カンボジアの対中依存を批判 亡命中の最大野党幹部、日本に支援求める
強権的な政治手法を取るカンボジアのフン・セン首相によって2017年に解散に追い込まれた
当時の最大野党、救国党のム・ソチュア副党首が来日し、22日、産経新聞のインタビューに応じた。
「民主主義を取り戻し、過度の対中依存から抜け出す」と訴え、日本に支援を求めた。
同氏は解党時に拘束を逃れるため亡命した党幹部50人の一人。翌18年の上下両院選でフン・セン氏
率いる人民党は議席を独占、事実上の一党支配を続ける。
ム・ソチュア氏は「フン・セン氏は政権を維持するため、中国の不透明な経済援助に依存し、腐敗を
招いている」と批判。中国の狙いは「南シナ海からタイ湾に続く海域を掌握するための戦略的要衝、
カンボジアで影響力を増すことだ」と指摘し、「国民が食い物にされている」と嘆いた。
実際、同国唯一の深水港がある南西部の港町シアヌークビルには中国系カジノが乱立し、
首都プノンペンまでの高速道路の建設を中国資金が計画中。近くのリアム海軍基地の一部を中国が
短くとも30年間独占利用するとの米報道もある。
亡命中の救国党幹部は仏からの完全独立を果たした記念日の11月9日に一斉帰国する予定。
ム・ソチュア氏は「政治活動を再開し、米欧との関係を改善して外交の中立性を取り戻す」と語る。
ただ、同氏ら幹部8人には国家反逆容疑で逮捕状が出ている。同氏は「逮捕を避けるには国際社会の
支援が必要。カンボジアの実情を知ってほしい」と訴えた。