ニカラグア、デモの激化受け、社会保障改革の決議「無効」に
2018.04.23 Mon posted at 10:32 JST CNN
(CNN) 中米ニカラグアのオルテガ大統領は22日夜、社会保障制度改革に関する決議を無効にすると発表した。
年金支給額の変更などを盛り込んだこの決議に対しては、先週から激しい抗議行動が起きており、人権団体によれば、ここまで
少なくとも25人が死亡している。
政府は18日、社会保障制度の赤字拡大を食い止めるための改革を承認。労働者や雇用主の負担を増やす一方で退職者が
受け取る年金を減らすとするその内容に、激しい抗議の声が上がっていた。
首都マナグアではデモ隊の投石や放火に対し、警官隊が催涙ガスやゴム弾を使用。オルテガ大統領は週末にかけ抗議デモの
参加者などと交渉を行い、決議を無効化する決定に至った。
マナグアに拠点を置く人権団体は22日、過去数日間の抗議デモで少なくとも25人が死亡、67人が負傷したと報告している。
米国務省と国連はデモ参加者らに対する暴力的な対応を非難。平和的な解決を求めた。
オルテガ大統領はテレビ演説で「我々は秩序を回復しなくてはならない。混沌(こんとん)や犯罪、略奪の横行を許すわけには
いかない」と強調。法の支配の下で行動し、確実に社会の安定と平和を取り戻す考えを示した。