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イングロリアス・バスターズ

2009年11月22日 13時09分49秒 | 映画 あ行
評価:★★★★[4/5]


意外にシリアス!本作主役はクリストフ・ヴァルツでしょうか。

実は昨日に続いてもう1回『2012』を土曜のレイトで!
と思っていたら上映開始1時間前に満席となっていて
仕方なく、スルーにしようと決めていた本作を観ることに・・・。

なぜスルーなのかって?だってアメリカンなベタなコントに
イマイチ乗れないワタシだからです。
この映画も、予告編から想像する限り、軽いアクションコメディの
臭いがしてたから相当前からスルーを決めてました(爆)


ところが、意外や意外! これいいじゃん!みたいな。



1944年、ナチス占領下のフランス。
“ユダヤ・ハンター”の異名をとる冷血な男ハンス・ランダ大佐によって
家族を皆殺しにされた少女ショシャナは、ただ一人逃げ延び、
現在はパリで映画館主に身をやつしながら復讐の機会を窺っていた。

同じ頃、アルド・レイン中尉率いるユダヤ系アメリカ人を中心とした
連合軍の極秘部隊“イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)”が
ナチスを次々と虐殺、その残虐な手口でドイツ軍を震え上がらせていた。

そんな中、ショシャナの映画館でナチスのプロパガンダ映画「国民の誇り」の
プレミア上映が決まり、ヒトラーはじめナチス高官が一同に集結することに。
この千載一遇のチャンスを逃すまいと、ショシャナ、バスターズそれぞれが
行動を開始するが…。
<allcinema>



冒頭からタラちゃん得意のマカロニ風味の香りがプンプン匂う。
フランスの片田舎のあの家族の家の佇まいは
どうみても『荒野の用心棒』でのイーストウッドに助けられた
メキシコ人家族でしょう。

それにしてもマキ割りしてたお父さんと言い、3人の娘たちいずれも
美形でしたね。

ユダヤ狩りのナチの御一行様がそんな家族のもとにやってくる。
この近辺に居たユダヤ家族の一家族の消息が不明であり
そのことについて知ってることを教えてほしいということだった。

この物腰の柔らかくて人当りの良さそうなハンス・ランダ大佐の
徐々に追い詰めていく会話は恐ろしいほど完ぺきだった。
この家の主も最初は冷静に受け応えしていたのだが
あるひと言から形勢逆転し、自ら白状する形となっていく。

凄いな!このティム・ロス似の大佐は。
それまでにも彼独特の話術で隠れているユダヤ人を見つけ出し
ナチの中では“ユダヤ・ハンター”と呼ばれている。
だが、本人は「ワタシは殺さない、見つけるだけだ」
このあだ名に多少の疑問も持っているんだということらしい。

まるでマニュアル本に書かれているような誘導尋問は
世界各国の警察官の研修などで使えるんじゃないか思わせるほど。
とにかく、「第1章」から最後の「第5章」まで完全出演してた人物なのだ。

ナチ狩りバスターズの存在に、実は気が狂うほど怯えていたヒトラー。

このバスターズの存在が意外と良かった。
それまで、数々描かれていたレジスタンス映画に決して引けを取らない。
スパイ女優の存在と地下にあるバーで最後の打ち合わせでの
想定外の成り行きに、怒涛の緊張感を生み出しているのだ。

ナチ将校になりすましたレジスタンスが本物の将校に
「あなたのドイツ語発音は少しおかしいが出身は?」
前出のハンス・ランダ大佐にも増して、この酒席に混ざって来た
へルストロム小佐(アウグスト・ディール)の執拗な言葉に
緊張感がマックスとなるシークエンスは可也の出来であった。

ミハエル・シューマッハとクリストファー・ウォーケンを足して
2で割ったようなへルストロム小佐は次第に彼らの綻びを見抜き始め
バーが修羅場と化す。

さて、冒頭の酪農家で床下に隠れていたユダヤ家族が虐殺され
間一髪逃げ出した若い娘ショシャナが数年を経過したのち
ドイツで映画館を経営するまでに成長していた。
ひょんなことから、その映画館でナチスのプロパガンダ映画
『国民の誇り』のプレミア上映が決まるわけですが
タラちゃん映画にしては不思議と無理やりこじつけた印象はなく
至って自然な成り行きとなっています。
この辺りでも脚本が相当に練られていたんだなと思わせます。

ショシャナ自身の家族の復讐劇とバスターズらの
ナチ狩りがこの映画館で同時進行していく様は、そこはタラちゃん
やっぱり、どこかでネタ的な笑い要素を盛り込みつつ
それでいて緊張感をも持つという、この辺りが本作の持ち味なんでしょう。


おまけ)
・あのスパイ女優をケイト・ブランシェットが演じていたら
 もっとシリアスな作品になっていたことでしょう。

・ユダヤ娘・ショシャナが『ココ・アヴァン・シャネル』の主人公だったら
 という、まったく関係ないことをイメージしてしまった。

・有名な挿入曲をふんだんに取り入れていたのは分ったのですが
 曲目としては「復讐のガンマン」と「荒野の1ドル銀貨」しか
 分らなかった^^;
 もういちど確認したいと思うひとはこちらから視聴してみてね。
-----------------------------------------------------------
監督:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ
撮影:ロバート・リチャードソン
音楽:有名曲のアレンジ挿入


出演:ブラッド・ピット/ダイアン・クルーガー/クリストフ・ヴァルツ/
    メラニー・ロラン/マイク・マイヤーズ/B・J・ノヴァク


『イングロリアス・バスターズ』

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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆うぎゃ~!☆ (TiM3)
2009-11-22 17:47:56
2本とも、行っちゃいましたね~。

ブラピの首筋のキズあと(?)が気になって仕方ありません。

もうちっと短かったらエエのになぁ(・ω・)

大佐役のおっちゃん、確かにティム・ロス系ですね。
彼にもオファーは行ったんでしょうかね(=^_^=)

映画館がチュドーン! なトコは(観る前から知ってしまった、、)『ファイナル・デッドサーキット』な感じですね。

あと、ヒトラー俳優は似てましたか?(=^_^=)
返信する
今週の映画は長い (ituka)
2009-11-22 19:58:40
TiM3さん こんばんは。

首筋の傷に気がついたこと自体凄いですね。
何も説明がなかったような気がします^^

>大佐役のおっちゃん、確かにティム・ロス系ですね。

てっきり、船上のピアニストだと思ってました。
(海の上でしたね)

ここんところ3D映画のおかげで劇場ネタが劇中に多く出てきます。
映画スクリーンの裏があんな風になっているとは知りませんでした^^

>あと、ヒトラー俳優は似てましたか?(=^_^=)

これがまたそっくり!あのチックでベタベタの2:8分けとチョビ髭さえあれば
誰でもヒトラーに変装できそうです(笑)
今や、カールおじさんかヒトラーか!と言われているそうです(どこでだ)
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チャプター。 (BC)
2009-11-23 16:57:58
itukaさん、こんばんは。
トラックバック&コメントありがとうございました。(*^-^*

チャプター(章)分けしている映画って『プルートで朝食を』以来ですね。

>あのスパイ女優をケイト・ブランシェットが演じていたら
 もっとシリアスな作品になっていたことでしょう。

コワイ作品になっていたかも。^^
でも、凄味のある演技をするブランシェットが演じていたら
キャラクターがもっと際立ったような気もしますね。
返信する
ブラピを喰った! (オリーブリー)
2009-11-23 17:32:53
あはは~ランダ大佐はティム・ロス系だわ(笑)
私は後半から西村雅彦にも見えてきました(爆)
彼の貢献が大きい作品ですよね~本当に面白かったです!!
「ワルキューレ」のトムちんが出来なかった事をやっちゃったんだもん!
タラちゃん、凄いわ(爆)

itukaさん、スルー予定だったの?
思い直して良かったですね(笑)
返信する
第2章の途中で・・・ (ituka)
2009-11-24 08:56:07
BCさん おはようございます。

ひとり席を立って行った客がいたんですよ。
お~!返金してもらうんだ~。
と思っていたら5分後に戻ってきました(ガクッ!)
トイレにしては早すぎる時間だし、もしかしたら返金のための様子見じゃないかと^^;

いや、そんなことはどうでもいいんですけどね^^

ブランシェットだとブラピが引き気味になってしまうのかも。
『バベル』や『ベンジャミン』がそうだったし^^
返信する
完全に喰った! (ituka)
2009-11-24 09:06:08
オリーブリーさん おはようございます。

西村雅彦か~!ほんと、あんな感じでひとり、ノリ突っ込み状態でしたよね(爆)
聞く話によると二コちゃんが予定されてたとか。
危なかったわ~!絶対、そのキャスティングだけは止めてもらいたい。
出来れば、クリストフ・ランダ大佐で1本、スピンオフ映画作ってもらいたいくらいです。

ほんと!スルーしなくてよかった~!
ハンス・ランダ大佐を知らずに年越しするところでした(笑)

返信する
今度見よう (笛吹働爺)
2009-11-27 22:46:11
「This is it !」 が終わってしまったので、これから普通の映画をみなくては・・。
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『理想の彼氏』 (ituka)
2009-11-28 13:36:10
笛吹働爺さん こんにちは。

とりあえず、キャサリン・ゼタは好みのタイプなので観てみようと思っています。
『This is it』は良いらしいですね。
アメリカ興行収入だけで1億ドルに届くのか微妙なところです。

ここのサイトで新作映画のチェックをしているんですよ^^

http://www.tsp21.com/movie/usmovie.html
返信する
☆観て来ますた☆ (TiM3)
2009-11-29 00:17:42
いきなり、アタマの皮を削ぎ出したのにはびっくり!

野球バットでボコるのも、何かヤな感じでした(×_×)

ってことで、
頑張ってはくれてたんだけど、タラちゃんが撮るんなら
もっと不真面目にやらないと! と思いましたね。

『キル・ビルvol.1』を超えるのんは、この先もなかなか難しそうですね(・ω・) ←それが一番かよ!(=^_^=)

追記:ショシャナちゃん、ホクロが3つほどあるんだけど、あんましセクシーなアクセントにはなってなかったですね(×_×)
返信する
遂にですね! (ituka)
2009-11-30 00:56:30
TiM3さん こんばんは。

タラちゃんだけに、徹底したグロは彼のイメージカラーなんでしょうね。

>野球バットでボコるのも、何かヤな感じでした(×_×)

そのまえに、どんなバットマンかと思いきや
いささか想像させてくれたモンスターとは全然違ってて椅子からコケそうになりました。
アレもウケ狙いだったのかも^^

>『キル・ビルvol.1』を超えるのんは、この先もなかなか難しそうですね(・ω・) ←それが一番かよ!(=^_^=)

TiM3さんは『キル・ビル1』だったのですね。
ワタシは今回のが一番になりましたよ^^
返信する

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