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*** june typhoon tokyo ***

SOUL II SOUL 『Vol. V Believe』

「あ、このCD買い逃していたなぁ」

なんて思って買って帰ると、CDラックに既にあったり、

「これ…たぶん持ってたな」

なんて思って買わずに帰ると、CDラックになく、次回CDショップに行ったらもう在庫切れてたり。

そんなことばかりがこのごろ多くて困ります。
(そのお陰か、マイケル・ジャクソンのLP『スリラー』が3枚あったりします)

ということですが、
今回はかつて確実に家にあったけど今はどこかへ行ってしまったCDを、先日中古CDショップで見つけたので、
その時に数枚買ったCDのなかから1枚をピックアップして、レヴューしたいと思います。
ちなみに、この作品は300円でした。

◇◇◇

Soul_ii_soul_volv 1980年代末に、レゲエやファンクの要素を基盤に中低音の太いビートを強調させたサウンド“グラウンド・ビート”の寵児としてシーンを席巻した、ジャジー・Bを中心とするユニット“ソウル II ソウル”のオリジナルとしては4枚目のアルバム。

 1stアルバム『キープオン・ムーヴィン~クラブ・クラシックス・ヴォリューム1~』では「Keep On Movin'」「Back To Life」などのヒットを生み、タイトルに違わずクラシックス・アルバムとして君臨することとなったが、その後はデビュー・アルバムを
超えるような作品を制作するに至らなかった。それは当初、ジャジー・B、ネリー・フーパー、フィリップ・ハーヴィーという3人の融合によって楽曲の質を高めていたのだが、2ndアルバム『Vol II 1990 A New Decade』時にネリー・フーパーが脱退したことで、そのバランスが崩れ、ジャジー・Bへの負担が重なり、多少大げさではあるが、迷走しはじめた感があったからではないだろうか。

 さらに、苦悩は続き、92年に3rd『Vol.3 Just Right』をリリース後に3年ほどブランクを作ってしまう。その後に、何とか制作されたのが、この4th『Vol.V Believe』である。(4作目なのに“Vol.5”とあるのは、3rdアルバムのリリース後、ベスト・アルバムを“Vol.4”として発表しているため)
 何よりも注視すべき点は、デビュー・アルバムでのヒット作「Keep On Movin'」「Back To Life」のヴォーカリスト、キャロン・ウィーラーが復帰したことだ。キャロン・ウィーラーは、「Ride On」「Feeling」「Sunday」と3曲にフィーチャー。それらを軸とした構成は、長いブランクのトンネルからようやく抜け切ったと受け取れるポテンシャルの高いものとなった。特に「Ride On」は、初期ソウルIIソウルの旨みが充分に凝縮された秀作で、「Back To Life」とキャロン・ウィーラーのソロ・デビュー作『UK BLAK』のタイトル・ナンバーの中間に位置するような、迷いのない安定感とスムースなグルーヴに魅了されること請け合いだ。
ジャジー・Bがロメオ(本名べレスフォード・ロメオより)名義でキャロン・ウィーラーと共作した「Feeling」も、足取りの軽いシンセ・ラインの上で流麗なキャロン・ウィーラーのヴォーカルが映える佳曲。深淵で宗教的な世界観までも想起させるジャジー・Bのポエトリー・リーディング風のヴォーカルも、決してダウナーには聴こえないほどで、彼が苦悩から解放された心地よさを表わしているようだ。
キャロン・ウィーラーをフィーチャーしているもう1つの曲「Sunday」は、壮大さはそれほどではないが、伸びやかで柔軟性を持ったヴォーカルがメロディの上を弾むナチュラルなミッド。シングル・カット・レヴェルのキャッチーさまではないが、体裁を巧みにまとめた安定感の高さが窺える。

その他、ペニー・フォードをヴォーカルにフィーチャーしたシングル・カット曲でオープナーの「Love Enuff」、ゆったりとたゆたうメロディのなかにシャルロットが浸透圧の高いヴォーカルを染み込ませていく「I Care(Soul II Soul)」(シャルロットはその他「Don't You Dream」やSensiのラップを組み入れた「Pride」でリード・ヴォーカルをとっている)、ジャジー・Bの低く響くリード・ヴォーカルとEyvetのムーディなコーラスとの対比や、“私は万能の愛を日々夢見ている”という日本語フレーズの導入に耳を惹く「Universal Love」など好曲揃い。ロメオとハーヴィーの共作による、ドラムンベースを用いた「Zion」や「How Long」「Game Dunn」などインスト曲にも、デビュー当時のグルーヴ感と先取の精神が垣間見られる。

“SOUL II SOUL”というとデビュー作の衝撃があまりにも大きすぎて、その後についてはあまり好評を語られないが、いま一度、先入観を取り払って聴いてみて欲しい作品である。
“グラウンド・ビート”というムーヴメントのなかで埋もれていった風ではあるが、そのサウンドの先進性や資質は、今でも充分高いポテンシャルを維持しているといえる、隠れた傑作だ。

◇◇◇

ちなみにこの他に買ったのが、Mary J.Blige『Love&Life』(誰かに貸したまま行方不明の可能性高し)とMAXWELL『EMBRYA』(何故か探してもなかった…)。3枚で1000円くらい。
でも、考えてみると、

以前は持っていたものを改めて(しかも中古で)買っているっていうのも、なんだかなぁ…ってことですが。

まぁ、あれですよ。
今までそんなことなかったのに、

たまに突然ポテトチップスが無性に食いたくなってコンビニやスーパーに買いに出かける感覚

っていうヤツですか。
違いますか。そうですね。すみません。m(__)m

Soul II Soul/Vol.5 - Believe

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