◆◆◆ 青年よ 一人ももれなく勝利者に
◆◆≪嵐と戦い抜いた中国の巴金先生≫
── 私は屈服しない 私は絶望しない!
【創立者のスピーチ】
一、11月18日は、「創価教育の父」である牧口先生が、大著『創価教育
学体系』を発刊して75周年の佳節に当たる。
軍部政府の弾圧と戦い抜き、牢獄で殉難(じゅんなん)された牧口先生が、
現在の世界的な創価教育の発展をご覧になられたら、どれほど喜ばれることか。
牧口先生、そして戸田先生が掲げた創価教育の理想を担いゆく、創価学園、
創価大学の代表の皆さまとともに、きょうよりまた、新たな前進を開始してま
いりたい(大拍手)。
◆「声の力」が世界を変える
一、牧口先生は、『創価教育学体系』に綴っておられる。
「善人は古往今来(こおうこんらい)かならず強(きょう)なる迫害を受け
るが、これを他の善人どもは内心には同情を寄するもののなんらの実力がない
として傍観するがゆえに、善人は負けることになる。
ゆえにこれに抵抗して勝つものは、その中で僅少希有(きんしょうけう)の
人のみである。
かれらは四面楚歌の苦境に堅忍奮闘(けんにんふんとう)してようやく勝利
を得る」
正義の人は、必ず迫害を受ける。これが歴史の現実である。
あらゆる困難を乗り越えてこそ、偉大な仕事を成すことができる。牧口先生
は、こう確信しておられた。
先月、亡くなられた中国の大文人・巴金(ぱきん)先生は記しておられる。
「わたくしは屈服のできない人間である。わたくしは絶望のできない人間で
ある」(池田武雄編訳『巴金回憶集』秋山書店)
巴金先生とは4度、お会いし、文学の使命や哲学などをめぐって語り合った。
静岡研修道場で懇談したことも、懐かしい思い出である。<1980年4月>
文化大革命の迫害の嵐を乗り越えて、不屈の人生を歩んでおられた。忘れ得
ぬ、深い魅力の光る方であった。
巴金先生は、人々を陥れる卑劣なデマが猛威をふるった文化大革命の当時を
振り返って、こう述べておられる。
「本当のことを語る勇気があってこそ、デマを盲信しないで済むのである」
(石上韶訳『巴金無題集』筑摩書房)
非道な歴史を繰り返させるな! そのために真実を語れ。嘘を暴(あば)け!
これが巴金先生の叫びであった。
文豪・魯迅(ろじん)は青年への期待を込めて綴った。
「真の声であってはじめて、中国の人と世界の人を感動させることができる
のです。真の声があってこそ、世界の人とともに世界に生きることができるの
です」(竹内好訳『魯迅文集4』筑摩書房)
強き「声の力」が、人々の心を変える。
新たな時代を開きゆく、原動力となるのである。
◆教師と学生が緑陰(りょくいん)で対話
一、さて、詩聖タゴールがインドのシャンティニケタンに創設した学園では、
教員も、学生も、真剣な向学の心、差別なき友愛の心で、固く結ばれていた。
学園は全寮制で、皆が苦楽をともにした。そうしたなかで、深い精神性の伝
統が築かれていった。
タゴールは、教師と学生の間の人間的な結びつきが、非常に重要であると考
えていた。
彼は記している。
「教えることの主な目的は、意味を説明することではなく、心の扉をたたく
ことなのだ」(山室静訳「わが回想」、『タゴール著作集第10巻』所収、第
三文明社)
ただ知識を授けるだけでは、真の教育とはいえない。教師との人格の触れ合
い、心の交流が、生徒の心を開き、人間性を育んでいくのである。
事実、タゴールの学園では、教師と学生が緑陰(りょくいん)で対話を交わ
しながらの教育が行われた。美しい師弟の交流があった。
この学園は発展し、後に現在のヴィシュヴァ・バーラティ大学(タゴール国
際大学)となった。<初等・中等教育の学校が併設されている>
タゴール亡き後の1954年12月、当時のネルー首相がタゴールの学園の
学長として卒業式に出席した。
そして、タゴールの徳と学園創設の功績を讃えながら、"たとえ他の学校で
は、師弟の関係が希薄になったとしても、この学園だけは決してそうなっては
ならない"と訴えたのである。
◆◆ 教育とは知識よりも人間性の触発
◆◆◆ 若き友の心の扉をたたけ
◆◆ 共生を目指したタゴールの学園
我らは〔建学の理想〕に集った同志
◆人間主義の城
一、タゴールの学園は世界に開かれていた。
創立者タゴール自身が、自らの世界的な交友の広がりのなかで、各国の知性
を学園に招いた。世界の名士が、頻繁(ひんぱん)に学園を訪れては講演を行
い、若き頭脳に大きな触発を与えていったのである。
学園には、各国から多くの留学生も勇み集ってきた。「わが学園は国際的で
ある」 ── これが、皆の誇りであった。
タゴールの学園は、世界の諸民族と諸文化の融和を目指す"人間主義の城"
であった。
創立の理念を反映し、国や民族、人種の違いを超越した、国際性豊かな人間
性の世界が築かれていったのである。
わが創価大学、そしてアメリカ創価大学も、国際性に富んだ「世界市民」の
育成に力を注いでいる。
とりわけアメリカ創価大学には32カ国から学生が集っており、「地球の縮
図」というべきキャンパスで、豊かな国際感覚を養うことができる。
先日、逝去されたインドのナラヤナン前大統領は、アメリカ創価大学の第1
回卒業式に、「高い教育水準と建学の精神のもと、世界市民や文化・人間主義・
平和・共生の世界的指導者を育成し続けていかれると確信しています」と深い
期待の言葉を寄せてくださった。
◆平和の連帯を! 語学は重要な力
一、タゴールの学園は語学にも優れていた。
友人であるフランスの文豪ロマン・ロランを学園に招待する際に、彼はこう
書き送っている。
「私たちはすでに、私たちの学園にフランス語のクラスを開設しております。
概して、私たちは語学に堪能(たんのう)のようです、それで、あなたがご
く近い将来に都合よくおでかけくださるとしても、言葉の問題で、あなたのメ
ッセージが伝わらないということはないと確信いたします」(森本達雄訳「ロ
マン・ロランヘの手紙」、『タゴール著作集第11巻』所収、第三文明社)
世界に友情を広げ、交流を結んでいく。平和の連帯を築いていく ── その
ためにも、語学は重要である。
今、創価学園の英語力は一段と大きく向上してきているとうかがった。
創大でも、海外留学をはじめ、語学習得のための環境の整備に力を入れてい
る。語学を武器に、世界中で卒業生が活躍している。
ともあれ、タゴールの学園には、選りすぐりの優秀な学生が集ってきていた。
その学生を、タゴールは最大に大事にした。
私にとっても、創価学園、創価大学・女子短大に集ってくれた生徒・学生は、
一人も残らず、大切な大切な宝の存在である。志願してくださった方々も、同
じである。全員の健康と成長、勝利と幸福を私は毎日、祈っている。
また、最優秀の人材を送り出してくださっているご家族や、受験生の激励に
奔走(ほんそう)してくださっている皆さまにも、心から感謝申し上げたい(大
拍手)。
◆黄金の青春を
一、今年も、創大生、短大生は、就職をはじめ各種の国家試験の勝利などで、
素晴らしい結果を残してくださった。
創価大学では、昨年9月に「キャリアセンター」を開設した。民間企業や国
際機関への就職をはじめ、司法試験等の各種試験への挑戦などを応援している。
センターの開設以来、進路に対する学生の意識も高まってきたようだ。
職員の皆さまが、センターの充実に誠心誠意、力を尽くしてくださっている
とうかがった。
本当にうれしい。関係者の皆さまに、最大に感謝したい(大拍手)。
学生の皆さんが、就職戦線に、また勉学に、学内の諸活動にと、真剣に取り
組んでおられることも、よく聞いている。どうか、一日一日を大切にして、悔
いなき黄金の青春を飾っていただきたい。「これだけは、やりきった」と胸を
張れるような、挑戦の日々であってほしい。
私は、全員の健闘と人生の勝利を、心から祈っている(大拍手)。
◆創立者の魂の歌
一、これまで、創大・短大出身、学園出身の先輩方は、世界に、そしてあら
ゆる分野に、堂々たる「創価の道」を開いてくださった。その活躍の様子をう
かがうことほど、私にとって、うれしいことはない。
また、今は目立たなくても、青春時代の原点を胸に、社会の荒波のなかで必
死に戦っている同窓の友もいる。その偉大なる奮闘の姿を、私は最大に讃え励
ましたい。そして、これからも、ずっと見守っていく決心である。
創大・短大、学園の誇りは、同窓生の連帯の強さにある。
タゴールの学園の出身者たちもまた、深い母校愛と同窓の絆を胸に抱いてい
た。世界各国で卒業生が活躍している。
タゴールのもとで学んだ、ある出身者は、20年ぶりに母校に戻り、同窓生
の集いに参加した喜びを生き生きとつづっている。集いでは、学生時代に歌っ
た母校の歌を、深い感激を込めて合唱したという。
その歌詞は、タゴールの作であった。
「われらのシャンティニケタン、われらには凡てにまして親しきもの」
「われら何処に流浪(さすら)い、死ぬともシャンティニケタンは身近かに
ある」
「われらが生命と生命を一つの調べにする、シャンティニケタン。
われらの同胞(はらから)みなと一つの心にする、シャンティニケタン」(我
妻和男訳を参照。平等通昭著『タゴールの学園我らのサンチニケタン』印度学
研究所から)
わが創価の同窓生もまた、同じ「建学の精神」のもとに集った誉れの同志で
ある。その友情は、永遠である。
◆強き情熱で歴史を開け
一、かつて、アメリカの名門ウェルズリー大学のカザンジン学部長は、「教
育の荒廃を立て直すには何が大切か、教えてください」という学園生の質問に、
こう答えてくださった。
「それは『創価教育』という哲学に、すべて含まれています。
創価教育は、一人ひとりの生命の尊厳という深い精神性をもち、全体の調和
を重んじ、精神を真に解放する、重要な教育を推進しています。
創価教育によって、世界は再び教育を立て直せるでしょう」
世界の識者が、創価教育の発展に寄せる期待は、あまりにも大きい。
「創価教育75周年」の佳節(かせつ)である、きょうの日を記念して次の
句を贈りたい。
学園生
一人も もれなく
勝利者に
創大生
一人も もれなく
勝利者に
アメリカの民衆詩人ホイットマンは、「情熱、それなくして人と呼べようか?」
と述べた。
情熱が歴史をつくる。
情熱が世界を変える。
私たちは、強き情熱と深き理想を胸に、教育の大業に邁進(まいしん)して
まいりたい。
どうか健康第一で、風邪などひかれませんように! きょうは、本当にありが
とう!(大拍手)
(2005・11・18)
◆◆≪嵐と戦い抜いた中国の巴金先生≫
── 私は屈服しない 私は絶望しない!
【創立者のスピーチ】
一、11月18日は、「創価教育の父」である牧口先生が、大著『創価教育
学体系』を発刊して75周年の佳節に当たる。
軍部政府の弾圧と戦い抜き、牢獄で殉難(じゅんなん)された牧口先生が、
現在の世界的な創価教育の発展をご覧になられたら、どれほど喜ばれることか。
牧口先生、そして戸田先生が掲げた創価教育の理想を担いゆく、創価学園、
創価大学の代表の皆さまとともに、きょうよりまた、新たな前進を開始してま
いりたい(大拍手)。
◆「声の力」が世界を変える
一、牧口先生は、『創価教育学体系』に綴っておられる。
「善人は古往今来(こおうこんらい)かならず強(きょう)なる迫害を受け
るが、これを他の善人どもは内心には同情を寄するもののなんらの実力がない
として傍観するがゆえに、善人は負けることになる。
ゆえにこれに抵抗して勝つものは、その中で僅少希有(きんしょうけう)の
人のみである。
かれらは四面楚歌の苦境に堅忍奮闘(けんにんふんとう)してようやく勝利
を得る」
正義の人は、必ず迫害を受ける。これが歴史の現実である。
あらゆる困難を乗り越えてこそ、偉大な仕事を成すことができる。牧口先生
は、こう確信しておられた。
先月、亡くなられた中国の大文人・巴金(ぱきん)先生は記しておられる。
「わたくしは屈服のできない人間である。わたくしは絶望のできない人間で
ある」(池田武雄編訳『巴金回憶集』秋山書店)
巴金先生とは4度、お会いし、文学の使命や哲学などをめぐって語り合った。
静岡研修道場で懇談したことも、懐かしい思い出である。<1980年4月>
文化大革命の迫害の嵐を乗り越えて、不屈の人生を歩んでおられた。忘れ得
ぬ、深い魅力の光る方であった。
巴金先生は、人々を陥れる卑劣なデマが猛威をふるった文化大革命の当時を
振り返って、こう述べておられる。
「本当のことを語る勇気があってこそ、デマを盲信しないで済むのである」
(石上韶訳『巴金無題集』筑摩書房)
非道な歴史を繰り返させるな! そのために真実を語れ。嘘を暴(あば)け!
これが巴金先生の叫びであった。
文豪・魯迅(ろじん)は青年への期待を込めて綴った。
「真の声であってはじめて、中国の人と世界の人を感動させることができる
のです。真の声があってこそ、世界の人とともに世界に生きることができるの
です」(竹内好訳『魯迅文集4』筑摩書房)
強き「声の力」が、人々の心を変える。
新たな時代を開きゆく、原動力となるのである。
◆教師と学生が緑陰(りょくいん)で対話
一、さて、詩聖タゴールがインドのシャンティニケタンに創設した学園では、
教員も、学生も、真剣な向学の心、差別なき友愛の心で、固く結ばれていた。
学園は全寮制で、皆が苦楽をともにした。そうしたなかで、深い精神性の伝
統が築かれていった。
タゴールは、教師と学生の間の人間的な結びつきが、非常に重要であると考
えていた。
彼は記している。
「教えることの主な目的は、意味を説明することではなく、心の扉をたたく
ことなのだ」(山室静訳「わが回想」、『タゴール著作集第10巻』所収、第
三文明社)
ただ知識を授けるだけでは、真の教育とはいえない。教師との人格の触れ合
い、心の交流が、生徒の心を開き、人間性を育んでいくのである。
事実、タゴールの学園では、教師と学生が緑陰(りょくいん)で対話を交わ
しながらの教育が行われた。美しい師弟の交流があった。
この学園は発展し、後に現在のヴィシュヴァ・バーラティ大学(タゴール国
際大学)となった。<初等・中等教育の学校が併設されている>
タゴール亡き後の1954年12月、当時のネルー首相がタゴールの学園の
学長として卒業式に出席した。
そして、タゴールの徳と学園創設の功績を讃えながら、"たとえ他の学校で
は、師弟の関係が希薄になったとしても、この学園だけは決してそうなっては
ならない"と訴えたのである。
◆◆ 教育とは知識よりも人間性の触発
◆◆◆ 若き友の心の扉をたたけ
◆◆ 共生を目指したタゴールの学園
我らは〔建学の理想〕に集った同志
◆人間主義の城
一、タゴールの学園は世界に開かれていた。
創立者タゴール自身が、自らの世界的な交友の広がりのなかで、各国の知性
を学園に招いた。世界の名士が、頻繁(ひんぱん)に学園を訪れては講演を行
い、若き頭脳に大きな触発を与えていったのである。
学園には、各国から多くの留学生も勇み集ってきた。「わが学園は国際的で
ある」 ── これが、皆の誇りであった。
タゴールの学園は、世界の諸民族と諸文化の融和を目指す"人間主義の城"
であった。
創立の理念を反映し、国や民族、人種の違いを超越した、国際性豊かな人間
性の世界が築かれていったのである。
わが創価大学、そしてアメリカ創価大学も、国際性に富んだ「世界市民」の
育成に力を注いでいる。
とりわけアメリカ創価大学には32カ国から学生が集っており、「地球の縮
図」というべきキャンパスで、豊かな国際感覚を養うことができる。
先日、逝去されたインドのナラヤナン前大統領は、アメリカ創価大学の第1
回卒業式に、「高い教育水準と建学の精神のもと、世界市民や文化・人間主義・
平和・共生の世界的指導者を育成し続けていかれると確信しています」と深い
期待の言葉を寄せてくださった。
◆平和の連帯を! 語学は重要な力
一、タゴールの学園は語学にも優れていた。
友人であるフランスの文豪ロマン・ロランを学園に招待する際に、彼はこう
書き送っている。
「私たちはすでに、私たちの学園にフランス語のクラスを開設しております。
概して、私たちは語学に堪能(たんのう)のようです、それで、あなたがご
く近い将来に都合よくおでかけくださるとしても、言葉の問題で、あなたのメ
ッセージが伝わらないということはないと確信いたします」(森本達雄訳「ロ
マン・ロランヘの手紙」、『タゴール著作集第11巻』所収、第三文明社)
世界に友情を広げ、交流を結んでいく。平和の連帯を築いていく ── その
ためにも、語学は重要である。
今、創価学園の英語力は一段と大きく向上してきているとうかがった。
創大でも、海外留学をはじめ、語学習得のための環境の整備に力を入れてい
る。語学を武器に、世界中で卒業生が活躍している。
ともあれ、タゴールの学園には、選りすぐりの優秀な学生が集ってきていた。
その学生を、タゴールは最大に大事にした。
私にとっても、創価学園、創価大学・女子短大に集ってくれた生徒・学生は、
一人も残らず、大切な大切な宝の存在である。志願してくださった方々も、同
じである。全員の健康と成長、勝利と幸福を私は毎日、祈っている。
また、最優秀の人材を送り出してくださっているご家族や、受験生の激励に
奔走(ほんそう)してくださっている皆さまにも、心から感謝申し上げたい(大
拍手)。
◆黄金の青春を
一、今年も、創大生、短大生は、就職をはじめ各種の国家試験の勝利などで、
素晴らしい結果を残してくださった。
創価大学では、昨年9月に「キャリアセンター」を開設した。民間企業や国
際機関への就職をはじめ、司法試験等の各種試験への挑戦などを応援している。
センターの開設以来、進路に対する学生の意識も高まってきたようだ。
職員の皆さまが、センターの充実に誠心誠意、力を尽くしてくださっている
とうかがった。
本当にうれしい。関係者の皆さまに、最大に感謝したい(大拍手)。
学生の皆さんが、就職戦線に、また勉学に、学内の諸活動にと、真剣に取り
組んでおられることも、よく聞いている。どうか、一日一日を大切にして、悔
いなき黄金の青春を飾っていただきたい。「これだけは、やりきった」と胸を
張れるような、挑戦の日々であってほしい。
私は、全員の健闘と人生の勝利を、心から祈っている(大拍手)。
◆創立者の魂の歌
一、これまで、創大・短大出身、学園出身の先輩方は、世界に、そしてあら
ゆる分野に、堂々たる「創価の道」を開いてくださった。その活躍の様子をう
かがうことほど、私にとって、うれしいことはない。
また、今は目立たなくても、青春時代の原点を胸に、社会の荒波のなかで必
死に戦っている同窓の友もいる。その偉大なる奮闘の姿を、私は最大に讃え励
ましたい。そして、これからも、ずっと見守っていく決心である。
創大・短大、学園の誇りは、同窓生の連帯の強さにある。
タゴールの学園の出身者たちもまた、深い母校愛と同窓の絆を胸に抱いてい
た。世界各国で卒業生が活躍している。
タゴールのもとで学んだ、ある出身者は、20年ぶりに母校に戻り、同窓生
の集いに参加した喜びを生き生きとつづっている。集いでは、学生時代に歌っ
た母校の歌を、深い感激を込めて合唱したという。
その歌詞は、タゴールの作であった。
「われらのシャンティニケタン、われらには凡てにまして親しきもの」
「われら何処に流浪(さすら)い、死ぬともシャンティニケタンは身近かに
ある」
「われらが生命と生命を一つの調べにする、シャンティニケタン。
われらの同胞(はらから)みなと一つの心にする、シャンティニケタン」(我
妻和男訳を参照。平等通昭著『タゴールの学園我らのサンチニケタン』印度学
研究所から)
わが創価の同窓生もまた、同じ「建学の精神」のもとに集った誉れの同志で
ある。その友情は、永遠である。
◆強き情熱で歴史を開け
一、かつて、アメリカの名門ウェルズリー大学のカザンジン学部長は、「教
育の荒廃を立て直すには何が大切か、教えてください」という学園生の質問に、
こう答えてくださった。
「それは『創価教育』という哲学に、すべて含まれています。
創価教育は、一人ひとりの生命の尊厳という深い精神性をもち、全体の調和
を重んじ、精神を真に解放する、重要な教育を推進しています。
創価教育によって、世界は再び教育を立て直せるでしょう」
世界の識者が、創価教育の発展に寄せる期待は、あまりにも大きい。
「創価教育75周年」の佳節(かせつ)である、きょうの日を記念して次の
句を贈りたい。
学園生
一人も もれなく
勝利者に
創大生
一人も もれなく
勝利者に
アメリカの民衆詩人ホイットマンは、「情熱、それなくして人と呼べようか?」
と述べた。
情熱が歴史をつくる。
情熱が世界を変える。
私たちは、強き情熱と深き理想を胸に、教育の大業に邁進(まいしん)して
まいりたい。
どうか健康第一で、風邪などひかれませんように! きょうは、本当にありが
とう!(大拍手)
(2005・11・18)