投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

オデッサ・ファイル

フレデリック・フォーサイスの本。

フレデリック・フォーサイス  「オデッサ・ファイル」 角川文庫

1980年5月発行
原作の出版1972年

オデッサ・ファイル

角川書店

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検閲1945~1949で連合国はドイツ人とナチスは別のものとしてあつかい、ドイツ人も自ら憲法でそう規定してしまっていることを書いたが、この本はそのことを考えながら読んで初めて理解できる。

イギリス人であるフォーサイスが書いたこの本では、当たり前のように前提としてそれがある。

だからオデッサというナチスの地下組織を暴くという内容にとらわれ、その執拗な追求からドイツ人の戦前の行為に対する贖罪意識を感じてしまっては大きな間違いだ。

読めばわかるが、ドイツ人の戦前の戦争行為に対する贖罪意識などはこれっぽっちもなく、主人公の個人的な復讐劇なのであり、戦前の行為で問題視されるものはドイツ人とは無関係とされているナチスの行為に過ぎない。



『主人公ペーター・ミラーはフリーのジャーナリスト。仕事で偶然オデッサと呼ばれる元ナチス親衛隊隊員の救済を目的とする地下組織知る。オデッサとはドイツ語のOrganisation Der Ehemaligen SS-Angehorigen(元SS隊員の組織)のイニシャルをつなぎ合わせたもの。そのオデッサを追うなかで組織の中心人物である元SS高級将校エドゥアルト・ロシュマンの正体をつきとめる。リガの殺人鬼と呼ばれたロシュマンは、ドイツ陸軍の士官であったミラーの父親(正義の軍人として書かれている)を理不尽な理由で背後から銃で撃ち殺した人物だった。ミラーはロシュマンを追いつめて・・・』という話。


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