歯科医物語

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フェミニズム隆盛… 柳美里さん受賞作

2020-11-20 09:38:05 | ☆メディア(本・映画・Web・音楽など)
格差社会問い直す、背景にフェミニズム隆盛…柳美里さん受賞作
11/19(木) 10:32配信
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 米国で18日(日本時間19日朝)に発表された「全米図書賞」の翻訳文学部門で、作家の柳美里さんの小説「JR上野駅公園口」の英訳版が選ばれた。近年、日本の女性作家の文学作品が海外で次々と評価される新潮流が生まれている。(文化部 待田晋哉) ■「春樹」次世代活躍  全米図書賞は、1950年に創設された権威ある文学賞。翻訳文学部門では、2018年にドイツ在住の作家、多和田葉子さんの「献灯使」が受賞し、著者の国際的な評価を高めるきっかけの一つとなった。  柳さんの「JR上野駅公園口」は、福島出身で上野のホームレスになった男の物語。その人生を通し、経済成長優先の戦後や現代の格差社会を問い直す。日本で14年に出版後、モーガン・ジャイルズさんが翻訳した。  2000年代以降、海外では村上春樹さんの著名な文学賞受賞が続いた。06年にカフカ賞、09年にエルサレム賞を受け、ノーベル文学賞の有力候補ともされる。この数年は次の世代の女性作家が注目を集め、小川洋子さんの「密やかな結晶」も19年の全米図書賞と今年の国際ブッカー賞で最終候補となった。  翻訳家の鴻巣友季子さんは、「日本の女性作家の評価には、世界的なフェミニズムの隆盛が影響している」と語る。「献灯使」には極端な鎖国政策を取る近未来日本、「密やかな結晶」には秘密警察のテーマが盛り込まれ、「世界や日本を取り巻く社会状況が厳しくなる中、ディストピア(反理想郷)を扱う内容も注目された」と分析する。 ■「コンビニ人間」契機  村田沙耶香さんの芥川賞受賞作「コンビニ人間」が世界的ベストセラーとなったことも、追い風となっている。「Convenience Store Woman」の題で18年に英訳されると、コンビニで働く女性像がユニークだと話題を呼び、米誌「ニューヨーカー」の「2018年のベストブックス」の1冊に選出。35言語以上で翻訳が決定している。  「北米で10万部、英国で15万部以上売り上げるなど、『コンビニ人間』の商業的成功を受け、英米で日本の女性作家の作品に対する関心がさらに高まりをみせている。新たな世代の翻訳家や編集者の活躍も目立つ」。早大准教授で翻訳家の辛島デイヴィッドさんは指摘する。若手翻訳家のポリー・バートンさん(36)は、「個人的に一番励みになるのは、日本の出版社に英訳に積極的な態度を取ってもらうこと」と語る。 ■意欲的な英訳追い風  英米では近年、新たな書き手の発掘に意欲的な独立系出版社が翻訳に目を向けている。そうした流れもあってか、米誌「タイム」が選んだ今年の「必読書100」には柳さん、村田さん、松田青子さん、川上未映子さんの新刊が入った。  この風を生かすため、公的な支援は欠かせない。韓国は「韓国文学翻訳院」を設立し、国を挙げて翻訳強化に取り組む。日本では、国際交流基金が翻訳出版助成を行っているものの、やや手薄だ。民間の動きを国が後押しする具体策も考えたい。




 
 
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