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米国の制裁、ロシアは脱ドル化で対抗。 影響軽減のため、貿易決済でルーブルや他の通貨を奨励へ

2018-11-13 15:49:03 | ロシア

米国の制裁、ロシアは脱ドル化で対抗

影響軽減のため、貿易決済でルーブルや他の通貨を奨励へ


 【モスクワ】米国の経済制裁の影響で景気が悪化するロシアは、今月中に発動が見込まれる追加制裁に

備えて、ドルの使用を絶とうとしている。


 ロシアの中央銀行は今年、金の保有高を積み上げ、米国債を売却してきた。現在、これまでより多くの

貿易取引の決済をルーブルや他の通貨で行う計画が進行中で、ドルの使用を避ける輸出業者への優遇税制も

検討されている。


 ウラジーミル・プーチン大統領とロシアの中銀が後押しするいわゆる「脱ドル化」のプロセスは、

欧米諸国がロシアの金融システムを標的として発動する新たな制裁の打撃を緩和するのに役立つはずだ。


ロシアのプーチン大統領は8月にドイツで、米国の制裁はドルの世界通貨としての信頼を損なうと述べた


 ロシア政府のこうした努力は、米国政府の輸入禁止措置に対する明白な報復であり、同時に国内の

生産や投資を促進し、中国と連携を強化することで自国経済に予防措置を施す広範な取り組みの

一環でもある。


ロシア国営タス通信の報道によると、プーチン氏は先月、米国の制裁について、ドルの世界通貨としての

信頼を損なう「重大な戦略的過ち」だとし、「自分が腰掛ける枝を切り落とそうとしている」と述べた。

 政府当局者によると、ロシア政府にはドルやドル建て債の使用を禁止する計画はない。とはいえ、

ドル以外の通貨に多様化を図るだけでも難しいタスクだとアナリストは指摘する。


 ドルは1日の取引高が5兆ドルに上る外国為替市場の9割に絡んでおり、世界の債券の大半はドル建てだ。

ルーブルへの信頼が近年の価値の乱高下で弱まってきた一方で、ロシア経済は原油、天然ガス、

鉄鋼といったドル建てコモディティーに大きく依存している。


 それでもロシアはドル支配に抵抗する国々に加わろうとしている。中国が今年3月に上場した人民元建て

原油先物は原油トレーダーの間で急速に人気を集めてきた。欧州連合(EU)の高官はユーロの役割を

強化することを目指し、米国から独立した新国際決済システムの設置をオープンに議論してきた。

対ロシア制裁よりも広範な米国の制裁に直面しているイランも、ベネズエラやパキスタンと同様に

ドルの役割を限定する措置をとってきた。


 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの外国為替戦略責任者トーマス・フラーリー氏は、

「こうした脱ドル化トレンドの何割がポーカーゲームのような駆け引きに過ぎないのかは定かではないが、

現在、米外交政策の予測不可能性が高まっていることを踏まえると、以前より多くの国々がこれまで疑問を

抱かなかったことに疑問を抱かざるを得なくなっている」と話す。


 ロシアの脱ドル化の動きを後押ししてきたのは、米国が追加制裁に踏み切ることで国内の銀行と

輸出業者が米国の金融システムから締め出されるかもしれないという不安だ。ロシアによるウクライナ領

クリミア半島の併合を受けて2014年から欧米諸国が発動してきた一連の制裁措置はすでにロシア経済に悪

影響を及ぼし、投資を減少させ、ロシアのアルミ大手UCルサールを経営難に陥れた。


 ロシアのアントン・シルアノフ財務相は8月に国営テレビに出演し、ロシアは「ドルの使用をやめ、

自国通貨とユーロを含む他の通貨を使用する」と述べた。「そのため実際のところ、そうした制裁措置は

米国にとって逆効果となる」


 今年3月にロシアが神経ガスを使って英国亡命中の元ロシア情報機関員を暗殺しようとしたとされる

事件への懲罰として、米国は早ければ今月中にも追加制裁を発動する可能性がある。米連邦議会もロシアの

金融システムや銀行に対するさらなる制裁を検討している。


 ロシア政府は脱ドル化計画を年末までに公表するとみられている。政府当局者によると、制裁を受けている

ロシア国営VTB銀行のアンドレイ・コスティン最高経営責任者(CEO)が最初に考案したその計画には、

ルーブルを使う企業に対する税額控除と付加価値税の迅速な還付などのインセンティブも含まれるという。


 ロシア経済におけるドルの役割はすでに縮小してきた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が

中銀のデータに基づいて計算したところ、個人や企業がロシアの銀行に保有している外貨預金の割合は、

ピークに達した2016年には37%だったが、今年9月には26%にまで縮小していた。

ドル建ての輸出収入の割合についても、2013年の80%超から今年の第2四半期には68%に縮小していた。


 その好例が急成長しているロシアと中国の貿易だ。オランダの金融大手INGのモスクワ在勤エコノミスト、

ドミトリー・ドルギン氏によると、ルーブル建て、人民元建ての取引が両国間貿易に占める割合はこの

4年間で4倍近く拡大して19%前後となっており、この傾向は継続するという。


 ロシアの政府当局者はイランやトルコといった国々との原油取引に自国通貨を使うことも提案してきた。

だが今のところ、取り組みの成果はほとんど出ていない。

 

原文 https://jp.wsj.com/articles/SB11632224690678093907204584589511460552676?mod=searchresults&page=1&pos=6

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プーチン氏は「ドルの指図」に打ち勝つ予定=独紙

2018年08月26日 23:08    SPUTNIK

独紙ディ・ヴェルトは、ロシアが「ドルの指図」から抜け出すため金保有量を増やしていると伝えた。

同紙によると、ロシア政府は西側諸国との迅速な関係正常化を期待していない。

 

同紙によるとロシアは金保有量で世界5位。世界の金在庫の17%を保有する。


「プーチン氏には戦略的プランがある。ドルがロシアに対する武器として使われているため、

ロシア大統領は金を買っている」と政治学者のジェイムス・リチャード氏が指摘した。

同氏によると、金は「ドル制裁からの防御として理想的な手段」だ。


ロシアは米国債を大量に売却。---961億ドル(約10兆6000億円)から487億ドルに減らした。

世界22位---ディ・ヴェルト紙はこれを受け、「プーチン氏は新たな制裁に対してロシア経済を武装するため

ドルから脱却するだろう」との見方を示した。

ロシアは8月22日、発効予定の対ロシア追加制裁を前に、金の購入---26.1トンの金を購入。

これによりロシア中央銀行の金準備高は2170トンに達した。---を大幅に増加した。