入口
展示室中央に、幽霊画3幅の複製が展示。(なお、展示室内は、幽霊画(実物)を除き、写真撮影可能。)
1階で開催中の 「大妖怪展」との繋がりが非常によろしいのであろう、想像以上の来場者。私の滞在時間帯には、19幅の幽霊画の前に、同数近い鑑賞者が常に並んでいる状況である。子供連れも多い。
改めて見ると、結構怖い絵揃いである。
私が選ぶ怖い絵ベスト2。
1位 《川で蘇る亡霊》
水面から姿を現す幽霊。首には縄、胴には莚が巻かれ、顔や体が膨れ上がり性別の判断もつかないほど。しかし、その眼は恨みをたたえている。
本作は、作品解説を読む限りは、他の18幅とは異なって、ベースとなる物語があってそれを踏まえて描いているものではなさそうだ。
2位 《累の盆灯籠》
灯籠に浮かぶ累の顔。キュビズムっぽい顔だ、と思うことで、怖さをなんとか軽減させようと試みる。
複製を撮影。