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東証、ちっと上がって大きく下がる。。。武田薬品株は安すぎる、シャイアー買収決戦前夜 株主総会がどのような結果になろうと株価には期待できる

2018-12-04 15:18:40 | 産業・企業情報

武田薬品株は安すぎる、シャイアー買収決戦前夜

株主総会がどのような結果になろうと株価には期待できる

 

 製薬業界で今年最大の買収案件となった武田薬品工業によるアイルランドの製薬大手シャイアーの総額

620億ドル(約7兆円)の買収計画について、投資家は間もなく開催される臨時株主総会で意思表示の

機会を得る。武田の株主が計画を断念させる結果を支持することもあり得るが、同社の株はいずれにせよ

割安だ。


 シャイアーと武田の株主はいずれも今週、賛否の票を投じる。計画承認には武田の株式の3分の2に

相当する賛成票が必要だが、承認にこぎ着けるかどうか多少の懸念はある。武田の元会長は最近、

反対の意を表明した。今年これまでの株価の反応からすると、反対しているのは元会長だけではなさそうだ。


 武田の米国預託証券(ADR)は今年約35%下落している。同社の負債が過大に膨らむことへの懸念が

主な原因だ。それは正当な懸念だろう。買収契約成立時の純負債は500億ドル近い額となる。

予想EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)の5倍にも達し、業界の標準をはるかに上回る。

 

 賛否を問う前のシャイアーの株価は、買収案の提示価格を約6%下回る。この差は合併アービトラージ戦略

ファンドが、買収成立をいくらか疑問視していることを示す。一方、武田の株価は結果いかんにかかわらず、

割安な水準にみえる。


 負債への懸念はすでに同社の評価額に反映ずみだ。ファクトセットによると、武田の負債調整後の

時価総額は直近のEBITDA実績値の10倍だが、同規模の製薬会社の場合はそれよりずっと高水準にある。

メルクとファイザーはそれぞれ16倍と14倍だ。


 買収が承認されれば(今なおその可能性が最も高い)、武田は今後5年以内に純有利子負債をEBITDAの

2倍に引き下げる目標を立てている。両社合わせて2017年のプロフォーマEBITDAは90億ドルを超える

ことから、これは信じるに足る目標だ。また、合併後のコスト削減による収益力向上も見込めるだろう。

シャイアーと武田は胃腸薬や神経科学の分野など重複する事業を抱えている。


 シャイアーは希少疾患や血友病の治療薬に特化しており、いずれも相当なキャッシュフローを生み出し、

競争とはほぼ無縁の立場にある。株主は忍耐強く待つ必要があるが、負債が減るにつれて株価が

上向くことは容易に想像できる。


 仮に株主の買収反対が優勢になった場合、それはそれで武田株が急騰する可能性が高い。

武田が最初に買収の意向を示した3月時点のADRの価格水準に戻れば、株価は約40%上昇することを意味する。


 製薬投資家が東方に目を向けるには十分な価値だろう。