東京でカラヴァッジョ 日記

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メディチ家の至宝-ルネサンスのジュエリーと名画(東京都庭園美術館)

2016年05月05日 | 展覧会(西洋美術)

日伊国交樹立150周年記念
メディチ家の至宝-ルネサンスのジュエリーと名画
2016年4月22日~7月5日
東京都庭園美術館

   メディチ家の人々の肖像画17点とメディチ家に纏わるジュエリーなど56点が並ぶ。


   そのなかでは、やっぱりこの作品。


ブロンズィーノ
《マリア・ディ・コジモ1世・デ・メディチの肖像》
1551年
ウフィツィ美術館蔵

   初代トスカーナ大公コジモ1世の長女。10歳の頃の肖像。
  「愛らしく、知的で、語学に堪能な素晴らしい少女」であったらしい。
   フェラーラ公アルフォンソ・デステと結婚することとなっていたが、17歳でマラリアにより亡くなる。


   画像だと伝わらないのだが、ブロンズィーノ独特の冷艶を伺える魅力的な肖像画である。

 

   もう一つ、個人的には、メディチ家最後のトスカーナ大公ジャン・ガストーネの姉で、メディチ家最後の直系人物となるアンナ・マリア・ルイーザ(1667-1743年)の肖像を、20歳前の肖像画だけれども、実見できたのは嬉しい。


アントン・ドメニコ・ガッビアーニ
《アンナ・マリア・ルイーザ・デ・メディチの肖像》
1685年頃
ウフィツィ美術館

   彼女は、「フィレンツェから持ち出さない、そして一般に公開する」を条件として、唯一の相続人として全てを受け継いだメディチ家の別荘や宮殿、美術工芸品などの財宝を、ハプスブルグ=ロートリンゲン家のトスカーナ大公国に遺贈する。
   フィレンツェが今見るような美の都でありつづけているのは彼女のおかげだといえる。

 

本展の章立ては、次のとおり。

第1章   神話の誕生:ロレンツォ・イル・マニフィコ
第2章   トスカーナ大公の芸術:コジモ1世
第3章   マニエリスム:フランチェスコ1世の自然と技巧
第4章   2人のフランス王妃:カテリーナとマリア
第5章   ピッティ宮殿の栄華:フェルディナンド1世からコジモ3世まで
第6章   黄金の黄昏:ジャン・カストーネとアンナ・マリア・ルイーザ


   ジュエリーについては、総じて小ぶりで、かつ、細工が細か過ぎて、観るのに難儀する。


   出品リストに、メディチ家系図が掲載されているのはありがたい。



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