貞観法 和らぎ通信

和らぎ体操研究会のニュースなどを中心にして記して行きます。

かき混ぜる

2010-03-10 00:47:24 | 日記
月曜の午前の道場が終わってから川口へと出かけた。

3日ばかり前のこと珍竹林さんとこで堆肥を作るのに貰っている馬糞に、米糠を米30k入り用の紙袋に5袋を混ぜ合わせた。

術後の体調が十分に回復してない状態では無理な作業ではあるが、糠も用意されているし陽気は春に近づいて来て畑仕事が待っているのに、折角貰った馬糞を其の儘で、買い込んだ米糠も放っておけば油が滲み出てしまって仕様が無くなる。そう思って、私が代って遣ったのだが、3日経っているので、それをまたあらためて掻き混ぜてみた。

万鍬を堆肥に立てると白い靄のような湯気が立ち上る。あわせて、何ともいえぬ馬糞と米糠の発酵した匂いが辺りに発ち込める。

丁度、犬の散歩に出ていた妹さんが「遠くの方までこの匂いが流れているよ」と帰りがてら声をかけた。

そんなに悪臭にも感じはしないが、そう言われて遠い日のことを思い出した。

私は小学5年生の頃から自家の便所からの糞尿の汲み出しを、祖母と一緒に肥料桶に天秤棒を差し入れ担ぐ役目を負っていて、体力が付くようになった中学生の頃には一人で汲み出すようになっていた。

汲み出した「生」の糞尿は一旦屋敷内にあった「溜」に入れ置き、発酵させてから改めて畑にと担ぎ出して肥料として使ったものである。

庭先に在る「溜」の臭いは結構きつく閉口する。

それを苦にした言葉を吐くと、たちまち叱られ口調で祖母から「くせえと思ったらかんまぜろ。かんまぜれば蛆もわかねぇんだ」と言われたものであった。

但し、かき混ぜれば当然のこと臭いはなお増す。

それをまた苦にして訴えると、「そん時は臭くても早くに枯れて臭いはなくなるんだ、くせえと思ったらかんまぜろ」と幾度と無く言われ耳たこになるくらいであったよなぁ。

新しい生の状態で練れていない未熟なものを動かしかき混ぜ、そこに空気を取り込ませると熱が生み出されながら、祖母の言葉を借りれば枯れて行き、作物を育てるに力をもったものにとなる。

練って練ってかん混ぜて、その中に含まれている微生物の活性を高めて、生の状態から枯れた状態へと導かせて行く。
これが上手く行かなければ、悪臭だらけの腐敗が起きて害を振り撒く。虫も湧く。

考えてみれば全てに同じ事が起こる。
わが身も同じことだなぁ。とそんなことをつくづく思いながら馬糞と米糠に空気を絡めこむようにしてかき混ぜた。
コメント
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