新・桃山展
大航海時代の日本美術
2017年10月14日〜11月26日
九州国立博物館

1 特に気になる海外製の出品作3点
(公式サイトより)
1)日本の屏風絵にそっくり
「ノアの箱舟」屏風
《大洪水図屏風》
マカオ、17世紀末~18世紀前半
メキシコ・ソウマヤ美術館
通期展示
旧約聖書『創世記』に記される、ノアの箱舟の物語を描く。長崎との間の定期交易船が途絶えた17世紀末のマカオで制作されたとされる。金雲の表現や表装に日本の屏風との類似点が見出せる。唐獅子や鳳凰などの東洋的なモチーフも多い。
2)ヨーロッパの銅版画が、
アジアで屏風に変身。
《キリスト教説話図屏風》
マカオ、17世紀末~18世紀前半
ポルトガル・東方基金/オリエント美術館
通期展示
主にヨーロッパへ輸出するために中国南部で作られた「コロマンデル屏風」に、聖書の逸話などを描いた8枚の油彩画をはめ込んだ作品。1584年にアントウェルペンで制作された銅版画が、1606年に中国で刊行された『程氏墨苑』に模刻され、さらに本屏風にも写されたか。東西の図像の伝播が辿れる稀有な作例。
3)南米版「泰西王侯騎馬図屏風」
《ローマ皇帝図屏風》
伝ベルナルド・ロドリゲス画
エクアドル・キト、18世紀末
メキシコ・ソウマヤ美術館
通期展示
18世紀、スペイン植民地だったエクアドルの画家が制作したと伝えられる。この屏風は、日本のセミナリオの画家たちも手本にした『古代ローマ皇帝図集』の挿絵などにもとづいて描かれている。日本の「泰西王侯騎馬図」と直接的な影響関係はないが、構図、主題の類似は注目に値する。
2 大型日本美術展対決
奈良博「快慶」展+東博「運慶」展
vs
京博「国宝」展
vs
九博「新・桃山展-大航海時代の日本美術」
vs
サントリー美「狩野元信」展
対決1)
奈良博「快慶」展+東博「運慶」展
vs
京博「国宝」展
⇒ 京博「国宝」展への運慶仏、快慶仏の出品なし。
対決2)
京博「国宝」展
vs
九博「新・桃山展」
⇒痛み分けの2点
《松林図屏風》
長谷川等伯筆、東博
国宝:10/31〜11/12
新・桃山:11/14〜26
《花鳥図襖》
狩野永徳筆、京都・聚光院
国宝:10/24〜11/12(16面のうち4面)
新・桃山:10/14〜11/12(16面のうち?面)
⇒新・桃山展に出品の国宝2点
《琴棋書画図襖》
狩野永徳筆、京都・聚光院
11/14〜26
《檜図屏風》
狩野永徳筆、東博
11/14〜26
対決3)
京博「国宝」展
vs
サントリー美「狩野元信」展
⇒国宝展に出品された元信の父親作品
《周茂叔愛蓮図》
狩野正信筆、九博
10/31〜11/29
✳︎正信にはあるが、元信にはないもの。国宝。
対決4)
九博「新・桃山展」
vs
サントリー美「狩野元信」展
⇒かたや実物、かたや複製。
《四季花鳥図屏風》
狩野元信筆、兵庫・白鶴美術館
10/31〜11/26(実物展示期間/新・桃山)
ちょっと太宰府は遠いな。