フィリピンEEZ内の海底に中国が独自の呼称提案、比政府が懸念表明
2018年2月15日 12:16 発信地:マニラ/フィリピン AFP
フィリピン・ルソン島沖のベンハム隆起周辺海域を調査するフィリピン農業省の調査員(2017年5月6日撮影)。
【2月15日 AFP】フィリピン政府は14日、同国の排他的経済水域にある大陸棚の海底地形に対し、中国が独自の呼称を使おうとして
いる動きについて、国際機関に懸念を伝えたと発表した。中国が海洋権益をいっそう主張する動きとして不安視されている。
フィリピンのハリー・ロケ(Harry Roque)大統領報道官は声明でこの大陸棚「ベンハム隆起(Benham Rise)」について、
フィリピン政府の公式呼称「フィリピン隆起(Philippine Rise)」を用いつつ、「われわれは『フィリピン隆起』にある海底地形に
付与された中国名に対し異議を唱え、その呼称を認めない」と述べた。
フィリピンはこの海底隆起に対し、排他的管轄権を有している。ロケ氏によると、この隆起に位置する5カ所の海底地形に対し、
中国が独自の呼称を提案したことについて、在中国フィリピン大使館が国際水路機関(IHO)に「懸念」を表明した。
天然資源が豊富にあると目されている1300万ヘクタールに及ぶこの陸塊は、ルソン(Luzon)島沖約250キロの太平洋の海底に
位置している。2012年に国連(UN)はフィリピンに対し、同国領海の大陸棚の延長としてこの海底陸塊の排他的管轄権を認めた。
ロケ氏は、この国連の認定にもかかわらず、中国が2015年と2017年、呼称について検討するIHOの特別小委員会にこの海域の
5か所の海底陸塊について独自の名称を申請したと訴えた。フィリピンはこの小委員会のメンバー国ではないとロケ氏は補足した。