柿食えば～・・・

冬になると思い出す、嫌～な思い出

それは、『二重柿』

県内にある、あるお寺の庭の柿の木になるもので、柿の中にもう一つ柿が入っている、まさに二重になっている柿なのです。

察しが良い方は既に気づいたと思いますが・・・


そう、『子宝に恵まれる』と言われている柿なのです。

姑は、このテの話しが大好きで、まるっと信じちゃうタチで

逆に私は、こういうものはまるっきり信じないタチなんですね～







結婚して２年程経った頃。

義妹ちゃんから電話がかかってきました。

「母さんが二重柿持って行くと思うけど、気を悪くしないで。」

と。




なんの事かと思ったら。

この二重柿を干し柿にした物を、夫婦で一つずつ食べると子宝に恵まれると言われている。

そこで、姑が私達夫婦のためにそれを貰ってきたらしい。

義妹ちゃんは「プレッシャーをかけるような事をするな！」と止めたんだけど、

「そんなんじゃないのよ～。ただ、縁起物だから。」

と言っていたので、気にしないでね。

と、まあ、こういうことらしい。




なので、

「縁起物だから」と言うのなら、まあ、ありがたくもらっときましょう。

と思ったのが、間違いでした




姑曰く、
「かなり確実に効果があるらしいのよ！」

「義妹ちゃんも、これのおかげで子供ができたんだから！」





思いっきりプレッシャーかけとるやんけ





しかも。

義妹ちゃんによると、

柿を貰った時には、すでに妊娠していた。

ただ、まだ病院で心音を確認していなかったため、周りには黙っていただけ。

その事は、母親（姑）にもちゃんと話したはず。

とのこと


つまり、「既に妊娠していた」っていう事実は、何度伝えても姑の耳には届かないらしい





ええ、その後も毎年頂きましたよ、二重柿

「来年は家族が増えていますように。」

「ちゃんと信じてないと御利益がないわよ。」

「食べる前にちゃんと手を合わせて、お願いしてから食べなさい。」

等々、ありがた～いお言葉付きで

しかも、必ず私一人の時に

毎回毎回、プレッシャーかけてくれましたよね～




それに、

「普通は、何回も食べないと御利益がないらしいのよ。」

「義妹ちゃんみたいに１回で御利益があるのはめずらしいのよ。」

「お寺にお礼を言いに来た人は全員無事に子供ができたらしいから、確実に効果があるはずよ。」

と



あ～の～ね～

「何回も食べる」ってことは、つまり何年もかかるってことで。

何年か経てば、自然妊娠する人はするだろうし、不妊治療で授かる人も授かるでしょう

だいたい、義妹ちゃんは既に妊娠してたって言ってるでしょーが

それに、妊娠しなかった人はお寺にお礼言いに行ったりはしないだろうから、お礼を言いに来た人が全員子供ができたっていうのは当たり前だっつーの






夫には何度か愚痴って、

「もういらないからって、お義母さんに言って。」

と言っても、

「言うの忘れるからな～。自分で言えば？」

って態度で


それでも、４０歳になって不妊治療も止めた時に、

「もう必要ないからいらないって、お義母さんにちゃんと伝えてよねっ」

と、鬼の形相で言ったら、ちゃんと伝えたようで。

それ以降は、二重柿を押し付けられることもなくなりました。







こういうものを信じる信じないは、その人の自由で。

信じる人を否定する気はないんです。

ただ、信じてない者に押し付けないで欲しい・・・

しかも、「信じてないから御利益がない」みたいな言い方をされた日にゃ・・・

子供が欲しくて欲しくて欲しくて・・・それでも出来なくて

ただでさえ自分を責めているのに、まるで「信心が足りないから出来ないんだ。お前のせいだ。」と言われているようで

殺意すら感じてしまいましたね、当時は



ま、もう過去の話しですけどね。