須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

475号 あの佐藤ゆかりが、小杉隆の後ガマとして東京5区から衆院選出馬へ!

2008-01-21 | 記 事
★あの佐藤ゆかりが、小杉隆の後ガマとして東京5区出馬へ!

まあ、自民党内のことだぜ、といってしまえば、その通りだ。が、ホント面白いじゃないの。政治の実態がよくわかる見本みたいな動きでもあるしね。

先週末からテレビ・新聞で、衆院岐阜1区で自民党に復党した野田聖子(47)と公認問題で争っている郵政選挙の刺客“ゆかりタン”こと佐藤ゆかり(46)http://www.y-sato.org/activity/index.htmlが、不出馬表明した小杉隆(72)の選挙区である東京5区(目黒区、世田谷区の一部)に鞍替えされる、と報道されているのは、すでにご存知の通りだ。

佐藤ゆかり自身は「まだ、党本部から正式に何もいってきていません」とコメントしていた。しかし、衆院選をすべて取り仕切る自民党選対委員長・古賀誠が、1月19日に古賀の地元の福岡で講演して、
「野田氏を岐阜1区で公認する。勝てる候補者としては、一馬身、野田氏のほうがリードしている」と断言した。そして、佐藤については「ちゃんと嫁ぎ先を決めて、発表したかった」と述べたが、佐藤を東京5区での公認に向けて調整を進めると発言した。したがって、目黒・世田谷の自民区議や都連の連中がガタガタいっても、これで決まりだろう。

★小杉は妻の借金で、1年前から“死に体”だったよ!

次回の衆院選で、佐藤が東京5区に鞍替えするのではないか、と最初に記事にしたのは「週刊新潮」で、もう1年前になる。小杉の妻・敬子夫人が、14億円の借金(のちに総額22億円といわれた)で自己破産を申請したのが、その1か月前の2006年12月中旬だった。(詳細は、このウィークリーニュースの391号、391号参照)
小杉が出席した目黒雅叙園での5区の自民党総会に、債権者が大勢押しかけて「カネを返せ!」と大騒ぎ。

敬子夫人の借金の連帯保証人には、小杉の私設秘書がなっていて、小杉に法的な責任はないとはいえ、カネを貸した支持者は、「元文部大臣・小杉隆」を信用したからで、小杉自身に貸したも同然だった。こんな状態で衆院選を戦えるわけがない。すでに死に体だった。不出馬表明まで1年かかった。が、いずれ引退するのは目に見えていたよ。

1年前、「週刊新潮」が記事にするとき、ぼくは取材をうけた。で、小杉夫人の借金問題や地元の小杉の評判を話した。まだ野田は復党を許されていなかったが、いずれ復党したら、野田vs佐藤の公認争いがもっと激しくなる。が、それを解決するには、佐藤を東京5区に鞍替えするのが一番だ、という話もした。
むろん、「週刊新潮」も独自取材をして記事にしたのだ。けれど、その時点で自民党本部は真剣に、佐藤を東京5区に鞍替えさせることを考えていたわけではなかった。それが1年後には、瓢箪から駒ではないが、ホントになっちゃうのだ。
所詮、政治とは、そんなもんだけどさ。

★悪人・古賀誠が、野田聖子に義理を果した!

野田は、古賀誠の子飼いで、もともと古賀は郵政民営化に反対で、さんざ野田らを民営化に反対するように煽った。しかし、肝心な郵政民営化法案を議決するとき、古賀は議場をでて棄権。どういうこっちゃ!
けれど、野田は反対したため、郵政解散の選挙では公認されず、当時の総理・小泉が、野田に刺客としてエコノミストの佐藤を送り込んだ。が、小選挙区の選挙では野田が勝ち、佐藤は比例区で復活当選した。

福田政権になって、古賀が選対委員長に就任して、それまで幹事長の権限だった公認問題はじめ選挙すべてを取り仕切る権限を手中にした。その結果、古賀は野田を公認して、佐藤を鞍替えすることで、野田に対する義理を果すことができたわけだよ。
古賀が、“自民党の三悪人”といわれた頃、野田のことを盛んに「将来の女性総理の器だ」なんてヨイショしていたものだ。2人の間には、いったい何があったのかね。

“自民党の三悪人”とは、昨年の安倍政権の頃、イベントでぼくが鈴木宗男と一緒になったとき、鈴木宗男が「私と野中(広務)さん、古賀誠さんの3人は“自民党の三悪人”といわれ、3人だったから力があった。野中さんには子分を持たないが、私は20人も30人も国会議員の子分がいた。いまや自民党内では、古賀さん1人だけで、だから何もできないんですよ」って、うまいことをいった。
でも、現在の古賀は、国会議員にとっては最重要な選挙万端を取り仕切る権力を手にした。で、ゆかりタン・佐藤を岐阜から追い出し、意中の野田の公認を早々と決めたのだ。
★小泉チルドレンの大塚拓、猪口邦子はなし!民主・手塚は強がっているが!

次回衆院選で、佐藤ゆかりの東京5区から立候補が決まると、「あちゃー、困った!」って、泣きを入れる連中が何人もいる。
まず、郵政選挙で、比例区の自民党東京ブロックで当選した“小泉チルドレン”の衆院議員・大塚拓(34歳、http://www.otsukataku.jp/)だ。慶応大学卒、三菱銀行に就職。その後、アメリカ留学して、ハーバード大学大学院卒。大塚は、昨年秋頃から小杉の後ガマと狙って、目黒・世田谷の自民党系の集会に積極的に顔をだしていた。大塚を引き連れて歩く区議、都議連中もいたそうだ。だもんだから、大塚は小杉の後ガマは間違いなしと期待していたんじゃないの。

大塚は、身長185cmもあるノッポでカッコいいけど、演説、しゃべりはイマイチだとか。当然だよ。比例区で当選したのだから、選挙で自分のために演説をしなかったのだ。でも、おばちゃんたちには「あら、イケメンでカッコいいわ」なんて人気があるそうだ。
でも、ゆかりタン公認となれば、行き場がなくなるよ。やはり小泉チルドレンの猪口邦子も、東京5区を狙っていたと噂になったが、それもパーだよ。

佐藤が東京5区から出馬すれば、いま落選し浪人中の民主党の手塚よしお(41歳、)との戦いになる。手塚は、前回の郵政選挙で、小杉に大差をつけられ落選した。
今朝(1月21日)の「スポーツニッポン」紙が、「“ゆかり議員ウエルカム”東京5区前回敗れた民主・手塚氏リベンジへ闘志」という記事を載せているよ。手塚は「佐藤ゆかりさんのような小泉チルドレンとの対決は、05年の選挙のリベンジにはふさわしい」と強がりのコメントをしている。

★目黒区議会議長室に、「佐藤ゆかり」の名札がついて胡蝶蘭が!

もっとも手塚にとっては、大塚拓よりも佐藤ゆかりのほうが戦い安いと、タカをくくっているのだろう。大塚は、デブ系で小柄の手塚なんかよりも、ノッポで見栄えがする。
また、学歴・経歴も、手塚は早稲田大学卒で定職につくことなく都議、衆院議員になったのに較べて、大塚は学歴・経歴にハクがついている。手塚は若さを売りにしているが、大塚のほうが7歳も若いし、それも通じない。

まあ、手塚は、自分は知名度があると思っているかも知れないが、ただデカイ顔のポスターとべたべた貼っているだけだよ。手塚のホームページ(http://www.t440.com/t_diary/index.html)の「独り言」というコラムを読めば、とうてい衆院議員の器じゃないのがわかるはずだよ。
佐藤ゆかりの全国的な知名度に較べたら、手塚は足元にも及ばない。

ゆかりタンが東京5区から出馬すれば、目黒区議会議長の雨宮正弘・自民区議なんか大喜びじゃないのか。昨年の区議選で、佐藤ゆかりは雨宮を応援した。で、その後、雨宮が議長に就任したとき、お祝いに胡蝶蘭を贈った。いまだに議長室に「衆議院議員 佐藤ゆかり」の名札がついた胡蝶蘭が、議長室に飾ってあるのをぼくは見たよ。

最近の衆院選なんざ、自民も民主も空に舞うタコと同じだ。風だけが頼りだよ。
自民も民主も、こりゃダメだという人たちにも、東京5区の衆院選をめぐる争いは、まだ当分楽しめそうだよ。(文中敬称略)
1月21日午前11:05更新

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