人生エクソダス

なんてことのない日々のこもごもをつらつらと書き連ねたり連ねなかったりする。

日本の食事の”すする”文化

2019-12-27 20:36:20 | 日記

 食事の時に音を立ててすするという行為。麺類とか味噌汁のような汁物だとめずらしい事ではないが、海外のとりわけ欧米だとマナーがなってないということになっている。が日本だとそう目くじらたてる行為ではない。何故か。

 というのを大学の時の講義でやったのを思い出しながら述べる。

 欧米だとマリネのような冷製な食べ物がけっこうあって、麺類とかスープもそこまで熱くないし、スプーンですくう過程でさまして飲む。日本だとうどんそば味噌汁は熱の通らないしっかりした容器から蓮華を使うことはあっても基本的に直接口をつけて吸引する。つまり食事の温度が根本的に熱いということに焦点があって、要は熱い食事をさほど冷まさず口に含むので、空気と一緒に口に入れることですこし冷ますのだ。これがすするという行為だ。つまり食べっぷりとかは後付けで、熱い食事をいきなり食べる過程で空冷のためにすすって食べているのだ。お椀が分厚い食器であるということは、逆に食事が熱くても持ちやすいとか熱い食事を冷まさない遮熱性を重視していると考えれば納得のいく説だと思う。まして汁物や麺類はそういう食べ方に向いているのでそういう食事方法が当然のこととして動作に染みつく。だから海外のすする必要のない温度の食事も、同じ汁物・麺類という理由ですすって食べてしまうのだ。

 だからといって対面座位ですすって食べた飛沫が服とかにかかって困るのも食文化の違いで片付けていい話ではないので、TPO弁えてということになるのは当然のことだろう。ただ海外ではすするのはマナー違反だよ、とどこに行っても言うのもまた野暮な行為だ。

 熱々をすすって食べる時には前に人がいないか確認してください。