goo blog サービス終了のお知らせ 

東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

神品 清明上河図 を見に行く(番外編)

2012年01月24日 | 展覧会(東洋・アジア美術)

関連展示 大倉コレクション 中国明・清時代の美術
2012年1月2日~3月25日
大倉集古館


「清明上河図」を30分独占してじっくりと見ました!


といっても、東博展示の北京の「神品」ではありません。
大倉集古館が所蔵する「清明上河図」です。


北京故宮博物院200選にタイミングをあわせてなのでしょう。
もうひとつの「清明上河図」として、1月2日から3月25日まで展示されています(期間中(2月14日)に巻き替え予定)。


野嶋剛氏の「謎の名画・清明上河図」(勉強出版)によりますと。


「清明上河図」と題される作品は、張択端の真作が世に生まれ出て以来、その写本や模本、偽本が様々な時代に様々な形で描かれてきており、美術館に収蔵されるなど絵画として一定の価値を認められた作品に限っても、世界中に50点程度あるそうです。
大別すると三つの大きな系統があるとのこと。


一つ目が、北京所蔵の張択端の真作の系統。
二つ目が、明の時代に仇英という画家が描いたとされる「仇英本」の系統。
三つ目が、清の時代に宮廷画家が描いた「清院本」と呼ばれる系統。


絵巻であり、一本の川を中心に賑わっている街の様子が描かれている。そういう意味ではいずれも「清明上河図」ですが、描かれている内容上の違いも大きく、「清明上河図」は一つの絵画の名称と言うよりは、一つの絵画のジャンルに近い言葉と理解すべき、らしいです。


大倉集古館の作品は、二つ目の「仇英本」の系統で、仇英の作品をさらに模写したものらしい。


さて、実見すると、「神品」とは全然違う作品に見えます。
長さ615センチ、幅28.5センチ。「神品」より、長さも幅も少し大きい。
「巻き替えあり」なので、私が見たのは前半にあたる部分だと思います。
最初に農村風景があり、一本の河、賑わう街、虹橋にあたる橋もあって、城門も描かれており、「神品」に対応する要素は概ね全て登場しています。後半にあたる部分には何が描かれているのでしょう。


作品のレベルが違います。
たくさん描かれている人も、「パターンの繰り返し」で、「生きていない」。船も橋もちゃち。
全体として間延びしている、という感じです。


それでも、独占状態で好きなだけ見れるということで、つい長居してしまいました。

 

大倉集古館作品を見たあとに見た「神品」はだんぜん素晴らしく見えました。

 


ここまできたら、巻き替え後も大倉集古館に行こうかなあ。リピーター割引があるし。



コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。