ラ王CM撮影の非常識

登山ブームの中、こんなニュースがありました。

日清「ラ王」新ＣＭお蔵入り　山頂で撮影、登山者一時入れず　日清食品は８日、「弊社商品のＣＭ撮影に関するお詫び」をホームページ上に掲載した。槍ヶ岳で行った「日清ラ王」の新ＣＭ撮影の際、一部の登山者に登頂を待ってもらうことを依頼し、「多くの皆様に多大なご迷惑をお掛けいたしました」と謝罪している。日清では９日から新ＣＭの放映を予定していたが、「ＣＭを見ると、不快に思う人もいる」（広報部）と判断、“お蔵入り”にすることを決めた。(産経新聞)

発端は、新聞社への投稿だったようです。
ことによって、難所槍ヶ岳山頂で撮影を行い、一般の登山者を締め出したようです。
はしごのかかっている急斜面で足止めされて、登頂をあきらめさせられたり、長時間待たされた人が結構いたようです。

まあ、非常識にもほどがありますね。
TV用のCM撮影で、山頂でラーメンを食べるシーンをヘリコプターから撮影していたとの事です。
TV関係、広告製作会社は、今の時代の花形で、世の中は自分を中心に回っていると思い込んでいるのでしょう。

あわてて、スポンサーの日清食品は、お詫びを表明し、このCMをお蔵入りにしたようですが、どうも事態をわかっていないようです。
これって、公共の道を許可なく占拠して、歩行者を危険な状況に追い込んだのと同様なことです。
都会でゲリラライブを行った芸能プロダクションの人間は訴追されて、処罰されています。
これとまったく同じ行為ですね。
山頂を、一部の商業関係者が独占していいはずがありません。

万一、待機していた登山者が墜落などしたら、たいへんなことになっていました。
対応を間違えれば、スポンサーの食品会社も、例の雪印と同じ社会的制裁を受ける可能性までもあったでしょう。
CM製作にかかわった社員を早急に処分するだけでなく、会社の上層部も改めて公の場で謝罪の意を表明すべきでしょう。

一般の登山者を不快にするだけでなく、非常に危険な状況に追い込んだわけですから、警察も乗り出してもいいんじゃないですか。