近代五種独代表と馬たたいたコーチ、動物虐待で訴えられる
2021年8月14日 10:23 APF 発信地:ベルリン/ドイツ
【8月14日 AFP】ドイツの動物福祉団体は13日、東京五輪の近代五種女子の馬術に出場した同国代表の
アニカ・シュロイ(Annika Schleu)と馬をたたいて大会から追放されたコーチのキム・ライスナー
(Kim Raisner)氏を、動物への虐待行為で提訴したことを明らかにした。
同団体はコメント文で、「動物への虐待」および「動物虐待のほう助と指示」でシュロイとライスナー
氏を告発したと述べた。同選手に対しては、「おびえて大きな負担を感じている馬を、何度も乱暴に
たたいた」と批判し、同コーチについてはアスリートに「動物へのこの虐待行為を強く指示した」と
訴えている。
6日に行われた同競技で、シュロイは馬術まで好位置につけていたが、馬のセントボーイ(Saint Boy)
号を制御できなくなったときに事件は起きた。
馬が障害の飛越を拒否すると、同選手はいら立って涙目になりながら馬をむちで何度もたたきつけて
いた。生中継された映像では、ライスナー氏が同選手に「たたけ」とけしかけている声が確認された。
国際近代五種連合(UIPM)がその後、映像でライスナー氏が「拳で馬を殴っているように見える」と
指摘したことを受け、同氏は大会から追放された。シュロイもメダル圏内から大きく後退し、31位に
終わった。
近代五種の馬術では、選手は抽選で選ばれた馬に騎乗する。
その後、ライスナー氏は独スポーツ通信社SIDとのインタビューで、「自分が『たたけ』と指示した。
しかし、彼女(シュロイ)は、どんなやり方であろうとも、馬を酷使してはいなかった」と語った。
一方、シュロイは独週刊紙ツァイト(Die Zeit)に対し、馬の扱い方について「極めて厳しいもの」では
なかったと主張。しかしながら、「もう少し落ち着いてもっと冷静」に対応することもできたかもしれない
と認めた。
【東京五輪】 馬を殴って失格 ドイツの近代五種監督
馬のセントボーイはジャンプを拒み続け、騎乗したアニカ・シュロイは涙を流した
東京オリンピックの近代五種女子で、ジャンプも速歩もしなかった馬を殴ったように見えたドイツの
監督が失格となった。
失格になったのはドイツ代表のキム・レイズナー監督。6日に行われた近代五種女子の馬術で、馬の
セントボーイをうまく操ることができずに泣きじゃくるアニカ・シュロイに対し、レイズナー監督が
「本当にたたきなさい」と促す声を、ドイツのテレビカメラがとらえていた。
シュロイはそれまでこの試合をリードしていた。しかし近代五種の馬術では、選手たちがわずか20分の
間に、初めて騎乗する馬と信頼関係を築かなければならない。
近代五種の競技団体UIPMは、映像を検証した結果、レイズナー監督がこぶしで馬を殴っているように
見えたと発表した。レイズナー監督は2004年オリンピックの近代五種に出場した元選手。
失格になったキム・レイズナー監督
UIPMは声明を発表し、「彼女の行為はUIPM競技規則違反に当たるとみなされた。同規則は、オリンピック
を含む近代五種の全認定大会に適用される」とした。
「UIPM理事会(EB)はドイツ代表のキム・レイズナー監督を失格とし、以後、東京2020オリンピック大会
への出場を禁止する」
「EBの決定は本日、近代五種男子が再開される前に東京スタジアムで行われた」
セントボーイは7日の近代五種男子で使われる馬の中には入らなかった。
シュロイを乗せたセントボーイは4つ目の障害までは順調にクリアしたが、5つ目の障害に突き当たると
何度もジャンプを拒み、シュロイは0点で失格となった。その前にグルナス・グバイドゥリナ(ロシア・
オリンピック委員会)が騎乗した時も同じように拒んだ。
英語記事 German coach thrown out for horse punch
— frankie (@BannedFrankie13) August 7, 2021
— frankie (@BannedFrankie13) August 7, 2021
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