豊島区上池袋4丁目の猪熊さん達の借地人のグループは、去る10月3日の夕方から、盛大な祝賀会を催した。今まで借りていた土地の底地権を比較的安い値段で買取ることが出来、念願の土地を所有することが出来た。それを祝し、仲間同士でお祝いをすることになった。
ことの始まりは、数年前の4月に起った。地主から突然の手紙が送付され、賃貸中の土地は、ある株式会社に譲渡した旨を知らされた。このような経過から、猪熊さんは近所の借地人の仲間を誘って、一緒に組合に加入した。組合から「地主が代わっても賃貸借契約は従前の契約内容同一条件で、そのまま新地主に承継されるから大丈夫です」と聞かされて、一先ず安心することが出来た。底地業者との対応の仕方についても相談した。
数日後、新地主の代理人と称する底地業者がやって来た。「賃貸借を続ける意思はない。底地を買取るか、借地権を譲るかの、どちらかだ」と言われ、値段も示された。しかし、猪熊さん達は、組合との打ち合わせ通り、底地業者に「交渉は組合を窓口にする。直接の話合いには応じられない」と主張して頑張った。話合いの端緒を掴むことが出来ず、底地業者は「後のことは、総て組合が引き受けてくれ」と言って、匙を投げてしまった。
昨年の11月頃、金融会社は、猪熊さん達が借地している土地の競売を申し立てた。猪熊さん達は組合と相談し、借地人の仲間と一緒に入札に参加した。複数の業者を含めての入札だったが、僅かの金額差で、業者を出し抜いて見事に落札し、土地の買受けに成功した。
(月曜から金曜の午前10時から午後4時まで)