アジアの頂へのチャレンジ初戦は、アウェイで勝ち点1を獲得。
2016年以来となるFC東京のアジアへの挑戦は、アウェイで蔚山(韓国)との対戦からスタート。FC東京は今季から取り組んでいる4-3-3のフォーメーションを採用。ディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトン、レアンドロのブラジル人によるコンビがトップを張るが、ポジションを固定するのではなく、試合の流れによって流動的に位置を変えるスタイル。東がアクシデントか帯同せず、新加入の安部がスタメンに名を連ねた。中盤は高萩と橋本が互いにバランスを取りながら上下に動き、前へパスを供給。CBは森重と渡辺の昨季のレギュラーコンビが務めた。サブには中村拓海、ジョアン・オマリ、中村帆高、紺野和也などフレッシュな面々も多くベンチ入り。
序盤は蔚山がそれほどアタックを掛けずに慎重な出足だったからか、FC東京が攻め込む時間帯が長く続く。だが、18分にチョン・ドンホの右サイドからのアーリー気味の速いクロスに対応が遅れたDF陣を尻目に、ゴール前へ駆け込んだ長身のビヨルン・ヨハンセンが足を投げ出してシュートを放つと、これがクロスバーに直撃。FC東京はあわや失点というピンチを何とか凌ぐ。その後は、FC東京は室屋のオーヴァーラップや安部の積極果敢なドリブルなどでチャンスを構築。蔚山も右サイドを中心に攻め込んでいく。FC東京はクロスをアダイウトンがすらしてゴールを狙ったり、レアンドロのスルーパスに反応した室屋がGKとの1対1を作るもシュートを弾かれるなど、互いに決定打は出ないまま前半を終了。
蔚山の右ウイングバックを比較的自由にし、その対応に苦慮したこともあり、FC東京はなかなか左サイドの小川が高い位置でプレーすることがなかったが、後半は次第に小川が高い位置でボールを供給し始め、高萩も低い位置で一度ボールを保持して散らす役目を遂行。ディエゴ・オリヴェイラは万全でないのか、ボールを持ち過ぎたり、トラップが大きかったところを狙われるなどやや苦しめられたが、アダイウトン、レアンドロと前線でパスを繋ぐ機会を重ねていくと、64分に浮き球の奪い合いに競り勝ったアダイウトンがレアンドロへ頭でボールを渡すと、レアンドロのスルーパスに反応したディエゴ・オリヴェイラがペナルティエリア左寄りからGKの股下を狙ってシュートを流し込み、FC東京がアウェイで大きな先制点を挙げる。
ホームで負けられない蔚山も前線への圧力を高めて攻勢を仕掛け、イ・ドンギョンのシュートは林が弾いて事なきを得たものの、サイド攻撃からFC東京ゴール前へ速めのクロスを供給。長身のヨハンセンとブラジル人ストライカーのジュニオール・ネグランにボールを合わせていく。すると、82分に安部が与えた左サイドでのFKから、ゴールへ向かっていくボールの競り合いの中でアダイウトンに当たったボールがゴールマウスに吸い込まれ、オウンゴール。蔚山がようやくホームで同点に追いつく。
残り10分とアディショナルタイム4分、互いに緩むことなく得点を奪いにいく展開となり、86分にはレアンドロのミドルシュートが左ポストに直撃するなど、あと僅かで追加点という場面もあったが、決着つかず。ACL初戦は1対1のドローに終わった。
FC東京では、アダイウトン、レアンドロも攻守ともになかなか良い動きを見せた。安部のアグレッシヴな姿勢は少なからずインパクトを与えたと思うが、その反面、広範囲で動き周っているなかで攻撃が止められると、大きなスペースが生まれて相手に攻撃の起点を作られるというところも。積極性は買いだが、攻守のバランスという点では周囲の連係をより深める必要がある。また、失点の場面では、結果としてアダイウトンのオウンゴールとなったが、GK・林も飛び出しながらもボールを触ることが出来なかった。相手のセットプレーにおけるゴール前の守備の連係においても、改めて確認し、役割を明確にして精度を高めていく作業が重要となるだろう。
勝ち点3で終われた試合という見方もあるが、アジア初戦のアウェイ戦で得点を奪って勝ち点1をもぎとったことは、好発進ではないまでも及第点の結果だろう。ACLのプレーオフがボールが止まるような雨中の試合だっただけに、昨季のチーム得点王がまずはゴールを決めたということも大きい。これを次節ホームでのパース・グローリー戦へと繋げていきたい。
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【AFCチャンピオンズリーグ2020 グループステージ MD1】
2020年02月11日(火)19:31試合開始 蔚山文殊フットボールスタジアム
入場者数 3,350人
天候 曇 / 気温 10.0℃ / 湿度 73%
主審 ディラン・ペレラ / 副審 パラクラーマ・ヘマスゥンガ、プレマラル / 4審 ジャンセン・フー
蔚 山 1(0-0 / 1-1)1 FC東京
≪得点≫
(蔚): オウンゴール(82分)
(東): ディエゴ・オリヴェイラ(64分)
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【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 33 林 彰洋
DF 02 室屋 成
DF 03 森重真人
DF 04 渡辺 剛
DF 06 小川諒也
MF 08 高萩洋次郎
MF 15 アダイウトン → 三田啓貴(87分)
MF 18 橋本拳人
MF 20 レアンドロ
MF 31 安部柊斗
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
≪サブスティテューション≫
GK 13 波多野豪
DF 22 中村拓海
DF 32 ジョアン・オマリ
DF 37 中村帆高
MF 38 紺野和也
MF 07 三田啓貴
FW 27 田川亨介
≪監督≫
長谷川健太
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【AFCチャンピオンズリーグ2020 FC東京 試合日程】
PO 01月28日(火)19:00〇FC東京 2-0 セレス・ネグロス(フィリピン)(H・東スタ)
≪グループステージ グループF≫
第01節 02月11日(火)19:30△FC東京 1-1 蔚山現代(韓国)(A・蔚山文殊)
第02節 02月18日(火)19:00 FC東京✕パース・グローリー(豪州)(H・東スタ)
第03節 03月04日(水)00:00 FC東京✕上海申花(中国)(H)
第04節 04月07日(火)19:00 FC東京✕上海申花(中国)(A・上海虹口)
第05節 04月22日(水)19:00 FC東京✕蔚山現代(韓国)(H・東スタ)
第05節 05月06日(水)20:05 FC東京✕パース・グローリー(豪州)(A・パース・オーバル)
第03節 05月27日(水)19:00 FC東京✕上海申花(中国)(H・東スタ)
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