蕎麦で何が好きか?と聞かれたら、冷たいそばなら、もり。温かいものなら、『たぬきそば』と答える。おりしも秋の入り口、日一日と涼しくなってきて、まさに今が、たぬきそばの季節といえよう。
たぬきそばの醍醐味は、汁と油分の絶妙なバランスにある。これが天ぷらそばだと、油が勝ってしまって、汁の存在感が損なわれる。また、天麩羅は、衣が厚すぎて、衣の前身である小麦粉の存在を感じずにはいられないが、天かすの場合、これが小麦粉だっとは、にわかには信じられないくらい、軽く、香ばしい。
最近、スーパーでは、袋入りの天かすが売られているけど、なんか全部が丸くて、顕微鏡で見た、白血球の血小板みたいだ。味も、単に天麩羅の衣を細分化しただけの味しかしなくて、つまらない。
僕は、細くて、短くて、全身こんがりキツネ色の天かすが好きだ。
たぬきそばが届いたら、急いで、天かすを蕎麦に絡めて、ひとすすり。まだ、サクサク感が残る天かすが、蕎麦の一本一本にからまって、口中を通過していく瞬間がたまらない。
しかし、このネーミング。「なんで『たぬき』そばなんだ?」というのは日本人であれば、誰もが一度は考えたことのある疑問だろう。
それはね、タネのない天麩羅だから、タネ抜きがなまって『たぬき』になったんだよ。なんてしたり顔で言う人間を信じてはいけない。このネーミングには、実は深い陰謀が隠されているのだ。
たぬき蕎麦ができる前に、すでに、きつね蕎麦があった。油揚げは、狐の好物(ホントか?)だから、きつね蕎麦。で、キツネがあるのに、タヌキがないのは、具合が悪かろうということで、急遽、たぬき蕎麦が考案されたのである。
しかし、まず、キツネとタヌキは同格なのだろうか?動物界においては確かにそうかもしれない、が、しかし、蕎麦となると、そうはいかない。
きつねの『お揚げ』は、ただの油揚げではない、甘辛い汁で、じっくり煮込んである。仕事がしてある、具なのだ。
では、たぬきはどうだ。ただの天かすだ。カスだよカス。天麩羅の製造過程で発生する産業廃棄物と言ってもいい代物だ。仕事は、一切していない。網ですくっただけである。切ってさえいない。
こんなものを、お揚げと同格にしていいのか、いや、いいはずがない。しかし、実際には、キツネ蕎麦と、たぬき蕎麦に値段上の大きな差異はない。これを欺瞞といわずして、何を欺瞞といおう。
実際、セルフのうどん屋にいくと、天かすはサービスで、『ご自由におとりください』となっている。これが本来の姿であろう。
もう一度言うが、産業廃棄物だ。産業廃棄物の一掴みで50円も儲けようなんて、いい了見だ。
こういうことをしている蕎麦屋から、一文くらいかすめ取ったってなにが悪い(『時そば』だよ)。
つまり、たぬき蕎麦の本当の由来は『タネ抜き』でも、きつねの相棒でもない。お客を化かして、ゴミに金を払わせるから『タヌキ』そばなんである。
たぬきそばの醍醐味は、汁と油分の絶妙なバランスにある。これが天ぷらそばだと、油が勝ってしまって、汁の存在感が損なわれる。また、天麩羅は、衣が厚すぎて、衣の前身である小麦粉の存在を感じずにはいられないが、天かすの場合、これが小麦粉だっとは、にわかには信じられないくらい、軽く、香ばしい。
最近、スーパーでは、袋入りの天かすが売られているけど、なんか全部が丸くて、顕微鏡で見た、白血球の血小板みたいだ。味も、単に天麩羅の衣を細分化しただけの味しかしなくて、つまらない。
僕は、細くて、短くて、全身こんがりキツネ色の天かすが好きだ。
たぬきそばが届いたら、急いで、天かすを蕎麦に絡めて、ひとすすり。まだ、サクサク感が残る天かすが、蕎麦の一本一本にからまって、口中を通過していく瞬間がたまらない。
しかし、このネーミング。「なんで『たぬき』そばなんだ?」というのは日本人であれば、誰もが一度は考えたことのある疑問だろう。
それはね、タネのない天麩羅だから、タネ抜きがなまって『たぬき』になったんだよ。なんてしたり顔で言う人間を信じてはいけない。このネーミングには、実は深い陰謀が隠されているのだ。
たぬき蕎麦ができる前に、すでに、きつね蕎麦があった。油揚げは、狐の好物(ホントか?)だから、きつね蕎麦。で、キツネがあるのに、タヌキがないのは、具合が悪かろうということで、急遽、たぬき蕎麦が考案されたのである。
しかし、まず、キツネとタヌキは同格なのだろうか?動物界においては確かにそうかもしれない、が、しかし、蕎麦となると、そうはいかない。
きつねの『お揚げ』は、ただの油揚げではない、甘辛い汁で、じっくり煮込んである。仕事がしてある、具なのだ。
では、たぬきはどうだ。ただの天かすだ。カスだよカス。天麩羅の製造過程で発生する産業廃棄物と言ってもいい代物だ。仕事は、一切していない。網ですくっただけである。切ってさえいない。
こんなものを、お揚げと同格にしていいのか、いや、いいはずがない。しかし、実際には、キツネ蕎麦と、たぬき蕎麦に値段上の大きな差異はない。これを欺瞞といわずして、何を欺瞞といおう。
実際、セルフのうどん屋にいくと、天かすはサービスで、『ご自由におとりください』となっている。これが本来の姿であろう。
もう一度言うが、産業廃棄物だ。産業廃棄物の一掴みで50円も儲けようなんて、いい了見だ。
こういうことをしている蕎麦屋から、一文くらいかすめ取ったってなにが悪い(『時そば』だよ)。
つまり、たぬき蕎麦の本当の由来は『タネ抜き』でも、きつねの相棒でもない。お客を化かして、ゴミに金を払わせるから『タヌキ』そばなんである。