先日買った商品の部品がひとつが足りなかったので至急取り寄せてもらおうと家電量販店に電話した。電話に出た店員さん、部品が店に届いたら「とりあえず」お電話いたしますと言う。しかも二度三度「とりあえず」を繰り返す。「とりあえず」なんて言っちゃぁマズイでしょ、そういうとき、と思いつつ、どうも似たような言葉と間違って使っているような気もするな、などと考えている私。
「とりあえず」はここ数年ほんとうによく聞く。連発されるとちょっぴりイラッとくる。なんだか節操がないと言うか、場当たり的な受け答えにきこえる。あんの秀子さんの『日本語へんてこてん』では「とりあえず」を「アタマにつける現代版枕ことば」と呼んでいた。その代表例が「とりあえずビール」略して「とりビ」。
「とりあえず」には誠意がないと感じてしまう私のほうが古いのか。そういう私もつい「とりあえず」って言っちゃうことあるしなぁ。などと考えはじめると「とりあえず」問題があたまの片隅から離れない。「とり急ぎ」だったら問題なかったのではと気づいたのは数時間後だったか。
「とり急ぎ」と「とりあえず」、いやそっくり。そっくりだけど意味合いは違う。何より誠意が感じられる。とりあえず、「とりあえず」問題からは解放された