※注意 このレビューにはネタバレが含まれます。
以下は「PLUTO」の単行本第1巻が出た頃に書いたレビュー。
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手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボット」の巻に登場するロボット探偵ゲジヒトの目から見た、もうひとつの鉄腕アトム「地上最大のロボット」の巻きが、この浦沢直樹の「プルートウ」である。
という解釈で読んでみたものの、これは浦沢直樹の目から見た作品であり、手塚治虫のストーリーに浦沢直樹らしい解釈を交えながら、膨らませるだけ膨らませてしまっている。浦沢自身、いま読み返すと、あのストーリーがない、といった行間の喪失を感じているが、この「PLUTO」はまさに浦沢が勝手に作り上げた行間を作品化したものに違いない。
つまるところ、原作のストーリーからは想像できないような拡大解釈がこれから展開されるわけである。リアルな画とシリアスなストーリー展開で、ぼくらの鉄腕アトムはどうやって活躍するのだろう。
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このとき、第1巻のラストで、アトムは普通の少年として登場する。そこには「劇画おばQ」とは違う、別のストーリーの中でアトムという少年ロボットが登場するパラレルワールドである。
その後も、御茶ノ水博士やタワシ警部など、鉄腕アトムに登場するキャラクターは登場するものの、そこには手塚作品とは明らかに違う設定やストーリーが内包しており、浦沢ワールドとしての鉄腕アトムはすでに一人歩きを始めている。
浦沢直樹は明らかに別の世界観で、鉄腕アトムを描こうとしているのは間違いない。原作をなぞらえながらも、独自の感性で、行間を埋めると言うよりも、リ・イマジネーションしていると言える。
この作品の主人公となっているドイツのロボット刑事ゲジヒトは、原作では中盤あたりであっさりやられてしまうのだが、今回はゲジヒトがPLUTOの裏のキャラとして鍵を握っているようである。
そして、PLUTOを取り巻く陰謀はゲジヒトの消された過去の記憶とも直結して、さらにはボラー調査団とも直結しているようである。
謎解き的な要素もかなり普段に盛り込まれているようである。
そして、アトムが死んだということは、原作をなぞれば天馬博士が登場し、10万馬力を100万馬力に改造して復活すると考えられるのだが・・・
「20世紀少年」と一緒に目が離せなくなってしまった作品である。
以下は「PLUTO」の単行本第1巻が出た頃に書いたレビュー。
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手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボット」の巻に登場するロボット探偵ゲジヒトの目から見た、もうひとつの鉄腕アトム「地上最大のロボット」の巻きが、この浦沢直樹の「プルートウ」である。
という解釈で読んでみたものの、これは浦沢直樹の目から見た作品であり、手塚治虫のストーリーに浦沢直樹らしい解釈を交えながら、膨らませるだけ膨らませてしまっている。浦沢自身、いま読み返すと、あのストーリーがない、といった行間の喪失を感じているが、この「PLUTO」はまさに浦沢が勝手に作り上げた行間を作品化したものに違いない。
つまるところ、原作のストーリーからは想像できないような拡大解釈がこれから展開されるわけである。リアルな画とシリアスなストーリー展開で、ぼくらの鉄腕アトムはどうやって活躍するのだろう。
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このとき、第1巻のラストで、アトムは普通の少年として登場する。そこには「劇画おばQ」とは違う、別のストーリーの中でアトムという少年ロボットが登場するパラレルワールドである。
その後も、御茶ノ水博士やタワシ警部など、鉄腕アトムに登場するキャラクターは登場するものの、そこには手塚作品とは明らかに違う設定やストーリーが内包しており、浦沢ワールドとしての鉄腕アトムはすでに一人歩きを始めている。
浦沢直樹は明らかに別の世界観で、鉄腕アトムを描こうとしているのは間違いない。原作をなぞらえながらも、独自の感性で、行間を埋めると言うよりも、リ・イマジネーションしていると言える。
この作品の主人公となっているドイツのロボット刑事ゲジヒトは、原作では中盤あたりであっさりやられてしまうのだが、今回はゲジヒトがPLUTOの裏のキャラとして鍵を握っているようである。
そして、PLUTOを取り巻く陰謀はゲジヒトの消された過去の記憶とも直結して、さらにはボラー調査団とも直結しているようである。
謎解き的な要素もかなり普段に盛り込まれているようである。
そして、アトムが死んだということは、原作をなぞれば天馬博士が登場し、10万馬力を100万馬力に改造して復活すると考えられるのだが・・・
「20世紀少年」と一緒に目が離せなくなってしまった作品である。