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「高所得者を優遇すれば経済全体が潤う」というトリクルダウンは嘘だった 。=米国

2017-11-30 14:51:12 | USA

トリクルダウンは嘘だった

2017年11月28日(火)18時15分   Newsweek ロブ・ロジャース(風刺漫画家)/パックン(コラムニスト、タレント)
 

<超高所得者層に減税の恩恵が集中する見込みの共和党税制改正案。高所得者を優遇すれば経済全体が潤うという「トリクルダウン」

は、みんな嘘だとわかっているはずなのに......>


「クリスマスの前の晩」という詩は200年近く前からアメリカで愛され、親が子によく読んであげるもの。

風刺画では題名が「税制改正の前の晩」になり、サンタクロースの最後のセリフ「みんなにメリー・クリスマス!」が「みんなに

豊かさを!(prosperity for all)」に変わっている。共和党の象さんが懸命に読み聞かせしているが、中流層の子供(?)はお話を

疑っているようだ。


それもそうだ。改正案の主人公である Trickle-down Economics (滴り落ちる経済)は嘘だと誰もが分かっている。

「高所得者の税率を下げると彼らの消費と投資が増し、その経済効果で労働階級も得し、税収も増える」という考え方だが、

もともとはコメディアンでユーモア作家のウィル・ロジャーズがコラムで高所得者優遇を皮肉った表現だ。


この表現が生まれたのが1932年。ネタとしても笑えるような政策だが、それから何度も実際に試され、そのたびにそんな夢のような

効果はやはり夢だと分かった。過去100年のデータから見て、最高税率とGDP成長率はほぼ比例関係にある。最高税率が75%を

超えるときこそ成長率が高い。サンタクロースを信じても、滴り落ちる経済は信じられないはずだ。


でも、共和党はいまだに信じているらしい。政治情報サイト、ポリティファクトによると、今回の税制改正案では、減税額の恩恵の

80%がトップ1%の超高所得者に集中する見込みだ。彼らは平均で年間23万ドル以上も得する計算になる。改正案は、高所得者への

素敵なクリスマスプレゼントになる。


一方、中流層と貧困層は大ダメージを食らいそう。まず、年収7万5000ドル以下の家庭は長期的に増税になる。

その上、高齢者や障害者向けの医療保険メディケアも、貧困層向けのメディケイドも予算削減される。おまけに1300万人は医療保険を

失うという。こんな弱い者いじめのような法案を出した悪い子に、サンタさんはプレゼントをくれないだろう。


いや、もらえそうだ。フォーチュン誌の分析では、税制改正によってトランプ政権の閣僚らは合計15億ドルも減税され、

トランプ自身の実質税率が4%以下になり、毎年数百万ドルの減税になりそうだとか。こんな話、僕も信じられない!

【ポイント】
I HEARD HIM EXCLAIM AS HE DROVE OUT OF SIGHT..."PROSPERITY FOR ALL AND TO ALL A GOOD NIGHT!"

そりが夜空に消える前に、彼の声が聞こえた。「みんなに豊かさを! ぐっすりおやすみ!」

I'M TOO OLD TO BELIEVE IN TRICKLE-DOWN ECONOMICS!
トリクルダウンを信じるほど子供じゃないからね!

 
 


2 コメント

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Unknown (すずらん)
2017-11-30 15:50:03
所得が少ないなら、それを増やすように頑張れば良いじゃないか。 所得が多くても、選挙権は一人一票だぞ。 2倍の所得で、5倍の税金払うとか、真っ平ごめんだろう。
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すずらんさま (jiu)
2017-12-03 15:33:35
訪問ありがとうございます。
高額所得者の殆どの方は努力してると思います。頭を使い、体を使って頑張った結果ですものね。
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