白い奴（３）

　白い奴の最後です．色々なタイプの白い奴が登場しましたね．でも，一歩譲ってＺまでです．
　ＺＺの登場で合体ロボットとガンダムのオンパレードになった時，私の次元ではなくなりましたから，それからは全く興味はありませんでした．私にとって，アムロとシャアが登場しないガンダムはガンダムでは無いのです．

　思えば，劇場用「機動戦士ガンダム」めぐりあい宇宙編のエンディングに流れるシーンでグワジン（だと思う）の窓にシャアのシルエットを見る事が出来ます．ああ，シャアは生きていた，Ｚで登場したクワトロバジーナはまさしく仮面を外した赤い彗星でした．百式に乗ったシャアも最後には作動不能になったのか宇宙空間を浮遊している姿がありました．シャアはきっと生きていると思えるシーン．いつの日か，赤い彗星は現れると信じていましたね．

　１９８８年，Ｚから数年後，初代ガンダムから９年の時を越えてついに登場します．それが「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」でした．既にアムロも２０代半ば，シャアも３０歳になり，青年将校からネオジオン総帥へと登りつめ，スペースコロニー群を一大帝国とするべく野望を持つ姿で現れます．独裁政治に未来等有り得るはずも無く，共感はしませんでしたが，社会人として裏と表を使い分ける姿とダブってしまい，それには共感を得たのでありまして，どちらかと言えばアムロ派だった初代ガンダムではありましたが，スッカリ，シャア派になってしまいましたね．アムロ，お前も少し大人になったら？　ってのが私の感想です．地球を昔に戻すなどと神にでもなったのかと思える発想には肯定出来かねますが，νガンダムを含め，敵味方のモビルスーツ達が入り混じって隕石落としを防ぎ，ストーリーは終わります．しかし，アムロ，シャアがどうなったか，それは謎のままです．きっと二人は生きている，そして再び姿を現すであろうと信じながら既に１８年が過ぎています．．．

　　　　　　　　　　

　干支があと一回りしたらリタイアする歳になり，ドップリ社会の醜いところを見過ぎてしまい，３０代で見た時の感覚とは違っていますね．ストーリーの幼稚さを感じる事もあります．でも，シャアの行動に，共感を得る事が出来るのは，ある意味，今の置かれている立場から，彼の行動への憧れも混ざっているのか？　と思っています．主人公はアムロなのか？　シャアなのか？　タイトルではシャアでしょうが，機動戦士ガンダムってなるとやはり，アムロなんでしょうね．ちなみに，私はμ（ミュー）ガンダムだとばかり思っていましたが，ν（ニュー）ガンダムだったんですね．ＤＶＤ付属のパンフレットで再認識でした．

　　　　　　　　　　

　ところで，どうしても納得行かない事が２つ．なぜ，ハサウェイにチェーンを撃たせたのか？　ブライトさんとミライさんの子供だぞ！　どう考えても不自然．というより許せん．　ちなみに小説だとチェーンのお腹に宿ったアムロの子が意識を持って語りかけるのです．既にニュータイプ？　劇場用作品は小説のストーリーを脚色しています．アムロがパパになるイメージは避けたのか，小説のままで良かったのではと思いますけどね．それとララァの存在．私はあのララァがシャアの心を支配しているってところはどう考えても理解に苦しみます．

　「それが判る者と判らない者がいるのだよ．」　後者である私は，シャアに怒られそうです．．．

　最後に，劇場公開を見た時は長期出張中でして，休日に出張先の映画館で一人見たのですけど，不思議と子供の姿はなく，同世代の初代ガンダムを見たであろう，ガンダムエイジが多かったのを記しておきます．思いは一緒だな，企業戦士達よ．なぁんて，チョット，たそがれたのでありました．

　まぁ，いい歳してガンダムを熱く語るってのはチョット気恥ずかしいのではありました．けど，ガンダムだけは，私にとっていくつになっても見ているでしょうね．また，数年後，違った見方で熱く語るかもね．

　「ララァ，私を導いてくれ．．．」