須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

561号 防衛省「国際平和協力センター」建設中止&政務調査費返還訴訟で勝訴第2弾!高裁判決の重要部分

2009-10-05 | 記 事
★目黒区民に朗報!防衛省「国際平和協力センター」が建設中止へ!

今朝(10月5日)の東京新聞が、いま目黒区民が大いに心配し、不安に思っている「国際平和協力センター」(猛毒の放射性物質プルトニウムが保管されている中目黒の防衛研究所と同じ敷地内に、建設予定の自衛隊海外派遣のための研究施設)の建設を、無駄な箱物として、中止することになりそうだと記事にしている。こんな朗報はない。

東京新聞の記事にあるように、自公政権のとき、公明党が主導権を取って、この施設建設が進められてきた。
まずは、東京新聞の記事をご一読ください。

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防衛省『中止』警戒 
国際平和協力センター 32億円・箱もの無駄?
(2009年10月5日 朝刊)

民主党中心の新政権が、「アニメの殿堂」と揶揄(やゆ)される「国立メディア芸術総合センター」(仮称)の建設中止方針を打ち出す中、防衛省は「国際平和協力センター」(同)の行方に気をもんでいる。前政権時に「公明党への追従」(幹部)で建設が決まったとされる典型的な「箱もの」だからだ。

国際平和協力センターは、東京都目黒区の自衛隊幹部学校に約三十二億円を投じて建設される。七階建ての一、二階に広報展示エリアがあるものの、大半はホールや会議室などの空間ばかりだ。
防衛省は設置の理由を「自衛隊が参加した海外活動について、教育・研修、広報を実施する」と説明するが、静岡県御殿場市の陸上自衛隊駒門駐屯地には国際活動教育隊が置かれ、全国の隊員を対象に海外派遣へ向けた教育・訓練を行っている。

また、東京都練馬区には陸自広報センターがあり、イラク派遣や国連平和維持活動(PKO)の様子が展示されている。陸自幹部は「既存の施設があるのだから、無駄といわれても仕方ない」と話す。
防衛省幹部は「高級幹部の意向で建設が決まった」と述べ、与党だった公明党に配慮した結果という。公明党は二〇〇四年に公表したマニフェストで「国際平和貢献センターの設置」を挙げ、ホームページで「進行中」と評価している。

国際平和協力センターは〇八年度予算で着手し、今年三月の入札で建設業者が決まった。しかし、防衛省は新政権の意向をみるとして、着工や資材調達を控えるよう求めた。政治家の顔色をうかがう「官僚主導」の危うさを官僚自らが認識していたことになる。
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★目的は“国際平和”でなく、毒ガスや武器の研修、教育だ!

こんな施設建設は、さっさと止めるのが一番いい。
今年の八重桜の満開のとき、目黒区民と目黒区議の有志たちが現地に出向いて、この建設予定の「国際平和協力センター」の敷地や完成図を見せてもらい、防衛省の担当者から説明を聞いた。ぼくも参加した。
すでに工事のはじまっていた別の施設もあり、工事を落札した業者の名札が貼ってあった。が、公明党と近い業者だよ、と建設業界に精通している見学した知人が解説してくれた。

施設名に“平和”とついているが、平和であれば、なにも自衛隊が海外まででかけていくことはない。海外に派遣された自衛隊が、殺されないように、あるいは身を守るために敵を効率よくやっつけることを研修、教育するためだ。
研修、教育対象は、あらゆる武器、兵器を含み、当然、毒ガス、核兵器だって対象になるはずだ。

記事にあるように、既存の施設があるのだから、カネもないのに32億円も使って、無駄な施設をつくることはない。着工や資材調達をまだしていないのだから、鳩山政権はすぐに中止を宣言すればいい。
インド洋での給油を継続しないとしている鳩山政権なんだから、海外での戦闘を研究する施設なんざ、中止しなかったら、高い支持率がガクンを下がるぞ。

★政務調査費返還命令の取消訴訟で勝訴・第2弾!東京高裁はこう判断した!

前号に続いて、「政務調査費を住民訴訟経費に支出することは何ら問題はない」として、ぼくが目黒区長・青木英二に、東京高裁で勝訴した政務調査費の返還命令処分の取消訴訟で、東京高裁(原田敏章裁判長、北村史雄裁判官、加藤謙一裁判官)の判決理由から重要箇所を紹介する。
東京高裁の判断は、一審(東京地裁)の原告、控訴審(東京高裁)の被控訴人であるぼくの証拠に基づく主張を全面的に採用してくれた結果である。

以下の判決文で、控訴人とは区長・青木であり、被控訴人は須藤甚一郎、つまりぼくである。
「被控訴人は本庁舎跡地等の売却に関する別件住民訴訟を含めて多数の住民訴訟を提起・追行しており、被控訴人においては、これらの訴訟を通じて、目黒区の執行機関によりなされる主張等によって目黒区の方針や主張や考え方を知り、また、証拠調べによって証拠資料を入手し、そして、これらの各種資料をその後の議会での審議等に使用しているのである(区議会における質問、ホームページ及び広報紙等による区民への情報提供、等。

なお、ホームページや広報紙等による区民への情報提供の際に名誉毀損や侮辱にわたらない記載に配慮する必要があることは当然である。)。
また、住民訴訟が提起されることにより、それをきっかけとして区政の問題が議論されることにもなり、改善につながることもあり、マスコミを通じて報道される住民訴訟の提起・追行の影響力は決して小さくないものと認められる

★住民訴訟で入手した資料を議会の審議で使用し、議会の活性化に!

被控訴人が提起・追行した本庁舎跡地等の別件住民訴訟についても、被控訴人はこの訴訟で入手した各種資料をその後の議会の審議等で使用しており、これは、ひいて、別件住民訴訟の提起・追行が議会の活性化を図ることに役立ちそれが直接及び間接に議員(被控訴人)の議会活動に反映・寄与していることを示すものである。

そして、そもそも住民訴訟は専ら住民全体の利益のために行われるものである。そうとすれば、別件住民訴訟の提起・追行は政務調査費の使用が許される「議員の調査研究」ないしは「議員が行う目黒区の事務に関する調査研究」に当たるものときうべきである。

したがって、平成17年度において交付を受けた政務調査費の一部を別件住民訴訟のために使用した行為すなわち本件各支出は、政務調査費制度の趣旨に反するものとはいえないというべきであり、違法な支出であるということはできないものである。」

★住民たる議員は、政務調査費を住民訴訟経費に使用できると判断!

「控訴人は、「住民訴訟の提起・追行は住民の立場で行うものであり、「議員の調査研究」は議員の資格で行うものであるから、住民訴訟の提起・追行は「議員の調査研究」とはなり得ないものである。」旨、「住民訴訟の提起・追行は一住民としての個人の行為であるから、政務調査費を使用できる対象とはならないものである。」旨を主張する。

しかし、上記のとおり、住民訴訟の提起・追行は政務調査費の使用が許される「議員の調査研究」ないし「議員が行う目黒区の事務に関する調査研究」の一環として行い得るものであり、それが一住民の立場でも行われ得ることを理由に、議員(住民たる議員)が行う住民訴訟の提起・追行は政務調査費の使用が許される「議員の調査研究」ないしは「議員が行う目黒区の事務に関する研究」ではないということはできないから、控訴人の上記主張は採用できない。」
(10月5日午後6:15更新)


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