EMERALD WEB≪拝啓 福澤諭吉さま≫

政治・経済・生活・商品情報などさまざまな話題で情報を発信してます。

<武漢ウイルス・武漢肺炎>日本型BCGで新型コロナの免疫ができる?

2020-03-28 15:32:55 | 医療・疾病・疫病・パンデミック・新型コロナウイルス

日本型BCGで新型コロナの免疫ができる?

2020年03月27日 15:30    アゴラ  池田 信夫

 

「BCG接種が新型コロナにきく」という話が、ネットで出回っている。BCGは子供のとき

受ける結核の予防接種なので、これは一見すると医学的に根拠のないトンデモにみえるが、

ジョンズ・ホプキンス大学のBCG世界地図を見ると、疫学的な状況証拠は十分ある。

 

A(黄色)はBCG接種を義務づけている国で、日本、中国(武漢を除く)、韓国(大邱を

除く)、ロシア、ASEAN諸国、中南米(エクアドルを除く)など死亡率が低い

(人口100万人あたり死者1人以下)。

 

 

B(青)はBCGの義務化をやめた国。EUでは1980年代からBCGを任意にし、日本のような

ハンコ型ではない新しい株になった。右の表のように(小国とイランを除くと)死亡率の

ワースト10はすべでBCGを義務化していない国だ。特にBCG義務化をやめたスペイン

(死者93人)と義務づけているポルトガル(死者6人)の差が印象的だ。

 

C(赤)はBCGを義務づけていない国で、イタリア(死者136人)、オランダ

(死者25人)、アメリカ(死者4人)。この傾向から考えると、アメリカの死者は

これから数十倍に増えるおそれが強い。インペリアル・カレッジの報告は「集団免疫が

できるときの死者は(何もしないと)全米で220万人」と予測している。

 

JSatoNotesによると、ドイツは1998年にBCG義務化をやめて新しいタイプのBCG株を

使うようになったが、図のように(ソ連から導入された)日本型のBCGを義務づけていた

旧東ドイツ地域では感染率が低く(1万人中500人以下)、新型の西ドイツでは高い

(1000人以上)。

 

一見この地図と合わないのはBCGを義務づけているイラン(死者27人)だが、イラン製の

特殊なBCG株を使っている。日本型のBCGを接種しているイラク(死者0.9人)とは

対照的である。BCGを義務化するかどうかよりも、日本型のBCG株がコロナに有効で、

新しい株がコロナにきかないのかもしれない。

 

武漢や大邱は、局地的に多くの人が密集して接触したことや院内感染による例外的な

「感染爆発」だったと思われる。「ダイヤモンド・プリンセスで日本人の発症率は

低くなかった」という反論もあるが、BCGの免疫効果が弱く、大量のウイルスが体内に

入ると発症すると考えれば説明がつく。これは普通の感染症も同じで、免疫は完璧な

ものではない。

 

医学的にBCGの有効性が確認されたわけではないが、世界各国で臨床試験が始まっている。

Scienceは「BCGでコロナの抗体ができるかどうかは疑問だが、人体への影響を弱める

ことは考えられる」という専門家の意見を紹介している。疫学的な相関関係は完璧

なので、偶然の一致とは考えにくい。

 

いずれにせよ日本人が集団免疫に近い状態にあることは十分考えられるので、

どれぐらいの比率で抗体をもっているかを政府が抗体検査でサンプル調査する必要がある。

それによって今後の防疫対策は大きく変わる。

 

 


人気ブログランキング