2005.12.11
◆◆◆ 世界の宝!「未来部」「青年部」を伸ばせ
◆◆◆ リーダーが人材育成の先頭に
◆◆≪ネルー首相≫ ガンジーは大誠実で皆の心を変えた
【名誉会長のメッセージ】
一、広宣流布へ進みゆく全国総県長会議、本当にご苦労さま!
この1年、皆さま方の「真剣」と「勇気」、また「誠実」と「忍耐」の名指
揮が光り、わが創価学会は、創立75周年の大勝利の証を堂々と打ち立てるこ
とができました。
心から感謝申し上げます。
各方面・各県・各区の目覚ましい前進の様子は、それぞれに細かく報告を受
けておりますし、全部わかっております。本当に、よく戦ってくれました。
きょうは、私も、皆さま一人ひとりと語り合い、1年間の労を最大にねぎら
う思いで、見守っております。
創立80周年を目指して、「偉大なる勝利、勝利の前進」の第一歩を、意気
軒高に踏み出していただきたい。
「肝心なのはスタートではあるまいか。どんなことでも最初の第一歩によっ
てその将来が左右されるものなのだ」とは、ロシアの文豪ドストエフスキーの
言葉である(小沼文彦訳『ドストエフスキー全集第2。巻A』筑摩書房)。
◆言葉と行動がぴったり一致
一、世界の各地で「ガンジー・キング・イケダ ── 平和建設の遺産」展が
開催されている。〈米モアハウス大学キング国際チャペルなどが主催>
インド独立の父・ガンジーは、どんな指導者であったか。
その後継者で、間近に見つめてきたネルー初代首相の洞察は、味わい深い。
「彼(ガンジー)が指示するすべての改革案、彼が他人に与えるすべての忠
告は、真先に自分自ら実行する。彼は常に自ら始める。そして彼の言葉と行動
は手と手袋のように互にぴったり合っている」(ネルー著、ガンジー平和連盟
訳『マハトマ・ガンジー』朝日新聞社)
常に率先垂範(そっせんすいはん)! これが指導者の要諦(ようてい)とい
えよう。
今、学会全体として総力をあげている「青年部の育成」そして「未来部の育
成」についても、リーダーの皆さまが先頭に立って、励ましの声をかけ、あら
ゆる手を打ち、全強を注いでいっていただきたい。
思えば、日蓮大聖人は、門下の家庭の子どもたちを、広宣流布の後継者とし
て、宝のごとく大切にされていた。大聖人御自身が、南条時光をはじめ、乙御
前(おとごぜん)、経王(きょうおう)御前等々、若き世代の健(すこ)やか
な成長を祈り、薫育していかれたのである。
◆堂々たる歴史を
一、ガンジーは「徹頭徹尾、誠実」であった ── このイギリスのジャーナ
リストの感嘆の声を、ネルーは書き残している。
さらにネルーは言う。
「彼(ガンジー)は彼の指導に従った者のみならず、さらに彼に反対した人々
やまたどう考えてどうしたらよいか心を決しかねていた多くの中立の人々にさ
えも、大きな心理革命を起させたのであった」(同)
一人の指導者の「大誠実」こそが、人々の心をつかみ、心を動かし、精神の
革命を起こしていく。このことを深く銘記したい。
皆さまは、創立75周年から80周年へ、最も大事な時代の指揮を執られる
方々である。これからの5年は100年にも匹敵する。
蓮祖は「願くは我が弟子等・大願ををこせ」(御書1561ページ)と叫ば
れた。また「大願とは法華弘通(ほっけぐつう)なり」(同736ページ)と
仰せである。
どうか、自分の時代に、「わが県は、わが区は、これだけの広宣流布の大願
を成就した」「わが地域は、これだけの法華弘通を成し遂げた」、そして「こ
れだけの令法久住(りょうぼうくじゅう)の人材を育て上げた」「これほど偉
大な人生はない」と胸を張って言い切れる歴史を、堂々と残していただきたい。
仏法は勝負だ。どこまでも「実証」で決まる。
◆「戦友」を讃えよ
一、かのナポレオンや数々の強敵を打ち破ったイギリスのネルソン提督。
この名将は、ともに戦った「勇敢なる仲間たち、危険を分かち合った戦友た
ち」を何よりの誇りとした。
「及ぶかぎりの力でもって、彼らの勇敢な振る舞い、賞賛に値する行動を顕
彰する」ことは「私に課せられた義務」と述べている(ロバート・サウジー著、
増田義郎監修・山本史郎訳『ネルソン提督伝』原書房)。
一生懸命に戦う同志、苦楽を共にしてきた後輩を、真心から公平に讃えるこ
とこそ、将の将たるリーダーの使命である。
ネルソンは、戦いにおける「勝利」のとらえ方を、根本的に変えたことでも
知られている。
要するに、戦いの目的は、あくまでも「完全勝利」であり、「全面的勝利」
であるというのである。
中途半端な勝利でよしとすることは、結局、敗北に通ずる ── これがネル
ソン提督の信念であった。だから強かった。
「追撃の手をゆるめるな! 」との戸田先生の遺言は、まさしく将軍学の究極
を教えられているのである。
◆新しい構想で! 新しい決意で!
一、ここで、戸田先生のご指導を心に刻みたい。
「常に学会員を思う幹部であれ! 」
「常に広宣流布を思う幹部であれ! 」
「恩知らずの幹部になるな! 不知恩の人間になるな! 」
「会員が喜び、希望に燃えるように、指導できる幹部になれ! 」
これが戸田先生の厳命である。
先生は、こうも言われた。
「人を救い、法を弘めていくために、大事な体だ。決して粗末にしてはいけ
ない」
どうか、健康第一で、疲れをためず、生き生きと若々しく、指揮をお願いし
たい。
また先生は教えられた。
「人材は訓練しなければ、人材とはならない」
「組織において、青年の伸びゆく道を塞いではならない」
「常に新しい構想と、新しい決意で進まなければ、広宣流布はできない」
青年の訓練、新しい人材の登用に、一層、力を入れていかねばならない。
先生は、さまざまな課題に直面する青年を、こう励まされた。
「人生は割り切ることだ。自分がこうしたい、こうありたいと考えることを、
まず"こうするのだ"と決めきってごらん。それが哲学だよ」
さらに先生は言われた。
「小さな仕事を完成できぬ人は、大きな仕事はできません。人にたよっては
いけません。自分自身でやりなさい」
そして「折伏と聖教新聞の拡大が、広宣流布の両輪である。この二つが、地
味ではあるが、一番大事な広布の推進力である」と。
この根幹のご指導を、よくよく確認したい。
◆わが身が「宝塔」
一、法華経には、巨大な「多宝の塔」が大地から涌き出でたと説かれている。
その高さは500由旬(ゆじゅん)。一説には、地球の直径の半分から3分
の一にもなる。計り知れない大きさである。塔は、金や銀など7種類の宝で飾
られ、素晴らしい香りも放っている。
この「宝の塔」は、いったい何を表しているのか。阿仏房(あぶつぼう)は
このことを、大聖人に率直に質問した。
それに対して大聖人は、仏法の甚深(じんじん)の法門を、明快に教えてお
られる。
「末法に入って法華経(御本尊)を受持する男女の姿よりほかには宝塔はな
いのです」
「(立場が)貴いとか賎(いや)しいとか、上とか下とかと関係なく、すべ
て南無妙法蓮華経と唱える者は、わが身が宝塔であり、また、わが身が多宝如
来なのです」
「阿仏房は、そのまま宝塔であり、宝塔は、そのまま阿仏房です」
「多宝如来の宝塔を供養されるかと思えば、そうではありません。あなた(阿
仏房)は、わが身を供養しておられるのです。わが身がまた三身即一身の本覚
(ほんがく)の仏なのです。このように信じて、南無妙法蓮華経と唱えていき
なさい。その場所が、そのまま、宝塔の場所なのです」(御書1304ページ、
通解)
広布に生き抜く、わが学会員の生命が、どれほど尊いか。皆さま方の生命こ
そ、何よりも尊極(そんごく)な、そして宝に満ちた偉大な宝塔 ── 「宝の
塔」なのである。
何ものにも壊されない、何ものにも侵(おか)されない、最も尊厳な自分自
身の生命の宝塔を、最大に光り輝かせていく。ここにこそ人類の宿命を転換し
ゆく希望の道がある。
◆「勇気」が根本!
一、さらなる躍進のために、世界の知性に学びたい。
まず、スウェーデンの作家ストリンドベリの言葉である。
「私は書くのを止めることは出来ません。私が汽車で旅をしようが、何をし
ていようが、私の脳は間断なく働くのです」(E・A・ルイゼ著、富野敬邦訳『ス
トリンドベリー伝』万里閣、現代表記に改めた)
思想を伝えずにはいられない ── 彼は書いて書いて書き続けた。
広宣流布の言論戦も、断じて止めてはならない。
また指導者は常に頭脳を回転させねばならない。祈りに祈り、最高の智慧を
発揮して、最高の行動を貫いていくことだ。
古代ギリシャの教育者・弁論家のイソクラテススは喝破した。
「悪人は恩人にだろうと仇敵に対するのと変わることなく不正をなす」(小
池澄夫訳『イソクラテスス弁論集1』京都大学学術出版会)
恩知らずの悪党の本性を、鋭く見破っていかねばならない。絶対に油断して
はならない。
さらに、古代ローマの哲学者セネカは晴れ晴れと語っている。
「ああ傲慢(ごうまん)よ。大きな運命が生んだ最も愚かな災いよ。汝から
いささかの影響をも受けないことの、なんと嬉しいことであろうか」(茂手木
元蔵訳『セネカ道徳論集(全)』東海大学出版会)
傲慢とは徹底して戦い抜いていくことだ。
ともあれ、傲慢きわまる、あの邪宗門と決別できたことは、この上ない喜び
である。
さらに、フランスの哲学者パスカルは、「向こう見ずに悪口を信じるとは、
罪である」と述べている(田辺保訳『パスカル著作集VII』教文館)。
ドイツの哲学者ショーペンハウアーは、こう指摘した。
「嫉妬はなにかが欠けている確実な目印しだ。だから、それが功績に向けら
れている場合には、功績が欠如していることまちがいなしというしるしなので
ある」(秋山英夫訳『ショーペンハウアー全集14』白水社)
自分には何の功績もないから、功績のある人に嫉妬する ── 哲人の目は鋭
い。
嫉妬の悪口に対しては、快刀乱麻(かいとうらんま)の切れ味で、打ち返し、
打ち破っていくことだ。
さらに、アメリカの女性社会運動家エレノア・ルーズベルトの信念が光る言
葉。
「『そんなことできるわけがない』という人間からは何一つ生まれたためし
がない」(佐藤佐智子・伊藤ゆり子訳『生きる姿勢について』大和書房)
その通りである。いわんや、「祈りとして叶わざるなし」の妙法を持った皆
さまである。祈り抜き、祈り切りながら、一歩一歩、道をつくっていくことだ。
そして、私が二度、有意義な語らいを重ねた、アメリカの大経済学者サロー
博士は、「女性を教育する社会は成功する」と指摘しておられる(山岡洋一訳
『富のピラミッド』TBSブリタニカ)。
学会においても、女子部の存在が、ますます大事である。皆で応援してまい
りたい。
終わりに、苦難のなか、勇敢に戦う四条金吾への御聖訓を拝したい。
「同じくは、(あなたの決意はすでに定まっているのであるから)嘆いた様
子を見せないで、このあなたの誓状(せいじょう)に書かれたように、少しも
へっらわずに振る舞い、語っていきなさい」(御書1163ページ、通解)
勝利の根本は「勇気」である。「勇気」がなければ勝てない。歴史上の英雄
も「勇気」で勝った。一番大事なのは「勇気」 ── これを永遠に忘れないで
いただきたい。
どうか、各地の大切な大切な同志に、私からの1年間の御礼を、くれぐれも
よろしくお伝えください。
一生懸命、皆さんのご健康とご一家の発展を祈っています。
わが同志が、風邪などひかれないよう、また絶対に無事故であられるよう、
そして最高に希望に燃えた新年を迎えられるよう、毎日、祈ってまいります。
1年間、本当にありがとう! 来年も、万事よろしく頼みます!
(2005・12・9)
◆◆◆ 世界の宝!「未来部」「青年部」を伸ばせ
◆◆◆ リーダーが人材育成の先頭に
◆◆≪ネルー首相≫ ガンジーは大誠実で皆の心を変えた
【名誉会長のメッセージ】
一、広宣流布へ進みゆく全国総県長会議、本当にご苦労さま!
この1年、皆さま方の「真剣」と「勇気」、また「誠実」と「忍耐」の名指
揮が光り、わが創価学会は、創立75周年の大勝利の証を堂々と打ち立てるこ
とができました。
心から感謝申し上げます。
各方面・各県・各区の目覚ましい前進の様子は、それぞれに細かく報告を受
けておりますし、全部わかっております。本当に、よく戦ってくれました。
きょうは、私も、皆さま一人ひとりと語り合い、1年間の労を最大にねぎら
う思いで、見守っております。
創立80周年を目指して、「偉大なる勝利、勝利の前進」の第一歩を、意気
軒高に踏み出していただきたい。
「肝心なのはスタートではあるまいか。どんなことでも最初の第一歩によっ
てその将来が左右されるものなのだ」とは、ロシアの文豪ドストエフスキーの
言葉である(小沼文彦訳『ドストエフスキー全集第2。巻A』筑摩書房)。
◆言葉と行動がぴったり一致
一、世界の各地で「ガンジー・キング・イケダ ── 平和建設の遺産」展が
開催されている。〈米モアハウス大学キング国際チャペルなどが主催>
インド独立の父・ガンジーは、どんな指導者であったか。
その後継者で、間近に見つめてきたネルー初代首相の洞察は、味わい深い。
「彼(ガンジー)が指示するすべての改革案、彼が他人に与えるすべての忠
告は、真先に自分自ら実行する。彼は常に自ら始める。そして彼の言葉と行動
は手と手袋のように互にぴったり合っている」(ネルー著、ガンジー平和連盟
訳『マハトマ・ガンジー』朝日新聞社)
常に率先垂範(そっせんすいはん)! これが指導者の要諦(ようてい)とい
えよう。
今、学会全体として総力をあげている「青年部の育成」そして「未来部の育
成」についても、リーダーの皆さまが先頭に立って、励ましの声をかけ、あら
ゆる手を打ち、全強を注いでいっていただきたい。
思えば、日蓮大聖人は、門下の家庭の子どもたちを、広宣流布の後継者とし
て、宝のごとく大切にされていた。大聖人御自身が、南条時光をはじめ、乙御
前(おとごぜん)、経王(きょうおう)御前等々、若き世代の健(すこ)やか
な成長を祈り、薫育していかれたのである。
◆堂々たる歴史を
一、ガンジーは「徹頭徹尾、誠実」であった ── このイギリスのジャーナ
リストの感嘆の声を、ネルーは書き残している。
さらにネルーは言う。
「彼(ガンジー)は彼の指導に従った者のみならず、さらに彼に反対した人々
やまたどう考えてどうしたらよいか心を決しかねていた多くの中立の人々にさ
えも、大きな心理革命を起させたのであった」(同)
一人の指導者の「大誠実」こそが、人々の心をつかみ、心を動かし、精神の
革命を起こしていく。このことを深く銘記したい。
皆さまは、創立75周年から80周年へ、最も大事な時代の指揮を執られる
方々である。これからの5年は100年にも匹敵する。
蓮祖は「願くは我が弟子等・大願ををこせ」(御書1561ページ)と叫ば
れた。また「大願とは法華弘通(ほっけぐつう)なり」(同736ページ)と
仰せである。
どうか、自分の時代に、「わが県は、わが区は、これだけの広宣流布の大願
を成就した」「わが地域は、これだけの法華弘通を成し遂げた」、そして「こ
れだけの令法久住(りょうぼうくじゅう)の人材を育て上げた」「これほど偉
大な人生はない」と胸を張って言い切れる歴史を、堂々と残していただきたい。
仏法は勝負だ。どこまでも「実証」で決まる。
◆「戦友」を讃えよ
一、かのナポレオンや数々の強敵を打ち破ったイギリスのネルソン提督。
この名将は、ともに戦った「勇敢なる仲間たち、危険を分かち合った戦友た
ち」を何よりの誇りとした。
「及ぶかぎりの力でもって、彼らの勇敢な振る舞い、賞賛に値する行動を顕
彰する」ことは「私に課せられた義務」と述べている(ロバート・サウジー著、
増田義郎監修・山本史郎訳『ネルソン提督伝』原書房)。
一生懸命に戦う同志、苦楽を共にしてきた後輩を、真心から公平に讃えるこ
とこそ、将の将たるリーダーの使命である。
ネルソンは、戦いにおける「勝利」のとらえ方を、根本的に変えたことでも
知られている。
要するに、戦いの目的は、あくまでも「完全勝利」であり、「全面的勝利」
であるというのである。
中途半端な勝利でよしとすることは、結局、敗北に通ずる ── これがネル
ソン提督の信念であった。だから強かった。
「追撃の手をゆるめるな! 」との戸田先生の遺言は、まさしく将軍学の究極
を教えられているのである。
◆新しい構想で! 新しい決意で!
一、ここで、戸田先生のご指導を心に刻みたい。
「常に学会員を思う幹部であれ! 」
「常に広宣流布を思う幹部であれ! 」
「恩知らずの幹部になるな! 不知恩の人間になるな! 」
「会員が喜び、希望に燃えるように、指導できる幹部になれ! 」
これが戸田先生の厳命である。
先生は、こうも言われた。
「人を救い、法を弘めていくために、大事な体だ。決して粗末にしてはいけ
ない」
どうか、健康第一で、疲れをためず、生き生きと若々しく、指揮をお願いし
たい。
また先生は教えられた。
「人材は訓練しなければ、人材とはならない」
「組織において、青年の伸びゆく道を塞いではならない」
「常に新しい構想と、新しい決意で進まなければ、広宣流布はできない」
青年の訓練、新しい人材の登用に、一層、力を入れていかねばならない。
先生は、さまざまな課題に直面する青年を、こう励まされた。
「人生は割り切ることだ。自分がこうしたい、こうありたいと考えることを、
まず"こうするのだ"と決めきってごらん。それが哲学だよ」
さらに先生は言われた。
「小さな仕事を完成できぬ人は、大きな仕事はできません。人にたよっては
いけません。自分自身でやりなさい」
そして「折伏と聖教新聞の拡大が、広宣流布の両輪である。この二つが、地
味ではあるが、一番大事な広布の推進力である」と。
この根幹のご指導を、よくよく確認したい。
◆わが身が「宝塔」
一、法華経には、巨大な「多宝の塔」が大地から涌き出でたと説かれている。
その高さは500由旬(ゆじゅん)。一説には、地球の直径の半分から3分
の一にもなる。計り知れない大きさである。塔は、金や銀など7種類の宝で飾
られ、素晴らしい香りも放っている。
この「宝の塔」は、いったい何を表しているのか。阿仏房(あぶつぼう)は
このことを、大聖人に率直に質問した。
それに対して大聖人は、仏法の甚深(じんじん)の法門を、明快に教えてお
られる。
「末法に入って法華経(御本尊)を受持する男女の姿よりほかには宝塔はな
いのです」
「(立場が)貴いとか賎(いや)しいとか、上とか下とかと関係なく、すべ
て南無妙法蓮華経と唱える者は、わが身が宝塔であり、また、わが身が多宝如
来なのです」
「阿仏房は、そのまま宝塔であり、宝塔は、そのまま阿仏房です」
「多宝如来の宝塔を供養されるかと思えば、そうではありません。あなた(阿
仏房)は、わが身を供養しておられるのです。わが身がまた三身即一身の本覚
(ほんがく)の仏なのです。このように信じて、南無妙法蓮華経と唱えていき
なさい。その場所が、そのまま、宝塔の場所なのです」(御書1304ページ、
通解)
広布に生き抜く、わが学会員の生命が、どれほど尊いか。皆さま方の生命こ
そ、何よりも尊極(そんごく)な、そして宝に満ちた偉大な宝塔 ── 「宝の
塔」なのである。
何ものにも壊されない、何ものにも侵(おか)されない、最も尊厳な自分自
身の生命の宝塔を、最大に光り輝かせていく。ここにこそ人類の宿命を転換し
ゆく希望の道がある。
◆「勇気」が根本!
一、さらなる躍進のために、世界の知性に学びたい。
まず、スウェーデンの作家ストリンドベリの言葉である。
「私は書くのを止めることは出来ません。私が汽車で旅をしようが、何をし
ていようが、私の脳は間断なく働くのです」(E・A・ルイゼ著、富野敬邦訳『ス
トリンドベリー伝』万里閣、現代表記に改めた)
思想を伝えずにはいられない ── 彼は書いて書いて書き続けた。
広宣流布の言論戦も、断じて止めてはならない。
また指導者は常に頭脳を回転させねばならない。祈りに祈り、最高の智慧を
発揮して、最高の行動を貫いていくことだ。
古代ギリシャの教育者・弁論家のイソクラテススは喝破した。
「悪人は恩人にだろうと仇敵に対するのと変わることなく不正をなす」(小
池澄夫訳『イソクラテスス弁論集1』京都大学学術出版会)
恩知らずの悪党の本性を、鋭く見破っていかねばならない。絶対に油断して
はならない。
さらに、古代ローマの哲学者セネカは晴れ晴れと語っている。
「ああ傲慢(ごうまん)よ。大きな運命が生んだ最も愚かな災いよ。汝から
いささかの影響をも受けないことの、なんと嬉しいことであろうか」(茂手木
元蔵訳『セネカ道徳論集(全)』東海大学出版会)
傲慢とは徹底して戦い抜いていくことだ。
ともあれ、傲慢きわまる、あの邪宗門と決別できたことは、この上ない喜び
である。
さらに、フランスの哲学者パスカルは、「向こう見ずに悪口を信じるとは、
罪である」と述べている(田辺保訳『パスカル著作集VII』教文館)。
ドイツの哲学者ショーペンハウアーは、こう指摘した。
「嫉妬はなにかが欠けている確実な目印しだ。だから、それが功績に向けら
れている場合には、功績が欠如していることまちがいなしというしるしなので
ある」(秋山英夫訳『ショーペンハウアー全集14』白水社)
自分には何の功績もないから、功績のある人に嫉妬する ── 哲人の目は鋭
い。
嫉妬の悪口に対しては、快刀乱麻(かいとうらんま)の切れ味で、打ち返し、
打ち破っていくことだ。
さらに、アメリカの女性社会運動家エレノア・ルーズベルトの信念が光る言
葉。
「『そんなことできるわけがない』という人間からは何一つ生まれたためし
がない」(佐藤佐智子・伊藤ゆり子訳『生きる姿勢について』大和書房)
その通りである。いわんや、「祈りとして叶わざるなし」の妙法を持った皆
さまである。祈り抜き、祈り切りながら、一歩一歩、道をつくっていくことだ。
そして、私が二度、有意義な語らいを重ねた、アメリカの大経済学者サロー
博士は、「女性を教育する社会は成功する」と指摘しておられる(山岡洋一訳
『富のピラミッド』TBSブリタニカ)。
学会においても、女子部の存在が、ますます大事である。皆で応援してまい
りたい。
終わりに、苦難のなか、勇敢に戦う四条金吾への御聖訓を拝したい。
「同じくは、(あなたの決意はすでに定まっているのであるから)嘆いた様
子を見せないで、このあなたの誓状(せいじょう)に書かれたように、少しも
へっらわずに振る舞い、語っていきなさい」(御書1163ページ、通解)
勝利の根本は「勇気」である。「勇気」がなければ勝てない。歴史上の英雄
も「勇気」で勝った。一番大事なのは「勇気」 ── これを永遠に忘れないで
いただきたい。
どうか、各地の大切な大切な同志に、私からの1年間の御礼を、くれぐれも
よろしくお伝えください。
一生懸命、皆さんのご健康とご一家の発展を祈っています。
わが同志が、風邪などひかれないよう、また絶対に無事故であられるよう、
そして最高に希望に燃えた新年を迎えられるよう、毎日、祈ってまいります。
1年間、本当にありがとう! 来年も、万事よろしく頼みます!
(2005・12・9)