2017年10月4日初版第1刷
第3章に林芙美子記念館が出て来る。( 新宿区立 林芙美子記念館 -新宿歴史博物館)
林芙美子が1941年(昭和16年)から心臓麻痺で他界するまで10年間住んだ家。場所は東京の下落合。当時は戦争統制下にあり延床面積は100㎡(30坪)以下に制限されていた。一棟に制限がかかるので芙美子名義で生活棟を建て、別に夫であった手塚緑敏名義のアトリエ棟を側に建てている。
生活棟は(アトリエ棟もだが)私が生まれ育った家、そしてこれから移り住む家と同じ条件下で建てられた家であり、図書館でこの本を見つけて、しばらくページを繰っていたらこの章を見つけじっくり読みたくなり借りてきた。
こういう戦中の民家建築を見るたびに自分の実家と比較して、こっちが良いなと思うのが常なのだが、今年の年始に福山の叔父の家に行ったとき、叔父がこの家を建てたときのイメージは私の実家をイメージしながら作ったのだと聞いて、そうか、そういう風に良く評価してくれる人もいるのだと少し嬉しくなった。
映画「となりのトトロ」でサツキとメイが引っ越してきた家も戦争統制下に建てられた家だと私は思っている。
(2024年1月 西宮図書館)