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リオ五輪閉幕 残したもの

2016-08-25 12:16:57 | リオオリンピック

リオ五輪閉幕 残したもの

8月23日 17時10分 NHK NEWS WEB

南米大陸で初めて行われたリオデジャネイロオリンピックは17日間の熱戦を終え閉幕しました。

大会前には、準備の遅れ、政治の混乱、経済の低迷、治安の悪 化と不安材料ばかりが伝えられてきましたが最終的には大きな混乱

もなく無事に閉会式を迎えました。

オリンピックの歴史の新たな1ページとなった南米大陸初 のオリンピックはブラジル、そして、世界に何を残したのか。

2年余りにわたって現地で取材を続けてきたリオデジャネイロ駐在の原口秀一郎記者が解説しま す。

不安を抱えたままの開幕

BomDia(ボンジーア)!「おはようございます」という意味のポルトガル語です。ブラジルに暮らしていると毎朝、

この言葉から1日が始まります。

8月5日、いよいよオリンピックが始まるという記念すべき開会式の朝。国際放送 センターですれ違う人たちの表情はメディアもボラン

ティアも組織委員会の人たちもどこか不安げな表情でした。というのも大会前、ブラジルではインフラ整備 など準備の遅れ、政治の混

乱や経済の低迷、そして治安の悪化と不安材料ばかりが伝えられていたからです。

実際、観客を運ぶ交通インフラの要の地下鉄が運行 を始めたのは開幕のわずか4日前。

大会のメイン会場となるオリンピックパークでも開幕直前まで準備作業が続いていました。

市民からは「いま大会が必要なのか」という疑問や不安の声すら上がっていました。

ムードを変えた開会式

こうした中、迎えた開会式が不安なムードを一変させました。開会式は予算が大幅に縮小され、北京大会の8分の1、ロンドン大会の4

分の1とも言われる限られた予算で行われました。

 
 
財政的に厳しい状況の中で演出家たちが口にしたのが「ガンビアーハ」という言葉 です。

ポルトガル語で「厳しい状況でも頭を使ってなんとかする」という意味の「ガンビアーハ」。舞台演出では、大規模なセットを使わず、「プ

ロジェクショ ンマッピング」と呼ばれる映像技術を活用して費用を大幅に削りました。

 

 会場を真っ暗にして観客席を星空に見立てる場面では、特別なライトは用意せず、観客に協力してもらいそれぞれの携帯電話のライ

トを活用する徹底ぶりでした。

 大会のシンボルともいえる聖火は、周りに光を反射する装飾を施し小さな炎でも大きく見せる斬新な演出で燃料代を抑えました。

そして4000人のボランティアとともにブラジルの歴史や文化を表現しながらいま地球が直面している環境破壊などの問題に警鐘をな

らす骨太なショーを描ききりました。

翌日、準備段階では辛口だった世界のメディアからは開会式を絶賛する言葉が相次ぎました。

イギリスの新聞ガーディアンは「最もすばらしかったのは世界を救 うためにできる限りの節約をしたこと。

悪いニュースや怒りの感情はすっかり消え失せる瞬間となった」と最大限の敬意を払いました。

競技会場でも「ガンビアーハ」

こうした「ガンビアーハ」の工夫は、競技会場でも随所に見られました。例えば萩 野公介選手が今大会日本第1号の金メダルを獲得す

るなど日本のメダルラッシュに沸いた競泳会場は仮設で、夜間ライトアップされ迫力のある波の模様が印象的 な会場の外壁は実は、

骨組みを覆うシートです。

予算削減で会場内にエアコンがなく客席の足もとに風を通す穴を空けて換気しました。


また、錦織圭選手が銅メダルを決めたあのテニス会場もスタンドはすべて仮設で大会後には別の場所で再利用されます。

大会期間中およそ200万人がバス停からオリンピックパークまで歩いたスロープもすべて骨組みが丸出しの仮設のものでした。

それでも訪れた観客からは厳し いブラジルの経済事情を考え、豪華さを排除したシンプルな設備を評価する声が圧倒的でした。

シンプルでありながらも世界を認めさせた開会式や大会の施設はブラジルの「ガンビアーハ」の精神を最大限発揮したものとして4年後

の東京大会でも大いに参考になるものとなりました。

大会運営ではトラブル続出

一方で、大会の運営では開幕当初からいくつものトラブルが起きていました。9つ の競技会場が集まり1日に10万人以上の観客が集

まったオリンピックパークでは初日にいきなり、入場するまでの1時間半の列が出来ました。

また、観客に とって唯一の公共交通機関となったバス停にも長い列が出来ました。市内の幹線道路には選手や関係者を運ぶための

専用レーンが設けられ、その影響で一般車両 の渋滞がひどく市民生活に影響も出ました。

大会の組織委員会やリオデジャネイロ市では待ち時間を減らすためにボランティアや警備担当者の数を増やしたりバスの本数を大幅

に増やしたりして対応し大会が進むにつれて状況は改善していきました。

組織委員会のアンドラーダ広報責任者は、「重要なのは問題が起きたときにどう対処するかだ。完璧を目指してはいけない」と述べてブ

ラジルらしい臨機応変さ で対応しきったと強調しましたが、4年後の東京としてはこうした問題を起こさないよう事前の想定と検討が重

要だと再認識できる場面となりました。

ブラジルの課題は改善されず

また、ブラジルならではの課題も改めて浮き彫りとなりました。その一つが治安です。

 

 世界的に有名な観光地イパネマ海岸ではポルトガルの現職の閣僚が強盗の被害に 遭ったほか、

メディアが乗っていた会場間を運行していたバスの窓ガラスが突然割れる被害もありました。

警察は投石が原因だとみています。日本から来た人た ちの強盗や盗難の被害も相次ぎました。

連邦政府は、8万5000人規模の警備態勢で治安の確保に全力を尽くすとしていましたが最後までその不安を払拭 (ふっしょく)するこ

とはできませんでした。大会が終わるとこの警備態勢が解かれ、さらに治安が悪化する危険性も指摘されています。

大会の効果をわかりや すい形で市民に広げるためにも治安対策の徹底は、ブラジルに突きつけられた大きな課題です。

大会を支えたのはブラジル流の“おもてなし”

いろいろな問題がありながらも大会を支え、成功に導いたのは、ブラジル流の“おもてなし”の精神でした。

 

大会の会場には笑顔で観客を出迎えるボランティアの姿がありました。

マイクを片手にポルトガル語のほか英語やスペイン語、中には日本語で道案内するボランティアたちもいて満面の笑顔で、時には冗談

も交えながら観客を誘導する姿は大会の名物にもなりました。

競技会場ではまるでカーニバルのような熱狂的な応援が目を引きました。

一部の競技では観戦マナーの面で選手を困らせる場面もありましたが、なじみの薄い小国の選手や難民選手団の選手たちには地元

ブラジルの選手に匹敵するよう な温かい声援がおくられブラジル流の“おもてなし”を象徴するシーンとなりました。

 

IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は大会の総括会見で「経済や治安などの社会問題と向き合って開かれた象徴的な大会

だ。ブラジルの人々の 明るさや生きる喜びを世界が学び、スポーツが人々を団結させられることを示した」と述べ、南米初のオリンピッ

クが成功したことの意義を強調しました。

4年後の舞台は東京へ

閉会式の朝。「ボンジーア」と声を掛け合う人たちの表情は16日前とは大きく異なり達成感に満たされていました。

閉会式でオリンピックの五輪旗は東京都の小池知事に渡りました。次の舞台は56年ぶりの東京です。

政治、経済、治安など社会的な問題についてブラジルと日本を比較しながら論じるのはとても難しいことです。

しかし、今回見せてくれた大会を成功させたいというリオデジャネイロの人たちの熱い思いと、成功へと導いた底力は、東京も見習うべ

きものだと思います。

 

 小池知事は、「東京大会でもコストがかさんでいる。リオデジャネイロの挑戦を学 んで精いっぱい準備を進めたい」と早速コスト削減の

取り組みを参考にする考えを示しました。私たち日本人が主人公となる東京が、4年後どういう大会を世界 に見せることができるのか

今から楽しみです。リオデジャネイロから東京の成功を祈りつつ皆さん、チャオ、チャオ!
アメリカ総局  原口 秀一郎 記者
多くの人が心配していたリオ五輪ですが、全競技は無事に終わり開会、閉会式も心に残るものでした。

治安については日本と大きな差がありますが、選手も観光客も大きな犯罪に巻き込まれなかったので

ブラジル政府、リオデジャネイロ市は十分力を出してくれたと思います。

小池知事は「アスリート・ファースト」を唱えています。

選手が十二分な能力を出せるよう快適な環境を整えて欲しいですね。

お金えお掛ければいいてもんじゃない事をリオに学び、

更に日本の素晴らしいアイデアを加えて、日本が誇れるオリンピックにしたいですね。

そうそう、スタッフのユニフォーム、コリアン風のはやめて頂きたい。

最後までお読み頂きましてありがとうございます。