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習近平の国賓来日に反対する自民党議員が現れた。佐藤正久前外務副大臣が異議 / 中国主席の国賓来日に反対。自民有志「護る会。代表幹事・青山繁晴参院議員」の決議全文 

2019-11-18 00:33:05 | 外交・海外支援

北海道大学教授の解放こそ叶ったものの、未だ複数の日本人が拘束中、加えて尖閣問題や

激しさが増すばかりの香港デモ等々、日中間にはまだまだ「障壁」が存在していると言わざるを

得ません。

そんな中、安倍政権が先日打ち出した「習近平国家主席の国賓待遇での来日」について、与党内から

反対意見が上がり話題となっています。『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で

国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、習氏の国賓待遇を憂慮すべき理由について改めて持論を

展開しています。

 

習近平の国賓来日に反対する自民党議員が現れた。

2019.11.19 402   MAG2NEWS     by 

皆さんご存知のように、安倍総理は6月、大阪で習近平と会談し、「来年の桜の咲く頃、習主席を

国賓として日本に迎えたい」といいました。すると習近平は、「来春の訪問は極めていいアイディアだ。

外交部門で具体的な時期について調整して欲しい」と応じました。

米中覇権戦争の行方』(3章)を読まれた方はご存知ですが、私はこれ(国賓訪日)にずっと反対

しています(理由は、後述します)。

そして、なんと自民党の議員さんで、習近平の国賓訪日に反対する人が出てきました。

 

まず、佐藤正久前外務副大臣。佐藤先生は元陸上自衛官。イラクに派遣され、復興支援隊長を

務められました。いつも国益のために戦っておられる佐藤先生は、習近平の国賓来日に反対しています。

先生は、日中間には現在「4つのトゲ」があるとおっしゃっています。

  1. 香港問題
  2. 北大の教授が拘束されている問題
  3. 尖閣問題
  4. 日本食品の輸入規制問題

「4つのトゲを抜かないと、国賓というわけにはいかない」と断言されました。

佐藤先生が習の国賓訪日に反対する映像はこちらでごらんになれます。

● 課題解決しないまま習主席を国賓に…異議


そして、青山繁晴先生を中心とする「日本の尊厳と国益を護る会」も、習の国賓訪日に反対しています。

議員数40人。立派ですね。

自民有志、中国主席の国賓来日反対決議へ 尖閣や邦人拘束改善条件

産経新聞 11/12(火)22:46配信

 https://www.sankei.com/politics/news/191112/plt1911120054-n1.html


自民党の保守系議員約40人でつくる「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表幹事・

青山繁晴参院議員)が、中国の習近平国家主席の来春の国賓来日に反対する決議を

準備していることが12日、分かった。北海道大教授ら邦人の不当な拘束や尖閣諸島

(沖縄県石垣市)周辺海域での中国公船の侵入行為などの状況が改善されない限り

国賓での来日に反対する内容で、13日にまとめた後、安倍晋三首相に提出する方針だ。


  「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」は、なぜ国賓訪日に反対なのでしょうか?

一方、護る会は、中国で十数人の邦人が理由不明のまま拘束されていることや

中国軍機による領空侵犯、尖閣諸島周辺での中国公船の挑発行為を踏まえ、日中関係は

「正常な軌道」にないとの認識に立っている。香港市民に対する中国当局の弾圧姿勢も

問題視しており、これらの懸案が改善されない場合、習氏の国賓来日に反対していく考えだ。
(同上)

  • 十数人の邦人が理由不明のまま拘束されている
  • 中国軍機による領空侵犯
  • 尖閣諸島周辺での中国公船の挑発行為
  • 香港市民に対する弾圧
 が反対理由だそうです。もっともですね。

 

真の理由は、米中覇権戦争

上記の理由は、どれも重要です。しかし、実をいうと、習の国賓訪日に反対すべき真の理由は

「米中覇権戦争」です。

 

アメリカは2018年7月、8月、9月と連続で、中国製品に対する関税を引き上げました。

そして、2018年10月のペンス演説で、世界中の研究者は、「米中覇権戦争がはじまった…」と

理解した。別の言葉で、「米中新冷戦がはじまった」という人もいますが、意味は同じ。


米中関係が最悪になったので、中国は、日本にすり寄ってきた。ナイーブで世界情勢にうとい日本の

政治家は、「米中覇権戦争がはじまった」ことすら知りません。それで、中国がすり寄ってきた

ことについて、裏の理由を考えることもなく、「まことにめでたいことだ」とこちらからも歩み

寄るようになった。こういう状況をアメリカサイドから見たらどうでしょうか?

「我が国(アメリカ)は、中国と覇権戦争を開始した。すると、我が国(アメリカ)の同盟国・

日本は、敵である中国に接近しはじめた」

 

これ、一般的な言葉でなんというでしょう?そう、【 裏切り行為 】です。トランプは、ムカついて

いるに違いありません。そして、ムカつくのも当然でしょう。彼は6月26日、こんな発言をしています。

「日本が攻撃されれば、米国は第3次世界大戦を戦う。我々は命と財産をかけて戦い、彼らを

守る」

「でも、我々が攻撃されても、日本は我々を助ける必要はない。彼らができるのは攻撃を

ソニーのテレビで見ることだ」


これを聞いて、「トランプがまた変なことをいいだした」と思った方も多いでしょう。しかし、

「原因は日本側にある」ことを、私たちは理解しておく必要があります。

そして、2019年10月22日、即位礼正殿の儀が行われました。世界各国から、国王、王妃、大統領、

首相などが、日本に集結した。しかし、その中で、もっともランクの低い人を派遣したのは同盟国

アメリカです。アメリカから出席したのは、運輸長官でした。これを見て、「ずいぶんアメリカに

舐められたものだ」と怒るのは愚かです。

元々ペンス副大統領が来る予定だった。それが、運輸長官になった。理由は、日本側にあると

見るべきです。


2015年3月、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、オーストラリア、イスラエル、

韓国など、親米諸国が、アメリカの制止を無視し、中国主導AIIBへの参加を決めました。しかし、

日本はAIIBに参加せず、アメリカに喜ばれた。2015年4月、安倍総理は、アメリカ議会で演説し、

いいました。

米国国民を代表する皆様。

 

私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。

 

アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。

 

希望の同盟──。

 

一緒でなら、きっとできます。

アメリカの議員さんも涙した、歴史的名演説でした。オバマも歓喜して、「歴史的訪問に感謝する。

日米関係がこれほど強固だったことはない!」とツイートした。

ところがどうでしょう。いざ米中覇権戦争がはじまったら、希望の同盟国日本は、真っ先にアメリカを

裏切った。つまり安倍総理は、自らの言動で、「希望の同盟演説は、口からでまかせだった」ことを

証明したのです。


より深刻なのは、日本政府のトップに「裏切り行為をしている」という自覚も認識もないことです。

宮脇淳子先生は、『日本人が知らない満洲国の真実』の中でこう書かれています。

日本人が自分たちのしたことについて、まったく自覚がないところは悪い点です。

日本がパリ講和会議で出した人権差別撤廃法案にしても、あれがいかに欧米の人間を困らせた

か、日本人は全然理解していません。アメリカがハワイを併合したときも、日本はかなり文句を

言いました。アメリカはすごく腹を立てましたが、日本はそれについて無自覚で、その後、アメ

リカが日本に報復したくなるとは思いもよりませんでした。日露戦争で満州や朝鮮への野望を打

ち砕かれたロシアは、日本に仕返ししようと待ち構えていました。


この話、私もその通りだと思います。今風にいえば、こんな感じになるでしょう。

日本人が自分たちのしたことについて、まったく自覚がないところは悪い点です。

日本が、アメリカの敵である中国の長、習近平を国賓招待したことが、どれほど深刻な

裏切り行為であるか、日本人は全然理解していません。

アメリカが「タンカー防衛有志連合をつくろう」と提案した時も、日本は完全にシカト

しました。アメリカはすごく腹を立てましたが、日本はそれについて無自覚で、その後、

アメリカが日本に報復したくなるとは思いもよりませんでした。


2015年、16年、安倍総理は、見事に中国の反日統一共同戦線戦略を無力化しました。日本を敗戦国から

戦勝国に転換させ、「偉大な宰相」になるチャンスがあった。しかし、アメリカに対する裏切りを

サクッと繰り返すことで、今は、「人権侵害超大国中国に過剰接近して日本をまた敗戦させた残念な首相」

になろうとしています。

ですが、まだ「偉大な首相」になる機会はある。その一歩は、習近平の国賓訪日を中止することでしょう。

そして、アメリカの「希望の同盟国」として、行動することです。

 

日本は今、「勝利か、また敗戦か」の歴史的岐路にたっています。北野幸伯

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中国主席の国賓来日に反対 自民有志「護る会」の決議全文 

2019.11.13 16:02   産経新聞


 自民党の保守系有志議員のグループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」

(代表幹事・青山繁晴参院議員)は13日、国会内で会合を開き、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)

周辺海域への公船の侵入行為や香港市民に対する弾圧姿勢を改めない限り、来春予定される習近平国家

主席の国賓としての来日に反対する決議文をまとめた。


 青山氏は会合後、記者団に「尖閣や香港の問題をなかったかのように習氏を国賓として迎えるのは

国としておかしい」と強調。「中国が日中間に横たわる問題や香港などで基本的人権(の侵害問題)

を改善すれば、国賓来日は歓迎する」とも述べた。


 青山氏らは同日夕、首相官邸を訪れ、岡田直樹官房副長官に決議文を手渡した。

 岡田氏は、決議文の内容を安倍晋三首相と菅義偉官房長官に伝えるとした上で、「自民党の反対論や

国民の中にある賛成できないという気持ちを無くせるよう、官邸一体となって努力する」と語ったという。

 全文は以下の通り。

 政府は、日中関係は完全に正常な軌道に戻ったと繰り返し、表明している。

来春には、習近平国家主席の訪日も予定されている中、こうした関係改善を印象づけるメッセージは、

外交辞令としては理解するものの、真の日中関係を表しているとは言い難い。


 例えば、わが国固有の領土である尖閣諸島周辺海域への中国船の度重なる侵入、中国軍機の

領空侵犯は日常茶飯事となっている。


 また、香港市民の民主的政治行動に対し、強権によって弾圧する姿勢は、自由・民主主義・

法の支配という現代社会の普遍的価値に照らして、断じて許されない。


 さらに先般、中国側の招聘(しょうへい)によって出向いた北大教授が不当に拘束される事件が

発生したように、理由もわからず捕らえられ、自由を奪われている邦人は十数人とも言われ、

中国において、わが国の尊厳と邦人の基本的人権が尊重されているとは、到底言えない状況が続いている。

 このような現状は、日中関係が「正常な軌道」にあるとはいえないことを意味している。


 1919年に、日本が世界で初めて国際会議において人種的差別撤廃提案をしてから今年で

100年となるが、中国によるチベット・ウイグル・南モンゴルへの人権弾圧が行われ、中国国内で

不法不当な臓器移植が疑われるなどの事例が世界中で取り沙汰されている。


 日本の尊厳と国益を護る会は、自由・民主主義・法の支配という国際社会の普遍的価値観に基づく

正しい日中関係構築のため、これらの問題に関して習主席来日までに中国政府が具体的で明確な

対応をとることを求めるよう政府に対し強く要望すると共に、これらの諸懸案に改善がない場合は、

習近平国家主席の国賓としての来日に反対する。

 


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