須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

537号 遂に目黒区で患者!& レストラン「シェ松尾」の改修469万の監査請求、不当な「棄却」

2009-05-22 | 記 事
★ついに目黒区でも新型インフルエンザの感染者がでた!

すでに報道されている通り、ついに目黒区内でも新型インフルエンザの感染が確認された。今朝(22日)の朝日新聞は、このニュースを第1面では記事にしなかった。つまり、それほど蔓延してきたということだ。
読売新聞は、第1報をつぎのように伝えた。

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新型インフル、東京で2例目確認…米から帰国の36歳女性

東京都は21日夜、米国から19日に帰国した目黒区の舞踏教師の女性(36)が新型インフルエンザに感染したと発表した。

女性は同行者と2人で6~18日、米フロリダとサンフランシスコに滞在、19日夕にノースウエスト航空27便で成田空港に帰国した。家族の車で帰宅後の20日に39・3度の熱が出たため発熱外来を受診。熱が続き、21日の詳しい検査で判明した。21日夜の体温は36・8度。都内での感染者確認は2人目。

京都市は21日夜、同市内の小学生男児(10)が新型に感染したと発表した。京都府内での感染は初めて。22日午前0時半現在の国内の感染者は検疫で見つかった4人を含め、大阪、兵庫、滋賀、東京、神奈川、京都の6都府県で計292人。
(2009年5月21日23時39分 読売新聞)
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★目黒からの通知は2度とも後の祭りだった!

21日23時03分、目黒区議会事務局からぼく宛に、「目黒区内での新型インフルエンザ患者の発生について(情報提供)」というFAX(A4判1枚)が届いた。
内容は、「本日午後9時30分、渡航歴のある目黒区内在住の30代の女性が新型インフルエンザに感染した疑いがあると、東京都から連絡がありました。
(テレビニュースでは感染が「確認された」と報じられていますが、現時点では「疑い」の状況です。)
詳細につきましては、午後10時30分からの東京都の発表により明確になります。詳細が把握できましたら、改めて、全議員あてに通知する予定です」というもの。

事務局職員は、深夜までご苦労さん。しかし、通知の仕方に問題がある。
「目黒区内での新型インフルエンザ患者の発生について(情報提供)」として、“患者”とハッキリ書いているのに、(現時点では「疑い」の状況です。)とは、どういうことだ。また、「詳細につきましては、午後10時30分からの東京都の発表により明確になります」というFAXを午後11時03分に送ってくるのは、どういうことだ。後の祭りだよ。こういう緊急文書は、作成した時間を書いておかないとダメだ。

そのあと22日0時12分に、「目黒区内での新型インフルエンザ患者の発生確認について」というFAXが届いた。これも「午後11時から区長の緊急会見を2階大会議室で行う予定です」と、またしても後の祭りだよ。
こんなやり方をしていると、肝腎な連絡で大きな事故のつながりかねないよ。

★目黒区在住の36歳の女性が患者!

一緒に送られてきた東京都感染対策本部の文書によれば、
患者は、目黒区在住の36歳の女性。職業は自由業。21年5月6日から18日まで米国フロリダ、カリフォルニアに滞在し、19日に帰国。5月20日未明より39.3度の発熱などと書かれている。
同様の内容が、目黒区のホームページに記載されている。

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目黒区内での新型インフルエンザ患者の発生について
更新日:2009年5月22日

目黒区内で最初の新型インフルエンザ患者1名が確認されました。
患者は36歳の女性で、5月6日から18日までの間アメリカ合衆国に滞在し、19日に帰国しました。

20日に発熱したので同日及び21日に発熱外来を受診し、迅速診断キットでA型陽性が確認されたため、東京都健康安全研究センターで検査を行った結果、新型インフルエンザに感染していることが確認されました。
今後の対応として、患者の行動の調査、患者との濃厚接触者の健康調査や外出の自粛などにより感染拡大の防止を図ってまいります。
区民の皆様に置かれましては、国や東京都、目黒区から発表される正確な情報に基づき、冷静な対応をお願いします。
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★シェ松尾の改修工事469万円の監査結果は不当な「棄却」!

昨日(5月21日)、ぼくが3月23日に提起していた「めぐろ区民キャンパス」内にあるレストラン「シェ松尾」の改修工事を目黒区の公金469万円余を使って行い、区に損害を与えたため、区長・青木英二に補填するよう求めていた住民監査請求の監査結果がでた。

監査結果は、結論として「区長に対し、区が被った損害を補填するために必要な措置を求める請求人の主張には理由が無いものと認め、本件「目黒区職員措置請求」は棄却する」という、まったく不当な監査結果だ。地方自治法の規定に基づいて、住民監査請求では埒(らち)があかなかったので、30日以内に住民訴訟を起こして、区長・青木に「シェ松尾」の改修費に関する違法な支出の補填を求める。

住民監査請求書の全文は、このウィークリーニュースの529号(4月2日)で紹介しておいた。
その内容をざっとおさらいしておこう。

★最少経費、最大効果の地方自治法に違反した支出だ!

この問題は、昨年の予算特別委員会で、まずぼくは問題提起して追及した。テナントである一私企業の経営改善のために行う、店内の改修工事の費用を目黒区が負担する根拠はまったくないのだ。
目黒区は、「シェ松尾」の要望を認め改修工事を行ったのだが、目黒区とテナントの「シェ松尾」は、そのような契約はしていない。本来、「シェ松尾」が自社で負担すべき改修工事費を目黒区が支払ったのは、違法である。

違法の根拠はこうだ。
区長・青木は、本件工事の契約を4,693,500円で締結し、目黒区契約担当者として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反だ。
また地方財政法第4条1項で定める「地方公共団体の経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」にも違反する。

★監査委員が「違法とするのは当たらない」としたのが違法だ!

監査をした目黒区監査委員は4人で、以下の通り。大竹勲(元区職員)、松島達雄(税理士)、磯野弘三(自民区議)、鴨志田リエ(民主区議)の4監査委員。この4人は、区長・青木が選任して議会が同意する手続きで決まった。が、われわれ独歩の会は反対だった。

監査結果の「判断」でこう述べている。
「本件工事を決定し、経費を負担した区の一連の判断は、社会通念に照らし、著しく妥当性を欠くものとは言えず、行政の裁量権の範囲を逸脱し、又は、これを濫用したものとして違法とするのは当たらない。
したがって、本件工事費を(株)シェ松尾が自己負担すべきものとする請求人の主張には理由がないと認められる」

おかしな判断だよ。ハッキリ「適法(合法)である」とはせずに「著しく妥当性を欠くものとは言えず」としているのは、一部妥当性を欠くことを認めている言い方だろう。が、実際には、“著しく妥当性を欠き”違法なのである。
監査委員が「違法とするのは当たらない」と判断した根拠をみてみよう。

予算委員会の田崎企画課長の答弁では、建物も躯体の工事は区がやることになっていて、改修工事を内装ではなく、躯体の工事ということにして行ったと述べた。ところが、監査結果ではシェ松尾は、区の施工した内装をそのままの状態で営業してきたとしている。これでは、田崎課長がまるっきり嘘の答弁をしたことになる。そんなバカな!

★民間企業の尻拭いをなぜ自治体がせねばならないのか!

また、シェ松尾は同社の他店舗と比べて安価な料金で提供している。しかし、売り上げは年々減少してきているというのだ。
他店舗と比べて安価というが、松涛や天王洲の高級店と違って安いのは当たりまえだよ。立地条件も料理の中身も違うのだ。そんなことが改修工事費を公金で出す理由になるものか。

あきれるのは、売り上げが年々減少してきているのが、どうして区が税金で改修工事をしてやる理由のなるのだ。売り上げが減ったのは、シェ松尾の自社責任だよ。売り上げの減った企業の工事に税金を遣うなんて、違法そのものだよ。なぜ、民間企業の尻拭いを自治体がしなければいけないのか。そんなこともわからないで、監査委員をやっているとは、おそれいるよ。

監査結果の判断で、もっともらしくこんな的外れなことをいっている。
「今回の改修工事が、シェ松尾からの提案が発端だったとしても、区としての将来の施設運営を見据えた上で、区民サービスの向上につながる必要な改修を行ったものであると判断できる」

★「よくいうよ!」いずれも理由にならないことばかり!

まったく「よくいうよ!」と情けなくなる。シェ松尾の言いなりに公費で工事をやり、そうであっても、「将来の施設運営を見据えた上で」と必要な改修を行ったというのだ。シェ松尾が、わずか入居5年して改修してくれといい、区はそれに従って、シェ松尾のために改修したのだ。改修後もシェ松尾が使用する。
「将来の施設運営を見据えた上で」ではなく、いまのシェ松尾のために改修したので、将来はどの業者が使用するかわからないじゃないか。

「本件工事は、パーシモンホールをはじめとするキャンパスのイメージの向上に役立つものと認められ、その結果、区民の利用しやすいメニューが導入され、さらに利用者の増加が今後のレストラン経営の安定に資することも見込まれる」と監査委員は判断する。
冗談ならともかく、そうじゃない。こんな判断をされると、目黒区はシェ松尾の大株主ではないのか、と疑いたくなる。たかがレストランの改修工事が、どうしてパーシモンホールをはじめキャンパスのイメージ向上になるのか。こんな理由を並べたところで、469万円余の公費を遣ってシェ松尾の改修工事をやる根拠にはならない。

★責任は理事者の答弁ではなく、教育長・大塩と区長・青木だ!

監査結果は最後に、「所管部局への意見・要望」として、「理事者の答弁が請求人に不審の念を抱かせていることは想像できる。今後、議会という公式な場での発言であることに留意し、十分な説明責任を果たすよう努められたい」としている。これは詭弁といっていい。

答弁した理事者は、教育委員会の田崎企画調整課長と小笠原次長だ。が、そのふたりが、不審を抱かせる答弁したのが、あたかも原因のようにいう。けれど、実際にシェ松尾の改修工事を公費でやった責任は、教育長・大塩と区長・青木にある。しかし、教育長・大塩は財務会計行為の権限がないので、監査請求や住民訴訟の対象にはできないのだ。区長・青木は、改修工事の予算を計上し、執行したのだから、逃げることはできないのだ。
住民訴訟で違法な支出を補填させねばならない。
(22日午後3:25更新)

*校庭の人工芝化に関して、新しい動きがあったので、次回にお伝えする予定だ。


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