昼休み。
会社ではいつも弁当を食べている。
辛い料理が食べたかったので、一番辛い料理はどれ?っと聞くと川椒辣子鶏飯だと言う。
意味は四川省の辛い鶏ご飯。
弁当が届いたので、蓋を開けてみると、ぶつ切りの鶏肉とピーマン、トウガラシ、山椒、香菜、チンゲン菜が油にまみれている。
でも、香りはそう悪くない。
ただ僕は、油が苦手なので美味しい料理でも満腹になる前に気持ち悪くなってしまう。
たとえば北京ダックは二切れも食べると、箸を放り出してしまう。
だからうんと辛くして、胃を刺激しないと中国料理を完食できない。
辛い料理だと言っていたけど、そんなに辛くなかった。
だから僕の胃も踊らずに眠ったままだったので、半分くらいしか食べれなかった。
というか、何よりもまずかった。
そこそこ空腹も満たされたので、外の喫煙所でミルクティ片手に休憩。
天気もいいし、気温もちょうどいいから気持ちいい。
中国人にとって食事というのは、すごく大切。
日本人にはたぶん理解しがたい事だと思う。
たとえば僕が気分が悪いと言うと、彼らは、ご飯がまずかったのか?と聞いてくるし、夕食を食べずに残業していると、心のこもった声でかわいそう・・・と言ってくれる。
そもそも、あいさつからして日本語とは違う。
日本では、あいさつをするとき天気の話からすることが多いと思う。
今日はいい天気ですねっとか。
でも中国では、ご飯食べた?がそれに代わるもの。
だから、基本生活のなかで食事の重要度がかなりのウエイトを占めていると思う。
そんな最重要な食事をして、胃が満たされた彼らが、いかにも幸せそうに僕の前を通り過ぎていく。
僕も彼らの顔を見ると心が和んできて、なんかボーっとしてきた。
そのまましばらく放心状態で休憩していると、工事現場のおやじさん達が昼食を終えて戻ってきた。
7,8人が集まって来て、仕事前の雑談でもしているのかな?っと思い耳を傾けてみると、僕の話をしているようす。
なぜだか、その中のリーダーらしき人物が僕が日本人である事を知っているようで、彼が僕の事をみんなに説明している。
するとその彼がおもむろにやって来て、僕に向かって「にいちん、ご飯食べた?給料いくらや?」
おおっ?
初対面でヘッドハンティングですか???
後ろからは「1万元(13万)くらいだろ?そうだろ?」っと声がかかる。
そうだと言うと、「すごいなぁ。」っとかぶせてくる。
それを聞いて納得したのか、1万元以上は出せないからヘッドハントするのを諦めたのかわからないが、彼らは仕事に戻って行った。
中国で1万元で壁職人か・・・
気楽でいいかもしれないなぁ。
今思うと気楽そうだけど、劣悪な環境で早死にしそうだから絶対やらねぇ。
食後で気が緩んで隙の多いときの出来事でした。
たぶん、マリエに政治の話をしている時ぐらい隙だらけだったと思う。
食事後は気をつけましょう!