北朝鮮外務省「刺激を続けると情勢は原点に」…米国をけん制
北朝鮮外務省の報道官(スポークスマン)は6日、「朝鮮半島の非核化は制裁・圧迫の結果ではなく平和愛好的な意志によるもの」と
主張すると共に、米国が「朝鮮半島情勢をまたもや緊張させようとしている」と主張した。同日、朝鮮中央通信記者が伝えた。
この報道官は、「米国はわれわれが核を完全に放棄する時まで制裁・圧迫を緩めないと露骨に唱えて朝鮮半島に戦略資産を引き込み、
反朝鮮『人権』騒動に熱を上げる」と指摘し、北朝鮮の人権問題に言及するといった、米国による北朝鮮敵視政策が続いていると
いう見解を示した。
さらに、「朝鮮半島情勢が平和と和解の方向へ進んでいる時、相手を意図的に刺激する行為は、ようやくもたらされた対話の
雰囲気に水を差して、情勢を原点に逆戻りさせようとする危険な企図にしか見られない」と、5月末や6月初めとされる
米朝首脳会談に向けた「けん制球」を、米国に向け投げ込んだ。
「人権問題で中傷すると取り返しのつかない結果に」北朝鮮メディアが米国に警告
北朝鮮の内閣などの機関紙・民主朝鮮は5日、署名入りの論評の中で「人権問題は初めから朝鮮にあったことがない」とし、
米国による北朝鮮の人権問題への問題提起を「破廉恥かつ卑劣な醜態」と非難した。同日、朝鮮中央通信が伝えた。
論評では冒頭で、米国が4月20日に発表した2017年版の「人権報告書」に言及。「ひどい人権侵害」という表現を引用し
「朝鮮の尊厳ある体制に対する公然たる否定、許せない愚弄」と強調した。
この報告書では政治犯収容所をはじめとする劣悪な環境にある収監施設や、17年2月に異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を
VXガスで殺害した点など、北朝鮮の人権侵害を指摘している。
論評はさらに、「全朝鮮民族はもちろん、国際社会は米国がわれわれの誠意あって雅量のある主動的な措置に応えて
対朝鮮敵視政策を一日も早く撤回し、朝鮮半島に恒久平和体制を樹立すべきだと一致して求めている」との見方を示した。
また、米国による北朝鮮人権問題の提起には「米国に対朝鮮敵視政策を撤回する意思がなく、ようやくもたらされた現情勢の流れを
過去へ逆戻りさせようとする」意図があると批判し、その上で「取り返しのつかない結果を招くことになる」と警告した。
「民主朝鮮」紙 人権蹂躙の元凶である米国の反朝鮮「人権」うんぬんを嘲笑
【平壌5月5日発朝鮮中央通信】米国が「2017年の人権報告書」で、「ひどい人権侵害」だの、「日常的に自国内で人権を侵害する
不安定勢力」だのとして朝鮮を謗った。
5日付の「民主朝鮮」紙は署名入りの論評で、これは朝鮮の尊厳ある体制に対する公然たる否定、許せない愚弄であり、
途方もない謀略・中傷だと糾弾した。
同紙は、米国がけん伝している「人権問題」は初めから朝鮮にあったことがなく、これについては朝鮮を訪問した外国人と海外同胞の
誰もが認め、世界が激賞していると明らかにした。
また、米国が誰それの「人権問題」についてうんぬんしているが、実際に被告席に引きずり出されて裁きを受けるべき
人権蹂躙(じゅうりん)犯罪国家はほかならぬ米国だとし、次のように指摘した。
にもかかわらず、人権蹂躙の元凶である米国がふさわしくなく「人権裁判官」のふりをして他国を謗っていることこそ、盗人猛々しい
破廉恥かつ卑劣な醜態だと言わざるを得ない。
今、全朝鮮民族はもちろん、国際社会は米国がわれわれの誠意あって雅量のある主動的な措置に応えて対朝鮮敵視政策を一日も早く撤回し、
朝鮮半島に恒久平和体制を樹立すべきだと一致して求めている。
にもかかわらず、米国が陳腐な「北の人権」のほらを吹いているのは米国に対朝鮮敵視政策を撤回する意思がなく、
ようやくもたらされた現情勢の流れを過去へ逆戻りさせようとすることとしか他に見られない。
同紙は、米国は荒唐無稽(こうとうむけい)な反朝鮮「人権」騒動でわれわれを中傷、冒とくするのが大事を損なう取り返しのつかない
結果を招くことになるということをはっきり認識して、自国内の人権問題の解決に神経を使う方がよかろうと強調した。---
北朝鮮紙、圧力維持の日本を非難。「悪癖捨てろ」
2018/5/6 12:19 共同通信
【北京共同】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は6日の論評で、日本が北朝鮮への圧力維持を掲げながら、米国や韓国を通じ
日朝対話を模索していると非難し「悪い癖を捨てない限り、1億年たってもわれわれの神聖な地を踏むことはできない」と主張した。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は南北首脳会談で「いつでも日本と対話を行う用意がある」と述べたとされるが、
北朝鮮メディアは対日批判を続けている。北朝鮮が非核化に向けた具体的行動を取るまで最大限の圧力を維持すべきだとする
日本をけん制する狙いがあるとみられる。