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韓国新大統領の人気ぶり、メニュー改名するほど

2017-05-30 16:05:13 | 文在寅(ムン・ジェイン)大統領

韓国新大統領の人気ぶり、メニュー改名するほど

2017 年 5 月 30 日 10:50 JST   THE WALL STREET JOURNAL

 【ソウル】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領に当選して3週間。文氏がモーニングコーヒーを飲みに通っていた

店が突然、大混雑するようになった。人気メニューは文氏お気に入りのコーヒー。あまりの人気ぶりに、そのコーヒーは

「ムン(文)ブレンド」と改名された。


 ユン・ジョンヘさん(44)は「このコーヒーを飲むため、自宅から1時間かけてここに来た」と言う。ユンさんは文氏に投票

しなかったが、文氏の「気楽で、権威主義的ではないスタイル」がその後、ユンさんの心をとらえたという。「センスレスネ

ス(非常識)からコモンセンス(常識)への民主的シフトで、喜ばしいことだ」と話す。


 新しい指導者というのは就任後、最初の数週間は「蜜月」期を享受する場合が少なくない。しかし韓国では、文氏を異

様な楽観論が取り巻いている。それに先立つ数カ月間、汚職スキャンダルで国全体が暗いムードに覆われていた。その

間、前任者である朴槿恵(パク・クネ)氏は弾劾・罷免され、有力企業( サムスン電子 )トップは逮捕された。


 文氏は大統領選でわずか41.1%の得票率で勝利した。だが、新たな世論調査では、文氏が有能な大統領になるだろ

うと考える韓国人が実に88%に達している。また韓国銀行(中央銀行)が発表した5月の消費者信頼感指数は108に

急上昇し、2014年4月以来の最高水準に達した。同指数は100を超えると楽観的な見方を意味する。


 文大統領就任に伴う熱気は、文氏の自伝と、同氏を表紙にした米誌タイムの売れ行き急増にも表れている。タイム誌

の売れ行きは、通常は平均して3000部程度だが、今回は11万5000部に達した。

 

大統領の人気ぶりは、韓国大統領官邸「青瓦台」観覧に関する問い合わせが1日当たり100件超と以前の5倍に急増し

ていることからもうかがえる。文氏が身につけている衣服の人気ぶりからも顕著だ。

 

 文氏は今月、記者たちを同行したハイキングでオレンジ色のジャケットを着ていたが、このジャケットを製造したアウトド

ア衣料会社のブラックヤクは、先行注文で売り出した当初の300着が1時間以内に売り切れた。これを受けて同社は

3000着を追加製造中だ。


 さらに、韓国が主張する竹島(韓国名:独島)の領有権に関する記念アイテムを販売している会社によれば、文大統領

が先週の記者会見で着用した同社製ネクタイが2日間で売り切れた。500本強の新規注文に応じるため大急ぎで追加

生産したという。


 元学生活動家で人権弁護士だった文氏は大学教授のような物腰で、「政界の人気ロックスター」と考える人は最近ま

でほとんどいなかった。政治コンサルタント会社ミンのパク・スンミン最高経営責任者(CEO)によれば、文氏は「弾劾さ

れた朴前大統領とあらゆる点で比較されている」という。

大統領就任後3カ月以内に実施された世論調査結果

新大統領は有能だと回答した人の割合


朴前大統領は、約20年間にわたって韓国を支配した独裁者の娘であるのに対し、文氏は北朝鮮難民の息子だ。朴氏

が保守派だったのに対し、文氏はリベラル派だ。朴氏はお高くとまった汚職まみれの人物とみられている一方、文氏は

控えめで堅苦しくなく、率直だと多くの人がみている。


 文氏が今月、青瓦台の職員たちに、一緒に昼食をとるつもりだと話した際、職員たちは冗談だと思ったと言う。


 「文大統領の因習にとらわれない友好的な態度は、過去10年間に及んだ歴代保守系政権下でわれわれが失ってい

たものを逆説的に示している」と慶熙大学(ソウル)のイ・テグァン教授(コミュニケーション・文化論)は言う。


 文氏の高い人気が継続するかどうかは、数多くの問題で成功するかどうかにかかっている。文氏にとって最も喫緊の

課題は、ぜい弱な経済の回復を維持すること、大量の若年失業者を減らすこと、潜在的な成長とイノベーションを阻害し

ているとされる強力な財閥を抜本的に改革すること、そして北朝鮮のミサイルと核開発の脅威増大に伴い生じつつある

危機を管理することだ。


 文氏は北朝鮮との関係緊密化を掲げているが、北朝鮮はこれに応じる構えを一切みせておらず、ここ数週間にわたっ

てミサイル発射実験を繰り返している。29日朝もミサイルを発射した。


 「人々の期待通り、改革と変化が実現しなければ、(文大統領就任に伴う)現在の興奮は政権初期の段階で終わる可

能性もある」。釜山にある東亜大学のユン・サンウ教授(社会学)はそう述べた。