*** june typhoon tokyo ***

FC東京 vs 東レ @墨田区総合体育館【V1リーグ】


 一進一退の攻防を制した東レが勝利。FC東京はホーム最終戦を白星で飾れず。

 FC東京はサッカーJリーグのほか、バレーボールチームでも活動している。2019-2020シーズンはVリーグのトップカテゴリー「V1リーグ」に所属。10月26日から開幕したV1リーグのレギュラーラウンドは中盤に差し掛かるが、3勝となかなか勝ち星を積み上げられないなか、早くもFC東京にとって今シーズンのホームゲーム最終戦を迎えることになった。JリーグのFC東京の補強・移籍動向なども気になるなか、同じ“青赤”のユニフォームで躍動するバレーボール選手たちの奮闘ぶりを観るべく、錦糸町が最寄の墨田区総合体育館へ足を運んだ(半分は東京ドロンパ目当てだったりするが…笑)。相手は東レアローズ。

 FC東京は第1、第2セットとも出だしは好調で先手を取るものの、終盤で追いつかれ逆転。第3セットはストレート負けは避けたいFC東京が東レを振り切って1セットを奪い返したものの、第4セットで東レの富田の3連続アタックで突き放されると、勢いを取り戻せず、セットカウント1対3で敗戦。ホーム最終戦を白星で飾ることは出来なかった。

 セットカウント差以上に一進一退の攻防が続き、テクニカルタイムアウトも先取することが多かったFC東京にも勝機はあったと思う。ただ、リードして迎えた終盤に東レの攻撃を止めきれず、サービスエースを許しての連続失点で流れを一気に渡してしまう展開が多かった。栗山、手原などが連続でブロックを決めるなどリズムを掴みかける場面もあったが、その流れからの最後の一押しが足らなかったか。チャンスボールを決め切れずに拾われて、東レのエース、ルジェ・アントニンの強烈なアタックでジワジワと点差をつけられるという展開。FC東京はプレモビッチ・ピーターが15得点(決定率36.6%)、栗山が10得点(66.7%)なのに対し、東レはルジェ・アントニンが24得点(47.1%)、富田将馬が23得点(57.5%)、星野秀知が11得点(45.8%)と、得点すべきところで決め切る力が上回っていた。また、FC東京は接戦のなかで追いつき、さあこれから勢いを増そうというところでサーブミスが出たり、トスが流れてやむを得ず軟攻に逃げるなど流れを切る形が散見されたのが残念。競り合いで勝てなかった要因の一つになったといえる。

 東レは序盤はやや堅さも見られた。FC東京にも付け入る隙は十分にあったが、そこを攻め切れないうちに、東レがルジェ・アントニンの強打を中心に盛り返してゲームメイク。多少力みがあったなかでも、しっかりと試合中に微調整を行ない、最後は決定力の差で勝利を飾った。

◇◇◇

 東レアローズはバルーンスティックにチアガールというバレーボールの応援の王道スタイル、FC東京はハリセンを叩いてサッカーのチャントを歌うという対照的な応援スタイル、セット間には東京ドロンパによるショー(この日は書き初めとダンス)や安田学園チアリーディング部による演技など、試合中およびセット間でも楽しめる要素が多かった。スピーディな試合展開(自分が幼少時に観たサーブ兼の取り合いで試合が長引くような時代と比べたら雲泥の差…笑)やチャレンジ制度による判定も明快だ。ただ、微妙な判定の際に場内説明がないまま進行する場面がいくつかあり、自分のように専門的な視点や知識を持っていない観客にとっては、何らかのアナウンスは欲しかったところ。また、モニターが1ヵ所のみで小さかった(これは予算的なところだろう)が、これが改善されるとよりストレスフリーになったはずだ。

 残念ながら第3LEG以降は関東圏での試合はなく、FC東京はレギュラーラウンド上位5チームによるV・ファイナルステージへの進出には大きく水をあけられているため、今シーズンの観戦は最後になりそうだが、昨・今シーズン同様、来シーズンもいくつか試合を観戦したいと思う。

◇◇◇

【V.LEAGUE Division1 V・レギュラーラウンド 2LEG】
2020年1月11日(土) 墨田区総合体育館
15:00試合開始 17:01試合終了 試合時間2時間1分
入場者数 2,600人 
JURY 遠藤健三 / 主審 澤達大 / 副審 森口豊 / 判定員 塚本健二

 FC東京 1(24-26 / 23-25 / 25-23 / 21-25)3 東 レ

FC東京: 通算3勝15敗 ポイント8
東 レ: 通算8勝10敗 ポイント26

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【FC東京】
01 迫田郭志  S/S/S/S
02 玉宅健太郎 -/R/R/- 
03 橘 裕也  L/L/L/L
05 井上 仁  S/S/S/S
08 栗山英之  S/S/S/S
09 手塚 大  S/S/-/-
12 小田嶋大貴 -/R/R/-
13 柳町逸太  -/-/-/-
16 手原 紳  S/S/S/S
19 佐藤望実  -/R/S/S
20 プレモビッチ・ピーター S/S/S/S
22 宮原和輝  R/-/R/-
23 小森郁己  L/L/L/L
26 黒田彪斗  -/-/-/-
※第1セット/第2セット/第3セット/第4セット
※S=スターティングメンバー R=交代選手 L=リベロ

監 督:真保綱一郎
コーチ:リベイロ・ファビアーノ

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