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<ラオスダム決壊>「韓国ダム」決壊で孤立のラオスに日本が救いの手

2018-08-28 22:06:53 | 天災・地震・台風・豪雨・火山・大火災

 「韓国ダム」決壊で孤立のラオスに日本が救いの手

2018年08月26日 11:00  アゴラ  酒井直樹
 

これは信頼すべき筋から聞いたスクープ記事だ。これは国連筋から得た情報だが、情報源を秘匿するために配慮して書く。


先月、ラオス南東部のアッタプー県でセピアンセナムノイダムが決壊し、辺の村落が水没、少なくとも27人が死亡、

3千人以上が家を失った。世界でも日本でも大々的に報道されているのでみなさんご存知だろう。

ただ、報道されていない熾烈な外交ゲームが水面下で今現在繰り広げられている。

 

この発電所は、韓国大手財閥SKグループのSK建設と韓国西部発電、タイ政府系の発電大手ラチャブリ電力、

ラオスの国営企業が合弁で建設していた。筆頭株主は26%を出資するSK建設。2013年に着工し、19年の稼働を

目指して建設を進めていた。


8月24日日経新聞に岸本まりみ記者の以下のような署名記事がとても控えめな扱いで掲載された。

 

ラオスの水力発電計画、宙に ダム決壊から1カ月

 

 

記事はこう結ばれている。

 

しかし、世界のネットメディアでこの事故が議論されているポイントはそこではない。

それは、「人災」か「天災」かという一点だ。

米紙ニューヨーク・タイムズは「欠陥工事か」と報じている。何故か日本のメディアは、今回は頰被りでこの点を

一切報じていない。社会正義とは一体なんなんだろうか?メディアの役割とは一体なんなんだろうか?


ラオス政府や国民の怒りは高まっていて、事故を「人災」と断定し、韓国側に対し、罰則的ともいえる

「特別補償」を求めている。欧米メディアは「欠陥・手抜き工事」の可能性を報じ、工法自体への疑問も浮上している。

このダムはアースダム方式と呼ばれ、ダムの形式として最も古い土でできたダムで、

「地震で壊れてしまう可能性がある」「洪水時の異常出水で越水して決壊してしまう可能性がある」のは

業界の常識とも言われる。

今回の事故は、韓国企業による海外インフラ受注競争にも、影響が出かねないだけに韓国サイドは、

「天災」(英語でフォースマジュール)つまり予期できなかった異常事態なので自分たちには責任がないとの

主張を展開している。何度もいうが日本のテレビや全国紙はこれを一切報道していない。


ラオス政府は、こうしたラオスと韓国の当事者二国間の水掛け論に終止符を打つため、信頼の置ける第三者による

客観的調査と評価を国連などの国際機関に必死になってお願いして回ってきた。

それが社会正義であり、そのために国連などの国際機関は世界中の国民の税金の下に存在しているというのは

みなさんもきっと共感してくれるだろう。


ところが、国連はそんなに綺麗な組織ではない。私も類似した国際機関に17年間勤めていたのでその裏と表を

熟知している。そこは、「世界の正義・公正の実現」を看板に掲げるが、国益と国益がぶつかり合う情報戦の

戦場であり、各国の外交官が角と角を付き合わせて自国を少しでも有利にするためのゲームを日々行なっている

タフでワイルドな場所だ。実は、韓国はこのような情報戦や外交戦術に非常に長けている。

各国ともそのような存在感の高い韓国を「忖度し」、ラオスが「第三者委員会での調査・仲介を」と涙ながらに

訴えてもビクともしない。


現場でリアルな情報に触れている日経新聞の記者がそのような現場を知らないはずがない。もし知らなかったら

メディアを名乗る資格はない。そして忖度の結果あのような読者が読んでも争点がなんだかわからない記事になる。

日経は記事化しただけまだいい。他の大手新聞やテレビ番組は一切取り上げずに、日々「森友・かけ・財務省」等々の

日本政府のどちらかというと軽度な問題を「忖度・忖度」とあげつらう。忖度しているのはあなたたちの方だ。

偽善者のレッテルを貼られても仕方ないのではないか。フェイクニュースとどこが違うのか。国民の知る権利を

阻害しているのはあなた方大手メディアだ。


さて、八方塞がりで窮地に追い込まれたラオス政府とラオス国民に、「私たちが中立の第三者として入ってあげましょう」

と言ってきたある国がある。もちろん正式な外交ルートではなく企業の皮を被ってだが。その国の名前は中国だ。


ラオス政府はこれを断る。これ以上中国に影響力を行使されたら国を乗っ取られてしまうからだ。

そして、ラオス政府が助けを求めた国がある。


それは日本だ。


国連筋によると、ラオス政府は事故直後から安倍政権に第三者の仲介役の段取りをするよう助けを求め続けていたそうだ。

しかし、日本としても火中の栗を拾うには大きなリスクとコストが付きまとう。今、朝鮮半島の非核化や拉致問題を

巡って韓国との距離を縮めているところだ。中国、そして米国と熾烈な外交ゲームを繰り広げている。

こんなところで、ホワイトナイト(白馬の騎士)として仲裁役に立つと、韓国との外交問題に発展しかねない。

 

そこで首相官邸は、日本が前面には出ないが、欧米等と連携して、この問題に当たる座組みを考え、

先週日本や国際組織の非政府専門家を現地に赴かせた。表向きは政府は絡んでいない。政府とは無関係の法人の

専門家が詳細に客観的に情報を分析した。


彼らは、現地をつぶさに冷静に確認した後、ラオスの首都ビエンチャンの首相官邸に赴き、

トーンルン・シースリット首相に直接面会しその結果を口頭で伝えた。もちろんその場に現地の日本大使館関係者も

日本政府系機関職員も同席していない。


安倍首相は大変したたかだ。表向きは、韓国と直接対峙しない。中国のこれ以上のインドシナ半島への侵食を

食い止められる。ラオス政府や国民からは感謝される。それは米国の影響力が低下するアジアの新秩序形成において、

大変意義深い良手である。


多分、早晩、国際的な陣容で第三者評価委員会の立ち上げが世界的なニュースとして駆け巡ることになるだろう。

日本ではあまり報道されないだろうが。


これが、外交の現場で起きていることだ。私もリスク覚悟で私なりの正義を貫くため、こうした情報をみなさんに

提供していきたい。

 

 <ラオスダム決壊>決壊から1カ月 避難者6000人、補償が焦点。建設企業の責任追及へ

 上記記事で、産経新聞が

トンルン首相は21日、現地調査した国際大ダム会議(本部パリ)のシュレイス会長や東京電力の技術者の表敬訪問を受けた。

東電は「ラオス政府の要請を受け、調査団のサポートを実施した」としている。

と報じてますがこれとは別の調査団なのかな。