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A Running Stone Gather no moss

タイトル変えました。iSaonのブログです。

『たぬきそば』の欺瞞

2008-09-25 19:13:08 | ごあいさつ
蕎麦で何が好きか?と聞かれたら、冷たいそばなら、もり。温かいものなら、『たぬきそば』と答える。おりしも秋の入り口、日一日と涼しくなってきて、まさに今が、たぬきそばの季節といえよう。

たぬきそばの醍醐味は、汁と油分の絶妙なバランスにある。これが天ぷらそばだと、油が勝ってしまって、汁の存在感が損なわれる。また、天麩羅は、衣が厚すぎて、衣の前身である小麦粉の存在を感じずにはいられないが、天かすの場合、これが小麦粉だっとは、にわかには信じられないくらい、軽く、香ばしい。

最近、スーパーでは、袋入りの天かすが売られているけど、なんか全部が丸くて、顕微鏡で見た、白血球の血小板みたいだ。味も、単に天麩羅の衣を細分化しただけの味しかしなくて、つまらない。

僕は、細くて、短くて、全身こんがりキツネ色の天かすが好きだ。

たぬきそばが届いたら、急いで、天かすを蕎麦に絡めて、ひとすすり。まだ、サクサク感が残る天かすが、蕎麦の一本一本にからまって、口中を通過していく瞬間がたまらない。

しかし、このネーミング。「なんで『たぬき』そばなんだ?」というのは日本人であれば、誰もが一度は考えたことのある疑問だろう。

それはね、タネのない天麩羅だから、タネ抜きがなまって『たぬき』になったんだよ。なんてしたり顔で言う人間を信じてはいけない。このネーミングには、実は深い陰謀が隠されているのだ。

たぬき蕎麦ができる前に、すでに、きつね蕎麦があった。油揚げは、狐の好物(ホントか?)だから、きつね蕎麦。で、キツネがあるのに、タヌキがないのは、具合が悪かろうということで、急遽、たぬき蕎麦が考案されたのである。

しかし、まず、キツネとタヌキは同格なのだろうか?動物界においては確かにそうかもしれない、が、しかし、蕎麦となると、そうはいかない。

きつねの『お揚げ』は、ただの油揚げではない、甘辛い汁で、じっくり煮込んである。仕事がしてある、具なのだ。

では、たぬきはどうだ。ただの天かすだ。カスだよカス。天麩羅の製造過程で発生する産業廃棄物と言ってもいい代物だ。仕事は、一切していない。網ですくっただけである。切ってさえいない。

こんなものを、お揚げと同格にしていいのか、いや、いいはずがない。しかし、実際には、キツネ蕎麦と、たぬき蕎麦に値段上の大きな差異はない。これを欺瞞といわずして、何を欺瞞といおう。

実際、セルフのうどん屋にいくと、天かすはサービスで、『ご自由におとりください』となっている。これが本来の姿であろう。

もう一度言うが、産業廃棄物だ。産業廃棄物の一掴みで50円も儲けようなんて、いい了見だ。

こういうことをしている蕎麦屋から、一文くらいかすめ取ったってなにが悪い(『時そば』だよ)。

つまり、たぬき蕎麦の本当の由来は『タネ抜き』でも、きつねの相棒でもない。お客を化かして、ゴミに金を払わせるから『タヌキ』そばなんである。

ホンモノだよ

2008-09-05 18:41:08 | ごあいさつ
ホーチミンの中心部にある、大きな市場(ビエンタイ市場)の近くに、小さな楽器店があったので、思わず入ってみました。

展示してある楽器は、全部合わせても10台くらい。店で一番大きなスペースを占めていたのは、店主のものらしいオートバイでした。

ベトナムのギターは、どれも派手な柄の彫り物がしてあって、ヘッドの形とかも、かなり微妙。明らかに音よりも、ビジュアル重視、の姿勢がほとばしってます。

そんななかで、壁にかかっている赤いレスポールを発見!ヘッドのロゴを見ると、なんと『Gibson』と書かれているではありませんか。しかも、ネックにぶら下がっている取り扱い説明書は、僕がもっているギブソンのそれと酷似している。

しかし、どうみても、Gibsonというか、高級ギターとしてのオーラがないんだよね。ピックアップのカバーとかも、なんかメッキ感がバリバリだし。

でも、面白そうなので値段を聞くと、

350ドル。

うーん、鉄板でフェイクだな、こりゃ。でも店のオバチャンは、

『ホンモノ、ホンモノ、これ、ホンモノ』

まさか、

『ホンモノ、これ、コリアのホンモノ』

なるほど『コリアのホンモノ』なら、間違いないね。はい。

この市場では、ロレックスのフェイクが20ドルくらいで買えるの。Gibsonもロレックス並みにメジャーになったということでしょうか。

でも、ほとんどのものが100円以下で手に入るこの界隈で、350ドルの商品ってやっぱ、特別らしく、ビニールの袋がかかっていた。

ちょっと、真剣に考えちゃいましたよ。

あけまして、おめでとうございます。

2008-01-07 19:40:22 | ごあいさつ
今日から、仕事初めです。

お休み中も、結構たくさんの方々が、このブログをチェックされていたようで、恐縮です。今年もよろしくお願いしますね。

今回、年末年始の休暇はたっぷし、9日間もありました。そして、そのうち一日も欠かすことなく、家族全員で夕食を囲みました。昼食も一日くらいじゃないかな、揃わなかったのは。

家族なんだから、当たり前だと思うかもしれないけど、結構ないのよ、こういう機会。平日だと、まず、家族が揃って夕食をとる機会ってない。ていうか、朝飯もない。休み中でも、やれ、サッカーだ、新年会だ、忘年会だと忙しくて、たいてい、何日かは、僕が抜ける。

それが今年は、不気味なくらい、家族一緒に過ごしたから、これはもう当然、鍋料理が多くなる。夕食の3分の2は、鍋だったんじゃないだろうか。

我が家で『味噌鍋』と称する、牛肉の味噌仕立て鍋は、鶏がらを5時間も煮込み。おでんでは、関西風の薄口で、大根とコンニャクだけは、これも5時間ほど、じっくりと、とろ火で攻めました。

これまで、おでんは、市販のツユを使ってたけど、今回は、自家製にしました。普通にカツオと昆布でとった出汁に、ごくごく薄めの味付けをして、決して煮たてぬよう、気長に煮ると、これがなんとも、ゴキゲンな味になるんだね。

本当は、ジャガイモとか、ちくわぶとかを入れたかったんだけど、汁が濁るので断念。うちの家族は、ゆで卵を、たっぷりのツユの中でグチャグチャにして、それをご飯にぶっかけてかっ込むのよ。下品でしょー、でも、うまいんだ、これが。一度やってみてチョーよ。

大なべ一杯のおでんが、一晩でなくなったのは、我が家のおでん史上初めてのことです。一日、家中がコンビニの匂いがしてたけどね。

毎日。11時くらいから、買出しに出かけ、昼飯の後に、夕食の下ごしらえをして、子供と公園へ。帰ってきてから、ギターでひとしきり遊び、ジョギング(何日か)して、シャワー浴びた後に、ビールをグイッとやって、夕食の支度。あとはひたすら、テレビ見ながら、呑む。という夢のような生活を送りました。

だから、今日の仕事初めはつらい。ホントは、半日くらいで適当に切り上げたいところだけど、今月また、出張が入っているので、その資料作りがあって、休めない。

まあ、いいや、旧正月になったら、また何日か、休もうっと。

一年間、ご愛読、ありがとうございました。来年もね。

2007-12-27 12:12:42 | ごあいさつ
たぶん、これが今年最後の投稿になると思います。
一年間、ご愛読ありがとうございました。

また、JS-Tのライブに足を運んでいただいたみなさん、YouTubeで我々のビデオをご覧になってくださったみなさん、ありがとうございました。心より、感謝します。

そこで、この一年間の記事をざっと読み直してみたんだけど、あれ、これって今年のこと?っていうようなのが多いね、意外に。

あー、今年は全然、映画みてないなって思ってたんだけど、実は、前半は結構、観ている。

ペヤングヌードルの記事なんて、遠い昔のことだと思ったら、なんのことはない、今年の一月の話だったんだね。

もともとは、音楽系の話を書くために立ち上げたブログなのに、最近は、食い物のことばっか。『裏スジ J-POP 銘曲100選』なんて、3曲で止まったままだし。いやはやどうも、ヘタレっぱなしだね。

でも、やはり定期的に文章を書くというのは、良いもので、最近は、ノーアイデアで書き始めても、結構、書けちゃったりする。頭で考えていたことよりも、実際に書き始めてから思いついたことのほうが、面白かったりする(あくまでも当社比)。

それに、このブログがきっかけで、今年は数十年ぶりに、中学校時代の同級生と再会できたのだから、ありがたくって涙がでます。

そもそも、日記帳はおろか、手帳でさえ、まともに使えなかった僕が、こうして何年にもわたって、ブログを書き続けてこれたのは、読んでくれる人がいたからだよね。そのうえ、コメントまでもらっちゃって、本当にありがとう。

これまでの僕の文章で、なにかしら気分を害した人がいたら、ごめんなさい。そんなつもりはなかったんです。そんなつもりが、どんなつもりかもわからないけど。

とにかくみなさん、良いお年を。

3月ごろには、また、G県でライブしたいと思ってます。

僕とマーチン君

2007-09-26 18:21:57 | ごあいさつ
『25年目の軽音楽部室』なんて言いながら、食い物と政治ネタしかやらないで、タイトルと内容の乖離が著しく進んでいます。

ですので、今日は、久しぶりに音楽ネタを。

最近また、楽器屋さんに足を運んでいます。今回の狙いは、アコースティックギター。現在、メインで使っているタカミネの代わりになるようなものを探しているんだけど、年末か年明けに買えたらいいなぁ、と思っています。

先々週の金曜日、会社の帰りに、久しぶりに、御茶ノ水のクロサワ楽器に立ち寄りました。

実は、このときのお目当ては、ウクレレで、7万円前後でいいやつがあれば、と思っていたのですが、ウクレレのフロアは、3階、しかし、途中の2階がマーチン専用階なので、ふらっと立ち寄ってしまったのです(3階まで登るのが、ダルかった)。

ずらりと並ぶマーチンの皆々様。以前、値上げされると聞いてはいたけど、やっぱ、結構高くなってる。D-28で26万円、うーん、お小遣い制の身には、ちとつらい。

金額的につらいのはもちろんだけど、僕はどうも、マーチンと聞くと、どうしても尻込みしてしまうんですよ。なんか、『フォークの王道』って感じが重い。

何につけ、僕は『王道』というか、『本家本元』的なものが好きになれない。

キリンよりもサッポロ。ヤマハよりもカワイ。トヨタよりもスバル。松田聖子よりも北原佐和子(知らねーだろーな)というように、No.1よりも、2番手、3番手に惹かれてしまう。

マーチンも特に、うっち~や、ストクラのとしやんが持っているD-18, D-21は、もう、これぞマーチン、フォークギターの中のフォークギターという感じで、自分が持ってステージにあがるところを想像しただけで恥ずかしくなってしまう。

手入れとかも大変そうだし。

小沢一郎に花束が似合わないように、ロナウジーニョにタキシードが似合わないように、僕に、マーチンは似合わない。でも、それは決してマーチンのせいじゃない。

音色も、ちょっと上品過ぎる。以前、楽器屋でHD-28Vを弾かせてもらったけど、どんな風に弾いても、上手く聴こえてしまう(ような気がする)。音のひとつひとつが

「どうだ上手いだろ」

と主張している感じ。ブイブイ言わせてる。やっぱ恥ずかしい。

スリーコード中心に、しかも3台でひたすらジャンジャカかき鳴らすだけのJS-Tには、分不相応というものでなないだろうか。
そうか、だから、うっち~も最近は、D-18を使わず、サイン帳と化したオベーションを使っているのね。

などと思っていました。

しかし、そんな僕の概念を覆すような一台が、クロサワ楽器の2階にありました。

Marting D-15。

まっ茶色です。ネックも含めて、丸ごとマホガニー。裏も表も、わき腹もお尻も、ぜーんぶマホガニー。だから、掘り起こしたばかりの土のように、ギター全体が、まっ茶色。

マーチンのチョイ悪?いなかっぺ大将の、にゃんこ先生の子供にも、一匹だけ黒い子猫がいたっけ。漂う不貞の香り。みにくいマーチンの子?

しかし、この不貞の子、弾いてみて驚いた。いい、実にいい。

上手くは言えないけど、キビキビしている感じ。
店の人に言わせると、

「音の立ち上がりがいいでしょ?}

おう、そういう言い方をするのか。うめぇこと言いやがんな。

なんか、ギターが自分のために鳴ってくれている。弾いているのは僕なのに、僕以外の誰かが、僕に聴かせてくれる感じ、といえばわかりやすいか、いや、却ってわかりにくいな。

普段、気のいい出入りの業者のオジサンが、実は意外な高学歴だったときの驚き。

「え、松井さん、慶應なの?」

値段も手ごろ。これなら、時間をかければ、なんとかなりそうだ。よし、明日から、昼は毎日『小諸そば』だ!と決意を新たにしたわけですよ。

しかし、次の週、今度は渋谷の楽器店にいって『Cole Clerk』というオーストラリアのエレアコを弾かせてもらうと、これは、またこれで素晴らしい。

メイプルのボディだってさ、舐めたら甘いぞ、きっと。

あー、どっちにしようか、なんて、資金もたまっていないのに、身悶えるばかりの、僕だったのです(つづく)。