十三のカーネルおじさん

十三に巣くってウン十年。ひとつここらで十三から飛び立ってみよう。

清水の桜

2007-04-11 08:31:43 | 青春18切符
 桜博士笹部新太郎の「櫻男行状」を読んで以来、滋賀県高島町の清水(しょうず)の桜に会いに行きたいと願っていた。
茨木(11:22発)高槻(11:27着)高槻(11:31発)マキノ(12:52着)湖西線の新快速は初めての経験だ。車窓からみえる家々の屋根は黒い瓦屋根が続き、ほっとする。日本の原風景というか私の脳裏にある昔の日本の風景が蘇ってくる。駅を出ると桜まつりにイベントが催され観光客も多い。レンタサイクルを借りに観光協会に行くと、自転車は残り少なくなっていたが一台借りることが出来た。3時間500円。赤い自転車はよく手入れされ乗りやすい。南へ走るとすぐにい旧街道に出た。東に走る。古い町並みが続く。車も少なく走りやすい。お寺も多く造り酒屋もある。約1キロ走るとT字路。右は「海津大崎の桜」。左に向かう。海津の信号で国道161号線を越えると原野の中を狭い道が一本。清水の桜を目指す。「櫻男行状」には事故で遅れたバスを待つ笹部氏が「この時間をぼんやりと待つよりは、どこか海津の町の辺りを歩いて、桜とはゆかずとも何か植物の獲物でも漁ってみようと心に決め、急いで海津の町はずれから敦賀へ出る道を、ただ木を策めて歩いた。と、小さな山の裾を廻るとすぐ向こうの方にうす黒く立つ巨樹を認めた。無論、さくらだなどとは思わなかったが夢中になって近寄ってみると、何分六月のことで、青葉の姿ではあり、殊に巨木として珍しく地上四尺くらいのところまで枝があるのと、葉の蜜線も殆ど認められず、葉の形もかなりちがうようだが、どう考えてみても確かにヒガン桜にちがいない。が、これだけの巨木が桜だとすれば、いかに人気の少ない共同墓地の隅っこにしても、ともかく自動車の通う道路のすぐ傍にあるものが、今日までに発表されていない筈がない。しかとは記憶せぬまでも、滋賀県下の巨桜は二本あるが、その所在はいずれもずっと東寄りである筈だ。今日、桜をもとめての僻地の行脚に、バスの不通に遭っていくらかぼうっとして何を見ても、みるものすべてが桜にみえるのじゃないのかと考えもしたが、とりあえず用意の巻尺で幹周を測ってみると、まさに一丈六尺三寸、樹姿は地上一尺のところで凵形になっていて、この両幹の間は、三尺ばかり完全に平面になっているという稀有の形である。」とこの巨桜の発見の経緯を書いている。「名品の桜はこのさきまた見つける機会が必ずしもないとは限らぬが、これだけの健やかに残った桜を発見することは到底あり得まい。私にとって一生一度のことである。」とまでも。
緩やかな坂道を登っていくと桜は快晴の下満開でした。小ぶりの花が溢れるように咲いていました。この桜の下で眠る人々の心がひとつひとつ花に宿っているようで、花見の桜とは違う空気が桜を美しく包んでいました。カメラに収めようとしましたが、その実感を捉えることは無理でした。
帰りは元の街道。途中店先で木工細工を出している店があり、眺めていると店の主人につかまりました。どうも誰も足を止める人がなく退屈しきっていたようです。本業は刺繍屋さんで鯉の作品が見事でした。焼きごてで人物画や浮世絵を描かれた檜の板。焼きごても自作だそうです。アキレス筋を伸ばす健康器具、枇杷石鹸。あまり売れそうではありません。風呂用に檜の板を二枚買いました。昔このあたりは天領でありながら、加賀藩の領地で約4000名の大名行列の際は地元は大変だったと最近のことのように言われるのが面白かった。
 もう一度ゆっくりと来たい町だった。


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白浜

2007-04-06 11:06:58 | 青春18切符
 今年の青春18切符は5人分8000円。今年は二回目の倉敷行きに決めていた。前回の倉敷行きでは大原美術館に行けなかった。チボリ公園で家族4人で観覧車に乗ったり、吹奏楽団の演奏を聞いたり、そこここにある花壇の花を楽しんだ。樹木はまだ植樹間もなく若かった。その後倉敷の町見物に行った。極度の水不足で少し追いかけられるような気がしていた。しかし備前焼を見に入った「ギャラリーたけのこ村」で知的障害児の社会的自立の村を作られた藤岡博昭先生とお話が出来たのは強い印象として今も残っている。大原美術館に来た時にはもう閉館時間がせまり入れなかった。心残りの一点であった。今回の倉敷行きは娘の休みに合わせた。今回は是非大原美術館に行こうということになった。姉の家でなにげなくこの話題になったとき、義兄が月曜日が休館日だったはずと教えてくれた。パソコンで調べるとやはりそうであった。急遽行き先を変えることになった。
 旅行の目的を孫と行く初めての青春18切符旅行とした。それで白浜行きに決めた。海を見せることも出来るし、パンダにも会える。

行程
【行き】
茨木(6:06発)→新大阪(6:16着)→新大阪(6:27発)→紀伊田辺(9:38着)→紀伊田辺(10:51発)→白浜(11:05着)
 昨夜から孫は泊まっていた。5時半に家を出る予定で脳にせっティングしていたので4時に目が覚めた。コーヒーを沸かしていると皆も起きてきた。男の私の準備は至極簡単だが、女は違う。戦争状態。そんな中クーちゃんも起きてくる。ご機嫌だ。予定通り5時半に家を車で出る。新しく手に入れたファンカーゴの調子はいい。駅近くの市の地下駐車場に。駐車料金は上限1200円とはありがたい。ドアミラーのたたみ方がわからずもたもたするが、とりあえず手でたたんで、無事駐車。
 新大阪で朝食用に弁当を買って、ホームに下りる。この電車は和歌山県の冷水浦に魚釣りに行く時に利用する電車だが、やはり平日。日曜より人が多い。3人で弁当を分けっこして食べるのも楽しい。ゆっくりと時間が過ぎるのをかみしめながらの旅もいい。
 海南を過ぎると時々海が見えてくる。クーちゃんに海を指差し教えようとするが全然関心なさそう。海という言葉が多分何を指しているのかもわかっていないのだろう。
 紀伊田辺で電車待ちの時間が約一時間。タクシーで扇ヶ浜ビーチまで行った。駅から海岸までは一直線で歩いても15分ほどしかかからない距離だがなにせ時間がない。初めての海をみてとても楽しそうな表情を浮かべている。海岸は彼女にとってとてつもなく巨大な砂場だ。砂場の大好きなクーちゃんにはたまらなく魅力的な場所なのだろう。海にも裸足で入り、波と遊びました。塩水もちょっぴりなめました。海藻のホンダワラを手にして離しませんでした。時間があっという間に過ぎ、あわててタクシーを呼ぶ羽目になりました。
 白浜は3回目。今年は初めてアドベンチャーワールドに行くことになった。駅前からバスに乗って約十分。第一印象は巨大な娯楽場。まずベビーカーを借りるが肝心のクーちゃんは乗車拒否。ベビーカーは荷物入れとなる。

 白熊はお昼寝中だったがペンギンの水中での動きはしなやかでスピード感にあふれている。羽毛が水中では銀鱗に見え美しい。
 双子のパンダの赤ちゃんはやはり文句なくかわいい。中のパンダは動きはなかったが、外のパンダはよく動いて見せてくれた。
 無料のケニア号でサファリーツアー。やはりスケールは動物園と違い大きい。動物の種類がもう少し多ければという印象だった。
 ケニア号を降りて観覧車の前。クーちゃんの「こんなんに乗ってみたかったなー」の独り言で乗ることに。乗ったのは全面クリスタル。足元まで透明で大人がびびっているのにクーちゃんは下に広がる世界を存分に楽しんでいるようだった。クーちゃんはスケール大きそうで頼もしい。
【帰り】
白浜(15:49発)→紀伊田辺(16:03着)→紀伊田辺(16:29発)→御坊(17:17着)→御坊(17:28発)→和歌山(18:32着)→和歌山(18:35発)→大阪(19:59着)→大阪(20:10発)→茨木(20:28着)
 和歌山での乗り換えに時間がなくあわてたがラッキーなことに京橋行きの快速に乗れ、そして座席に座れた。早速クーちゃんは妻の膝の上で寝入った。
 娘の家までクーちゃんを送り届けたが、クーちゃんは全く疲れを見せなかったのには驚かされた。子供って本当に凄いエネルギーを持っている。大人たち3人は家に帰るともう何もするエネルギーは無くなっていた。
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