2005.7.20SP
◆◆◆ 舞台は世界! 君代友情の太陽と輝け
一、夏になると思い出す。
ほとばしる清流。
透き通る緑。
かつて訪れた、青森の東北研修道場である。<1994年8月>
あれから11年。
わが東北の同志は、天を突く大樹のように、幸福と勝利の枝を大きく茂らせている。
研修道場の近くには、広大な十和田湖。そして美しき奥入瀬(おいらせ)の渓谷。
その光景を私はカメラに収めた。最高峰の宝の自然を、世界の友と分かち合うために。
研修道場には、私の詩が碑に刻まれていた。
それは ――
「滝の如く 激しく
滝の如く 弛(たゆ)まず
滝の如く 恐れず
滝の如く 朗らかに
滝の如く 堂々と
男は
王者の風格を持て」
我らもまた、滝のごとく、清冽(せいれつ)に生きたい。
あらゆる苦難を打ち砕きながら!
◆ 全ては「大失敗」から始まった
一、7月17日は、アメリカの「ディズニーランド」が開園して50周年の佳節に当たる。
アメリカ創価大学と同じオレンジ郡にあり、世界的な"夢の広場"として愛されている。
50年前の開園は、どんな様子であったか。
その日、映画人であり起業家であるウォルト・ディズニーは語った。
「この場所が、世界中の人々にとって喜びと感動の源となれますよう、願いを込めて」(グリーン
夫妻者、山口和代訳『魔法の仕掛人ウォルト・ディズニー』ほるぷ出版)
だが、彼が思い描いたような順調な滑り出しではなかった。
開園日は日曜日。ニセの招待券が出回り、予定の3倍以上の人が殺到。準備も万全ではなく、乗り
物は故障や停電に見舞われた。水飲み場やトイレが足りず、長蛇の列に。大混乱に陥った。
「ブラック・サンデー(暗黒の日曜日)」と呼ばれるほどの惨憺(さんたん)たる出発であった。
多くのマスコミ、批評家から酷評(こくひょう)された。
「ウォルトの夢は悪夢だ」「ディズニーランドのオープニングほどの大失態は前例がない」
一斉に叩かれた。
しかし、障害があるほど強くなるウォルト・ディズニーであった。
「僕たちの目標は高いんだ。だからこそ、いろんなことをやり遂げられるんだ」(ボブ・トマス著、
玉置悦子・能登路雅子訳『ウォルト・ディズニー』講談社)
開園すると、彼はよくディズニーランドに泊まり込んだ。現場の話を聞き、陣頭指揮をとった。
大失敗の初日であったが、開園から数力月で入場者数は100万人を突破。事前の予想をはるかに
上回ったのである。
ディズニーランドは、不断の改良を続けた。当初、22だったアトラクションは、10年後には倍
以上に増えた。事業は拡大し、大成功を収めた。
なぜ成功したのか。
その要因の一つは、当時、全盛期を迎えた白黒テレビを宣伝の武器に使ったことにあったといわれ
る。
また、従業員に対して"ディズニー大学"で継続的な研修を行った。
十分な訓練を受けた従業員たちは、ディズニーランドの理念や姿勢を身につけ、素晴らしい応対で
来園者を迎えた。
それが、当時、遊園地にあった「とげとげしい係員」「汚い」というイメージを払拭(ふっしょく)
させた。一度来園した人が、何度も訪れるようになった。
◆ これからが本番
一、開園から10周年を迎えた時、ウォルト・ディズニーは、仕事に携(たずさ)わってきた一人
ひとりに感謝しつつ、こう語っている。
「これだけは言っておきたい。これまでのところは、まあ、言ってみれば、リハーサルみたいなも
ので、これからが本番なんです。ですから、みなさんの中で過去の栄光の上にどっかり座って楽をし
ようという人がおられれば、え一、もう用はないんです、そういう方には」(同)
彼は皆の心を奮い立たせたかったのだろう。
前へ! 前へ!
新しい舞台へ!
彼が築いた"夢の城"は、フロリダ、東京、パリと、世界に広がり、本年9月には新たに香港にも
開園するという。
大いなる夢に向かって彼は突き進んだ。常に挑戦者だった。心には「開拓精神」 ―― 「フロンテ
ィア・スピリット」が燃えていた。
ここに、新たな時代を切り開く原動力があったと私は思う。
創価学会は、この秋、創立75周年を迎える。
いよいよこれからが「本番」である。
希望は常に前にある。
栄光は前進し続ける中にある。ともどもに悔いなく、最高の勝利の人生を飾ってまいりたい。
<先月26日、フィリピンの「東南アジア子どもテレビ基金会」が、名誉会長に、子ども向け番組
に貢献した人物に贈る最高の栄誉「アナック・テレビ放送賞」を授与した。
その際、同基金会のローセス会長は、名誉会長を「想像を超えた世界に子どもたちを連れて行き、
楽しさと喜びを与える"アジアのウォルト・ディズニー"です」と賞讃している>
◆ ロマンに生きよ
一、この地上から「悲惨」の二字をなくしたい ―― これが戸田先生の夢であった。そして私の夢
である。
夢を実現する武器は何か。それは「対話」である。
日本と世界の指導者、さらに各界の識者と、私は、胸襟(きょうきん)を開いて対話してきた。
イギリスでは、バッキンガム宮殿で、アン王女を表敬し、難民問題等について意見を交換した。
チャールズ皇太子からは私邸に招かれ、青少年の教育について話が弾んだ。
冷戦終結の立役者、ロシアのゴルバチョフ元ソ連大統領とも、これまで8度にわたって親しく語り
合った。
96年には、アメリカとキューバの関係が悪化するなか、両国を相次ぎ訪問した。キューバの革命
宮殿で、背広姿のカストロ議長とお会いしたことも、思い出が深い。
議長とは、「核兵器は絶対に無用」との信条で一致した。
また私は、世界の"知性の府"から招聘(しょうへい)を受けて、講演を行ってきた。
アメリカのハーバード大学では2度、スピーチした。
フランス学士院でも、厳粛な雰囲気のなかで講演を行った。温かい賛同の拍手を送っていただいた
ことも懐かしい。
アジアにも、南米にも、アフリカにも、オセアニアにも、創価の人間主義に共感してくださる友人
が数多くいる。
我らの「友情の太陽」で世界を照らしたい。
一、生涯、大いなるロマンに生き抜きたい。
そこに平和の緑野が広がっていくのである。
◆《モンゴルの格言》 団結は勝利の源
―― 破和合僧の大罪を断じて許すな ――
◆ 「団結した人々は壊されない」
一、歴史を変えゆく運動を成就させるために、最も大事なことは何か。
アメリカ公民権運動の大指導者キング博士は、「運動に参加する人たちを団結させておくことだ」
(雪山慶正訳『自由への大いなる歩み』岩波新書)と述べている。
モンゴルの格言にも、「団結した人々は壊されない」「団結は勝利の源」とある。
団結こそ力である。
御聖訓には、「異体同心なれば万事を成し」(御書1463ページ、)と仰せである。
広宣流布の前進においても、同志の「異体同心の団結」が極めて重要となる。
◆ 嫉妬の心から和合僧を破壊
一、仏法を行じ、弘めゆく人々の団結を破壊せんとする「破和合僧(はわごうそう)」の罪は、仏
法上、大変に重いとされる。
「破和合僧」は「五逆罪」の一つとして説かれている。
<五逆罪の内容は、仏典等により諸説ある>
御聖訓には仰せである。
「大阿鼻(だいあび)地獄(無間地獄=むけんじごく)の業因(ごういん)をいえば、五逆罪をつ
くる人が、この地獄に堕ちるのである。
五逆罪とは、一に父を殺すこと、二に母を殺すこと、三に阿羅漢(あらかん=小乗の悟りを得た聖
者)を殺すこと、四に仏の身を傷つけて血を出させること、五に破和合僧である」(同447ページ、
通解)
また、「佐渡御書」で中国の不惜身命(ふしゃくしんみょう)の僧として言及されている慧遠(え
おん)は、『大乗義章(だいじょうぎしょう)』で論じている。
"破和合僧は、正法に違背し、人々を悩ませ、成仏への道を閉ざしてしまう。ゆえに、五逆罪の中
で最も罪が重い"
さらに、こう断じている。
"破和合僧は、貪嫉(とんしつ)の心から起こる。貪(むさぼ)りの心、名聞を求める心、嫉妬心
のゆえに和合僧を破壊するのである"
遠くは、日蓮大聖人、日興上人の御在世においても、近くは、牧口先生、戸田先生の時代において
も、破和合僧の反逆者たちの性根は皆、同じであった。
その本質は、今も変わらない。
「和合僧」を破壊することは、正しき仏法を断絶させることに通じる。
ゆえに、破和合僧の悪人を、絶対に許してはならない。あいまいな態度で妥協してはならない。
こうした人間を放置すれば、仏法の命脈が絶たれてしまうからだ。
また、悪行(あくぎょう)を徹して責め抜いてこそ、その人を目覚めさせ、救うこともできる。
「破和合僧」の輩と戦いゆく学会の「破邪顕正(はじゃけんせい)」の言論闘争は、仏法の法理の
上から見て、正しい行動なのである。
釈尊の在世において、提婆達多は教団の乗っ取りと分裂を画策した。
提婆達多の邪悪な本性を見破った釈尊は、厳しく言った。
「提婆達多がなすところの事は、もはや仏法僧の事ではない。ただ提婆達多の所作なのである」(「四
分律」巻第四、国訳一切経を参照)
もはや提婆達多の言動は、仏法者のものではない、と言明したのである。
提婆の人生は破綻した。頼りにしていた権力者の阿闍世王からも、見放された。
その悪行も世間の知るところとなり、人々から憎まれた。最後は大地が割れ、生きながら無間地獄
に真っ逆さまに堕ちていったとも、経典には記されている。
◆ 邪悪を砕け!
一、インドのアショカ大王が残した法勅(ほうちょく)には、"僧伽(そうぎゃ=仏道修行をする
人々の集団)を破壊する者は、追放されねばならない。なぜならば、私が願うのは、和合した僧伽を
永続させることだからである"と刻まれている。
このアショカ大王の法勅については、現代インドを代表する大哲学者であるロケッシュ・チャンド
ラ博士との対談でも、話題になった。
博士は、現代の「和合僧」というべきSGI(創価学会インタナショナル)の人間主義運動に、大き
な期待を寄せてくださっている。
インドだけではない。
今や全世界の心ある知性が、創価の和合の前進に、「共生と平和の未来」への希望を見いだしてい
るのである。
大聖人は仰せである。
「悪を滅するを功(く)と云い善を生ずるを徳と云うなり」(御書762ページ)
生命の悪、生命の無明の消滅が即、功徳である。「悪を砕く」大闘争にこそ、その大功徳が輝く。
大発展の道がある。
邪悪な「破和合僧」の輩を断固として打ち破るたびに、学会は、いよいよ威光勢力を増していく。
その闘争があったからこそ、190カ国・地域に広がる創価の和合の大連帯が築かれたのである。
◆ 師弟の大道に勝利の栄冠
一、若き日、私は戸田先生から御書を学んだ。「当体義抄」など数々の重書を、直接、講義してい
ただいた。
最高の師匠のもとで、最高の哲学を学んだ。それを無上の誇りとしてきた。先生からいただいた記
念の品も、私は、ずっと大切にしている。
今、SGIの平和・文化・教育の貢献に対して、世界の各地から多くの顕彰が贈られている。皆さま
を代表して私が拝受した栄誉も数多い。
仏法の眼(まなこ)から見るならば、こうした栄誉の数々も、師弟の大道を生き抜いた勝利の栄冠
である。わが同志の大福徳の証(あかし)である。私は、そう深く確信している
<名誉会長に世界の大学・学術機関から贈られた「名誉博士」「名誉教授」等の栄誉は178、世
界からの名誉市民称号は414、国家勲章は25を数える>
「心こそ大切」(同1192ページ)である。
学会のため、広宣流布のために一心に尽くしていくならば、必ず最高の幸福境涯となっていく。偉
大な人生を歩んでいくことは、絶対にまちがいないのである。
◆◆◆ 健康は智恵! 人間革命の夏を!!
◆◆ 開拓精神(フロンティア・スピリット)を燃やせ
―― 常に「挑戦者」だったウォルト・ディズニー ――
◆《ガンジー》 正義に生きる人生に真の健康が
◆ 題目で生命力を
一、私と妻の祈りは、ただひたすらに、わが同志が一人ももれなく、健康で、裕福で、ご長寿であっ
てほしい、所願満足の人生を飾ってほしいということである。
健康は智慧が大事である。これから、暑さもさらに厳しくなってくる。
ドクター部の皆さんと相談し、夏の健康管理のポイントを、具体的に7点にわたって挙げていただ
いた。
?規則正しい生活をすること。とくに疲れをためないよう、十分に睡眠をとること。
?栄養のバランスのとれた食事をすること。
?水分をこまめに補給すること。
?適度に体を動かすこと。
?熱中症に気をつけること。
とくに外出の時は、日傘や帽子を利用し、長時間、直射日光を浴びないよう、工夫したほうがい
いと、ドクターは強調していた。
?冷房病に注意すること。
?食中毒にも十分に注意すること。
ともあれ、自分の健康は自分で守らなければならない。「健康第一」で進んでいきたい。
マハトマ・ガンジーは語っている。
「真の健康の主旨も真理と正義の理想を不撓不屈(ふとうふくつ)で追求してゆくことなのです」
(岡芙三子訳『ガンジーの健康論』編集工房ノア)
題目を朗々と唱え、偉大な生命力をわき上がらせて、広宣流布のために戦いゆく学会活動。ここに
こそ「真の健康」の実像があるといえよう。
どうか、生き生きと、そして聡明に、次の勝利の因を深く刻みゆく「充実の夏」「成長の夏」「人
間革命の夏」としていただきたい。
終わりに、戸田先生のご指導をお伝えして、スピーチを結びたい。
「臆(おく)し去った者は、みじめな敗北の姿を晒(さら)す。
正しき信心を貫いた人は、必ずや勝利の姿を示す」
きょうは本当にありがとう! 各地の同志の皆さん、また、ご家族の皆さん方に、くれぐれもよろし
くお伝えください。
皆さんのご多幸を心から祈っています。また、お会いしましよう!(大拍手)
(2005・7・16)
◆◆◆ 舞台は世界! 君代友情の太陽と輝け
一、夏になると思い出す。
ほとばしる清流。
透き通る緑。
かつて訪れた、青森の東北研修道場である。<1994年8月>
あれから11年。
わが東北の同志は、天を突く大樹のように、幸福と勝利の枝を大きく茂らせている。
研修道場の近くには、広大な十和田湖。そして美しき奥入瀬(おいらせ)の渓谷。
その光景を私はカメラに収めた。最高峰の宝の自然を、世界の友と分かち合うために。
研修道場には、私の詩が碑に刻まれていた。
それは ――
「滝の如く 激しく
滝の如く 弛(たゆ)まず
滝の如く 恐れず
滝の如く 朗らかに
滝の如く 堂々と
男は
王者の風格を持て」
我らもまた、滝のごとく、清冽(せいれつ)に生きたい。
あらゆる苦難を打ち砕きながら!
◆ 全ては「大失敗」から始まった
一、7月17日は、アメリカの「ディズニーランド」が開園して50周年の佳節に当たる。
アメリカ創価大学と同じオレンジ郡にあり、世界的な"夢の広場"として愛されている。
50年前の開園は、どんな様子であったか。
その日、映画人であり起業家であるウォルト・ディズニーは語った。
「この場所が、世界中の人々にとって喜びと感動の源となれますよう、願いを込めて」(グリーン
夫妻者、山口和代訳『魔法の仕掛人ウォルト・ディズニー』ほるぷ出版)
だが、彼が思い描いたような順調な滑り出しではなかった。
開園日は日曜日。ニセの招待券が出回り、予定の3倍以上の人が殺到。準備も万全ではなく、乗り
物は故障や停電に見舞われた。水飲み場やトイレが足りず、長蛇の列に。大混乱に陥った。
「ブラック・サンデー(暗黒の日曜日)」と呼ばれるほどの惨憺(さんたん)たる出発であった。
多くのマスコミ、批評家から酷評(こくひょう)された。
「ウォルトの夢は悪夢だ」「ディズニーランドのオープニングほどの大失態は前例がない」
一斉に叩かれた。
しかし、障害があるほど強くなるウォルト・ディズニーであった。
「僕たちの目標は高いんだ。だからこそ、いろんなことをやり遂げられるんだ」(ボブ・トマス著、
玉置悦子・能登路雅子訳『ウォルト・ディズニー』講談社)
開園すると、彼はよくディズニーランドに泊まり込んだ。現場の話を聞き、陣頭指揮をとった。
大失敗の初日であったが、開園から数力月で入場者数は100万人を突破。事前の予想をはるかに
上回ったのである。
ディズニーランドは、不断の改良を続けた。当初、22だったアトラクションは、10年後には倍
以上に増えた。事業は拡大し、大成功を収めた。
なぜ成功したのか。
その要因の一つは、当時、全盛期を迎えた白黒テレビを宣伝の武器に使ったことにあったといわれ
る。
また、従業員に対して"ディズニー大学"で継続的な研修を行った。
十分な訓練を受けた従業員たちは、ディズニーランドの理念や姿勢を身につけ、素晴らしい応対で
来園者を迎えた。
それが、当時、遊園地にあった「とげとげしい係員」「汚い」というイメージを払拭(ふっしょく)
させた。一度来園した人が、何度も訪れるようになった。
◆ これからが本番
一、開園から10周年を迎えた時、ウォルト・ディズニーは、仕事に携(たずさ)わってきた一人
ひとりに感謝しつつ、こう語っている。
「これだけは言っておきたい。これまでのところは、まあ、言ってみれば、リハーサルみたいなも
ので、これからが本番なんです。ですから、みなさんの中で過去の栄光の上にどっかり座って楽をし
ようという人がおられれば、え一、もう用はないんです、そういう方には」(同)
彼は皆の心を奮い立たせたかったのだろう。
前へ! 前へ!
新しい舞台へ!
彼が築いた"夢の城"は、フロリダ、東京、パリと、世界に広がり、本年9月には新たに香港にも
開園するという。
大いなる夢に向かって彼は突き進んだ。常に挑戦者だった。心には「開拓精神」 ―― 「フロンテ
ィア・スピリット」が燃えていた。
ここに、新たな時代を切り開く原動力があったと私は思う。
創価学会は、この秋、創立75周年を迎える。
いよいよこれからが「本番」である。
希望は常に前にある。
栄光は前進し続ける中にある。ともどもに悔いなく、最高の勝利の人生を飾ってまいりたい。
<先月26日、フィリピンの「東南アジア子どもテレビ基金会」が、名誉会長に、子ども向け番組
に貢献した人物に贈る最高の栄誉「アナック・テレビ放送賞」を授与した。
その際、同基金会のローセス会長は、名誉会長を「想像を超えた世界に子どもたちを連れて行き、
楽しさと喜びを与える"アジアのウォルト・ディズニー"です」と賞讃している>
◆ ロマンに生きよ
一、この地上から「悲惨」の二字をなくしたい ―― これが戸田先生の夢であった。そして私の夢
である。
夢を実現する武器は何か。それは「対話」である。
日本と世界の指導者、さらに各界の識者と、私は、胸襟(きょうきん)を開いて対話してきた。
イギリスでは、バッキンガム宮殿で、アン王女を表敬し、難民問題等について意見を交換した。
チャールズ皇太子からは私邸に招かれ、青少年の教育について話が弾んだ。
冷戦終結の立役者、ロシアのゴルバチョフ元ソ連大統領とも、これまで8度にわたって親しく語り
合った。
96年には、アメリカとキューバの関係が悪化するなか、両国を相次ぎ訪問した。キューバの革命
宮殿で、背広姿のカストロ議長とお会いしたことも、思い出が深い。
議長とは、「核兵器は絶対に無用」との信条で一致した。
また私は、世界の"知性の府"から招聘(しょうへい)を受けて、講演を行ってきた。
アメリカのハーバード大学では2度、スピーチした。
フランス学士院でも、厳粛な雰囲気のなかで講演を行った。温かい賛同の拍手を送っていただいた
ことも懐かしい。
アジアにも、南米にも、アフリカにも、オセアニアにも、創価の人間主義に共感してくださる友人
が数多くいる。
我らの「友情の太陽」で世界を照らしたい。
一、生涯、大いなるロマンに生き抜きたい。
そこに平和の緑野が広がっていくのである。
◆《モンゴルの格言》 団結は勝利の源
―― 破和合僧の大罪を断じて許すな ――
◆ 「団結した人々は壊されない」
一、歴史を変えゆく運動を成就させるために、最も大事なことは何か。
アメリカ公民権運動の大指導者キング博士は、「運動に参加する人たちを団結させておくことだ」
(雪山慶正訳『自由への大いなる歩み』岩波新書)と述べている。
モンゴルの格言にも、「団結した人々は壊されない」「団結は勝利の源」とある。
団結こそ力である。
御聖訓には、「異体同心なれば万事を成し」(御書1463ページ、)と仰せである。
広宣流布の前進においても、同志の「異体同心の団結」が極めて重要となる。
◆ 嫉妬の心から和合僧を破壊
一、仏法を行じ、弘めゆく人々の団結を破壊せんとする「破和合僧(はわごうそう)」の罪は、仏
法上、大変に重いとされる。
「破和合僧」は「五逆罪」の一つとして説かれている。
<五逆罪の内容は、仏典等により諸説ある>
御聖訓には仰せである。
「大阿鼻(だいあび)地獄(無間地獄=むけんじごく)の業因(ごういん)をいえば、五逆罪をつ
くる人が、この地獄に堕ちるのである。
五逆罪とは、一に父を殺すこと、二に母を殺すこと、三に阿羅漢(あらかん=小乗の悟りを得た聖
者)を殺すこと、四に仏の身を傷つけて血を出させること、五に破和合僧である」(同447ページ、
通解)
また、「佐渡御書」で中国の不惜身命(ふしゃくしんみょう)の僧として言及されている慧遠(え
おん)は、『大乗義章(だいじょうぎしょう)』で論じている。
"破和合僧は、正法に違背し、人々を悩ませ、成仏への道を閉ざしてしまう。ゆえに、五逆罪の中
で最も罪が重い"
さらに、こう断じている。
"破和合僧は、貪嫉(とんしつ)の心から起こる。貪(むさぼ)りの心、名聞を求める心、嫉妬心
のゆえに和合僧を破壊するのである"
遠くは、日蓮大聖人、日興上人の御在世においても、近くは、牧口先生、戸田先生の時代において
も、破和合僧の反逆者たちの性根は皆、同じであった。
その本質は、今も変わらない。
「和合僧」を破壊することは、正しき仏法を断絶させることに通じる。
ゆえに、破和合僧の悪人を、絶対に許してはならない。あいまいな態度で妥協してはならない。
こうした人間を放置すれば、仏法の命脈が絶たれてしまうからだ。
また、悪行(あくぎょう)を徹して責め抜いてこそ、その人を目覚めさせ、救うこともできる。
「破和合僧」の輩と戦いゆく学会の「破邪顕正(はじゃけんせい)」の言論闘争は、仏法の法理の
上から見て、正しい行動なのである。
釈尊の在世において、提婆達多は教団の乗っ取りと分裂を画策した。
提婆達多の邪悪な本性を見破った釈尊は、厳しく言った。
「提婆達多がなすところの事は、もはや仏法僧の事ではない。ただ提婆達多の所作なのである」(「四
分律」巻第四、国訳一切経を参照)
もはや提婆達多の言動は、仏法者のものではない、と言明したのである。
提婆の人生は破綻した。頼りにしていた権力者の阿闍世王からも、見放された。
その悪行も世間の知るところとなり、人々から憎まれた。最後は大地が割れ、生きながら無間地獄
に真っ逆さまに堕ちていったとも、経典には記されている。
◆ 邪悪を砕け!
一、インドのアショカ大王が残した法勅(ほうちょく)には、"僧伽(そうぎゃ=仏道修行をする
人々の集団)を破壊する者は、追放されねばならない。なぜならば、私が願うのは、和合した僧伽を
永続させることだからである"と刻まれている。
このアショカ大王の法勅については、現代インドを代表する大哲学者であるロケッシュ・チャンド
ラ博士との対談でも、話題になった。
博士は、現代の「和合僧」というべきSGI(創価学会インタナショナル)の人間主義運動に、大き
な期待を寄せてくださっている。
インドだけではない。
今や全世界の心ある知性が、創価の和合の前進に、「共生と平和の未来」への希望を見いだしてい
るのである。
大聖人は仰せである。
「悪を滅するを功(く)と云い善を生ずるを徳と云うなり」(御書762ページ)
生命の悪、生命の無明の消滅が即、功徳である。「悪を砕く」大闘争にこそ、その大功徳が輝く。
大発展の道がある。
邪悪な「破和合僧」の輩を断固として打ち破るたびに、学会は、いよいよ威光勢力を増していく。
その闘争があったからこそ、190カ国・地域に広がる創価の和合の大連帯が築かれたのである。
◆ 師弟の大道に勝利の栄冠
一、若き日、私は戸田先生から御書を学んだ。「当体義抄」など数々の重書を、直接、講義してい
ただいた。
最高の師匠のもとで、最高の哲学を学んだ。それを無上の誇りとしてきた。先生からいただいた記
念の品も、私は、ずっと大切にしている。
今、SGIの平和・文化・教育の貢献に対して、世界の各地から多くの顕彰が贈られている。皆さま
を代表して私が拝受した栄誉も数多い。
仏法の眼(まなこ)から見るならば、こうした栄誉の数々も、師弟の大道を生き抜いた勝利の栄冠
である。わが同志の大福徳の証(あかし)である。私は、そう深く確信している
<名誉会長に世界の大学・学術機関から贈られた「名誉博士」「名誉教授」等の栄誉は178、世
界からの名誉市民称号は414、国家勲章は25を数える>
「心こそ大切」(同1192ページ)である。
学会のため、広宣流布のために一心に尽くしていくならば、必ず最高の幸福境涯となっていく。偉
大な人生を歩んでいくことは、絶対にまちがいないのである。
◆◆◆ 健康は智恵! 人間革命の夏を!!
◆◆ 開拓精神(フロンティア・スピリット)を燃やせ
―― 常に「挑戦者」だったウォルト・ディズニー ――
◆《ガンジー》 正義に生きる人生に真の健康が
◆ 題目で生命力を
一、私と妻の祈りは、ただひたすらに、わが同志が一人ももれなく、健康で、裕福で、ご長寿であっ
てほしい、所願満足の人生を飾ってほしいということである。
健康は智慧が大事である。これから、暑さもさらに厳しくなってくる。
ドクター部の皆さんと相談し、夏の健康管理のポイントを、具体的に7点にわたって挙げていただ
いた。
?規則正しい生活をすること。とくに疲れをためないよう、十分に睡眠をとること。
?栄養のバランスのとれた食事をすること。
?水分をこまめに補給すること。
?適度に体を動かすこと。
?熱中症に気をつけること。
とくに外出の時は、日傘や帽子を利用し、長時間、直射日光を浴びないよう、工夫したほうがい
いと、ドクターは強調していた。
?冷房病に注意すること。
?食中毒にも十分に注意すること。
ともあれ、自分の健康は自分で守らなければならない。「健康第一」で進んでいきたい。
マハトマ・ガンジーは語っている。
「真の健康の主旨も真理と正義の理想を不撓不屈(ふとうふくつ)で追求してゆくことなのです」
(岡芙三子訳『ガンジーの健康論』編集工房ノア)
題目を朗々と唱え、偉大な生命力をわき上がらせて、広宣流布のために戦いゆく学会活動。ここに
こそ「真の健康」の実像があるといえよう。
どうか、生き生きと、そして聡明に、次の勝利の因を深く刻みゆく「充実の夏」「成長の夏」「人
間革命の夏」としていただきたい。
終わりに、戸田先生のご指導をお伝えして、スピーチを結びたい。
「臆(おく)し去った者は、みじめな敗北の姿を晒(さら)す。
正しき信心を貫いた人は、必ずや勝利の姿を示す」
きょうは本当にありがとう! 各地の同志の皆さん、また、ご家族の皆さん方に、くれぐれもよろし
くお伝えください。
皆さんのご多幸を心から祈っています。また、お会いしましよう!(大拍手)
(2005・7・16)