
『ロング・グッドバイ』 レイモンド・チャンドラー作/村上春樹訳 早川書房
近所の書店で平積みになっていた。
誰の目でも惹くであろう真紅のカバー。
私の目も例外ではなかった。
早速手に取ってみる。要は立ち読みである。
「村上春樹 訳」のゴチックに戸惑いを覚えつつ,しかしかすかな期待を胸に紐解いた。
「ノルウェイの森」の成功くらいは,ハルキストでない私ですら知っている。
が。故・清水俊二氏の訳に馴染んだ身には少しく重い。
書籍を支える左肩に疼痛が。
もとへ。文章がやや冗長に感じられたのであった。

私は世界88ヶ国語に通暁している。
ところがどういうわけか英語だけがからきしなのである。
それだけに英文作品は翻訳こそが頼みである。
その生命線とも言うべき訳文で,清水氏に一日の長があるとすれば,今ここで同書を購入する必然性は私にはない。
また,そのはしがきが40ページ近くを占めている。
ハルキストではない私にとり,これも購入を喫緊として感じられない理由の1つであった。
こうして私は,本書をそっと書棚に戻した。
当分手に取ることもないであろう。
2000円の支出が至難を極める身には,このような感想を抱くほか購入を断念する手立てがない・・・
私は心でつぶやいた。“Long Goodby” と。
というわけで,画像挿入の練習でした。
お休みなさい!