新米☆夫婦求道の旅

広島に帰還した新米夫婦の新たなる挑戦いざ開幕!

サンティアゴへの道 望

2010-03-28 22:51:23 | 日記
2月22日から、3月26日までの巡礼を終えました

約500キロ

最初は、ちみょん自身モチベーションが低く、その上初日、嵐の中を30キロ歩いたのが響き、彼女が足を痛めたのでなかなか前に進むことができず、二人一緒にいながら僕もイライラしたりして、すれ違いの巡礼期間でした

しかし、巡礼を始めて10日過ぎたある日、どうしても足が痛くて歩けないとちみょんが言って来て、その日だけ、病院のある町まで22キロ、最初で最後のタクシーに乗りました

その日ゆっくり二人で休養して、お互いの気持ちを話し、心も体も癒された状態からまた歩き始めました

そうか、このように僕らは僕らのペースがあるんだと、気づいた

また、僕が彼女をきちんと理解しようとしていなかったことに気づきました

この旅行は、ベトナムから始まり、いろんな国を回ったが、よくちみょんとはすれ違った
そのときは本当に淋しかった

世間で言う「成田離婚」とは、なにかと思うと
多分このように旅行中は特にパートナーが自分とはまったく違う人であることに気づけるチャンスでもある
しかし、そこですれ違いが起こりやすい

一般の新婚旅行は時間的に期間が短いので許しあうことも話し合うこともできず、すれ違ったまま日本に帰ってしまうことなのかなと思った

僕らは何度もすれ違ったが、結果的に何度も許しあえたと思う

そのための時間だったように思う



リフレッシュしてそこから平均一日20キロ
午前10キロ午後10キロと、ほかの巡礼者と比べたらとても遅いペースでゆっくり歩きました
平均時速3キロ~4キロ
ほかの巡礼者にどんどん抜かれていくスピード
僕らは僕たちのペースでいいんだ
と、ゆっくりゆっくり歩く

レオンで出会った日本人の大場くん

彼は元チャリダー、自転車旅行をこの上なく愛した人でした
自転車旅行の醍醐味は、下り坂だったようです

しかし、四国のおへんろを彼は体験して歩く醍醐味を知ったようです

歩くということは、飛行機よりも、新幹線よりも、電車よりも、車よりも、自転車よりも、歩く方が、その場をゆっくり進むので、通り過ぎながらも、そこに何があったか「知る」ことができる

といえばいいのか

そんな風に思えた



それに、遠く離れた土地を「歩く」とは
日本の分刻みの生活から離れ、日本の社会がどのように進んでいるかの情報も知らずにいるので、自分たちが「歩く」という行為をしなければ、すべて止まってしまう
自分たちが歩かないと進んでいない、ということだった

日本の生活では、自分が何もしなくてもいろいろなことが勝手に進んで行き、自分が何もしなくても進んでいる錯覚になる

しかし、この巡礼は、二人が歩かなければ何も進まない

これが僕にとってすごい体験だった

なので、いつもちみょんに「先があるって良い事だね」と呪文のように唱えていた

最善の矢印もなく、先も見えないことがほとんどの日常生活の中

この巡礼路カミーノは、黄色い素敵な矢印がいたるところに、そして、どこまでもどこまでもいつまでもいつまでも続く道があり、そしてその先にはゴールがある

サンティアゴまで何百キロも前なのに、道を間違えたら、村や町の人が必ず「こっちじゃないよ、そっちだ」と声をかけてくれたり、宿泊所のアルベルゲでは、本当に親切に迎えてくれたり、道行く人や、BARのおじさん達が、「ブエンカミーノ」と声をかけてきてくれたり、車のクラクションでしょっちゅう応援までしてくれた

午前と午後では景色や天気が変わり、10日後には気持ちも変わり、20日後には標高や言葉までも変わり、山を降りて30日後には季節までも変わっていた

素晴らしかった

その一言

そして、この巡礼を必ず、引きこもりや、社会に出にくい生きづらい人たちと歩きたい
と、心から思う

今から出会う彼らに一緒にその感動を分かち合いたいと思う

そして、いつかもう一度ちみょんとまた歩きたいと思う

それよりも、あれしたいこれしたいと、わがままばっかりの亭主に必ず一緒にいて来てくれた事に、今更ながら感謝したい

そして、ちみょんと僕のお父さん、お母さん、このような期間を許してくれて本当に感謝しています


僕は、また明日からでもまた巡礼路のサンティアゴ・デ・コンポステーラ・カミーノを歩きたいと思っています

ということで、矢印とゴールが実は存在する日本の生活の「カミーノ」が今から始まるんですね



サンティアゴの町への入り口に虹がかかりました




サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂



到着!!!



サンティアゴコンポステーラの中



巡礼者を迎えるミサの様子



巡礼中であったアントニオおじいさん



僕の花嫁さん



僕の奥さん



僕の新妻



僕の最愛の妻



ヤコボ像と僕のちみょん



僕の…ダレ??????





サンティアゴ到着!!!

2010-03-28 01:05:09 | 日記
2010年3月26日午前、サンティアゴ・デ・コンポステーラに無事到着しました。
実は前日には、5キロ離れたモンテ・ド・ゴーソ(歓喜の丘)という場所に到着しており、当日の12時から始まるミサにあわせてサンティアゴ入りしたのでした。

最後の日、朝からまるで初日を思い起こさせるような雨と風。
雨に始まり雨に終わるね~、と懐かしいやら何だか不思議な気持ちで一歩一歩歩きました。
サンティアゴの町に入って、次第にカテドラルが見え始めたころからもうダンナ様はうるうる嫁もドキドキ。
新米夫婦がいざ教会の前に立った瞬間、これでもかと空いっぱいに荘厳な鐘の音が鳴り響き、雨はぴたりと止み、それはもう本当に感動的でした。

サンティアゴが近づくにつれ観光客がどんどん増えてきて、観光バスで教会に乗り付ける人々が多い中、どこかである見たことのある大きなリュックを背負った巡礼者の顔を見つけるたびに、とてつもない親近感と嬉しさでお互い感無量。お互いよくここまで辿りついたね、と労をねぎらいあいました。

コンポステーラという巡礼証明書を無事手に入れ、12時からのミサに参加。
今日サンティアゴに到着した巡礼者たちは、どこの国の人間でどこから歩いてきたのか、ひとりづつ読み上げてくれ、
「BURGOS……,KOREA,JAPON!」と聞こたときにはまたもや感動。

ボタフメイロと呼ばれる巨大な御香もしっかりすごかったです。
ボタフメイロは、通常見られることはないそうですが、今年は聖ヤコブの年ということで毎日行われているそう。超巨大な香炉が数十メートルはある天井から吊り下げられ、それがグオーーーーーン!とすごい勢いで聖堂いっぱいに頭上を舞い、大迫力でした。
町中で、聖2010年、とよく見かけます。そんな特別な年に巡礼していたことを改めてありがたく思いました。



33日間、約500キロ。
カミーノを歩き始めた最初は、毎日が苦しくて、歩くことが辛くて泣きながら歩くなどというどうしようもない失態をこの歳で露呈するなど、自分では収拾のつけられないことだらけの嫁でした。何よりも、そんな嫁を連れて、リュックを二つ背負って、よくもまぁあんな雨風の中を望さんは歩いたものだと…、今頃になって改めて夫を讃える有様です。
なぜこんなに毎日歩かなきゃならないのか。巡礼するにあたってスタートからして間違っているとしか思えない疑問からなかなか抜け出せず、二人にとって苦しい日々が長かったように思います。
この巡礼が二人にとってどれだけの意味があるのか、どうして乗り越えたいと思うのか。毎日毎日、望さんが横で考え続けてくれました。途中、もうここで歩くのやめて日本に帰ろうか、と望さんに言われて、自分の本音がどこにあるのか分からなくもなりました。歩く最中、歩き始める朝、歩き終わった夜、なんとはなしに生きてきたこれまでの自分の人生と重ねることがことが多くなってきました。こんなモチベーションじゃダメだとへこんだり、でもこの一歩一歩を踏み出しているのは他の誰でもない自分の決断の結晶じゃないかと思えたり。

ずいぶんと煩悩の多い嫁のサンティアゴ巡礼でしたが、結局こうして歩き続けられたのは24時間体勢の夫の励ましと、カミーノの道すがら出会った人々の励ましと、果てしない大地と飲み込まれそうな空のでっかさと、全部ひっくるめてその向こうにいる神さまの意思と。

といいますか、それもこれも、嫁は自分の力なんてはなっから信じてなかったですもんね!なるべくしてなったんですね~!!!いや~こんな嫁が歩けたんですもの、誰にだってできちゃうんですねサンティアゴ巡礼なんちゃって。

終わってしまえばすべて良し!
感謝と感動と、言いようのない想いを伝えに、そろそろ日本に帰る日が近づいてきました。
4月2日、関西空港15時着アシアナ9114です。



出発前の断髪式??
悟りを開いたガンジーのような望さん。



なぜなら、嫁の大失敗…
さあ!サンティアゴへ出発だ!



巡礼出発の町、ブルゴスはずっと雨。





初日の朝。まだカミーノの現実を知らない余裕の二人。



一夜明けた二日目。
一転して、小児病棟の子どもと看護士のお兄さん。





空と大地が近い!!!



天気の良い日はピクニック気分でランチ♪



カリストヘリスのアルベルゲ。体育館みたい。



やっぱり快晴が一番!
中盤からはずっと晴れの日が続きました



過疎化のすすむ、小さな村もたくさん通りました。



巡礼中に行き倒れた人々のお墓にもたくさん会いました。



犬と牛とひつじと馬、しょっちゅう足をとめてしまいます。
ていうか、これ誰!?(望)



それにしても、ほんとに毎日よく歩きました笑。



あんな道やこんな道。どれも同じ長~い一本道に思えるけれど、その時々で見える表情は様ざま。





山登りは2回。
イラゴ峠とオセブレイロ峠。きつかったけど景色が最高でした



山の上は雪!



沢山の巡礼者達との出会いに感謝!





ポンフェラーダのお城にて。観光もしっかりしてきました







いつもふたりの前にあった矢印。
これからの人生には、もうこの矢印はなくなるのかと思うとちょっぴり不安?



歩いていくうちに、季節がどんどん変わって、桜が咲く季節になりました。



寒さにうつむいて歩いていたのが、花や草木に目がいくようになり、自分達も成長したな~なんて思います。
この巡礼がこれからの二人にとっていろんな意味での礎になりますように。

この巡礼を支えてくれた沢山のひとや自然や神さまに、感謝をこめて。
ありがとう。



66km!!!

2010-03-21 22:14:09 | 日記
Renraku dekizuni moushiwake arimasenn.
Genzai,shinmaifufu ha , Santiago kara 66km no chisana machi ni touchaku shimashita!Ato mou chotto!!!

3gatsu matsu kara 4gatsu no atamaniha Nihon ni kaerimasu.

toriisogi seizon kakuninn madeni!










サンティアゴ巡礼 12日目!

2010-03-06 01:42:20 | 日記
お久しぶりです!
久々のブログ更新です。日本語の使えるPCを置いているアルペルゲにようやく出会いました。田舎町を巡っているので大体の町では日本語の使えるパソコンがありません。ちなみに重いので自分たちのノートPCは持ち歩いていません。

サンティアゴ巡礼に出てからはや12日目。あっという間です。
現在、約200キロ歩き、レオンという大きな街の一歩手前というところです。
今回の計画では526キロの道のりなので、折り返し地点までもう少しというところでしょうか。

サンティアゴ巡礼路は、「カミーノ・サンティアーゴ」と呼ばれており、サンティアーゴへ続く魂の道、という意味だそうです。
道行く人々は、別れ際にかならず、「ブエン・カミーノ!」(良い旅路を、とかそういう感じでしょうか)と声を掛け合います。

私たち巡礼者は、ピルグリノ、と呼ばれ、皆リュックにホタテ貝をぶらさげているので、一目で巡礼者だとわかります。行く先々の村の人たちは、巡礼者だとわかるとすぐに、宿泊施設の場所を教えてくれたり、また巡礼路の方向を指し示したりしてくれます。

何世紀も続くこの聖なる巡礼には、様々な歴史と文化が長きに渡って息づいているのを感じます。カミーノ・サンティアーゴと呼ばれる巡礼路沿いには、数キロ間隔で小さな村が点々とあり、「アルベルゲ」と呼ばれる巡礼者のための宿舎が用意されています。オスピターレと呼ばれるボランティア精神にあふれた人々が、一泊3~8ユーロという破格の値段でベッドを提供してくれるのです。どこにいっても暖かく迎え入れられ、疲れをねぎらってもらえます。巡礼者同士で食事を作ったり、キッチンのないアルベルゲでは、近くのレストランが巡礼者用メニューを必ず格安で用意してくれていて、、、とにかくどこへ行っても暖かく歓迎してもらっています。

とは言っても今は冬。サンティアゴ巡礼が一番賑わうのは夏だそうで、中には予告無しに目的地のアルベルゲが閉まっていたりと、慣れない歩き始めの頃は苦労もあったり。初日、予定を大幅にオーバーして30キロ歩かざるを得なかったのですが、後々に響いてしまう結果となりました…。しかもその日は、雨と強風とぬかるみの泥道。嫁は本気で泣きながら歩いたのでした!!!日は暮れてくるし見渡す限り360度荒野で先には全く町らしき明かりもなく…足は痛いし寒いし…ぽっかりと坂の下手に小さな町の灯りが見えたとき、新米夫婦は心から救われたのが昨日のことのようです。あぁぁ思い出すだけで悪夢のような初日です。

カミーノ・サンティアーゴは世界遺産に登録されているだけあって、場所にもよりますが整備が行き届いており、ほとんど一本道なのもありますが、黄色い矢印や、貝殻マークなどが行き先を延々と指し示してくれています。ずーっと、本当にずーっとそれらの道案内が何百キロも続いていることに静かに感動している新米夫婦です。迷子にはなりそうにないのが何より安心です

日本で出会ったことのない広大な景色はすごいです。
ひたすら平原で、地平線と空の境目に雲以外何も見えません。空がやけに低く感じられ、雲の流れる影に追い越し追い越されしていると不思議な気分になってきます。

足の痛みもここ数日ひいてきたので、歩ける距離も伸びてきました。
この先何が待っているかはわかりませんが、ともかく歩いてみようと思います。
歩いてさえいけば、いつかはきっとサンティアゴに到着する日が来るでしょう!