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孤高のメス

2010年06月07日 22時28分06秒 | 映画 か行
評価:★★★★【4点】



緊張感あるリアルな手術シーンは本作の見どころ!
そして、終始ベタで予想通りではあるけれど
それでも演じているすべての役者がみんな魅力があったので
高評価となりました。

その男、オペレーション(手術)に演歌を流すらしい!
オペは演歌そのものという発想には劇場内が爆笑してました。



現職医師・大鐘稔彦によるベストセラー小説を映画化、
ひとりの医師の真摯な姿を通して現代医療の問題を投げかける
ヒューマン・ドラマ。
1980年代を舞台に、ただ患者の命を救うことだけを念頭に
法律ではまだ認められていない脳死肝移植にまで挑む一途な外科医と、
そんな彼の信念が周囲を変えていく軌跡を重厚なタッチで描き出す。

現役の看護師でありながら病院内で適切な処置を受けられずに急死した浪子。
彼女の葬式を終えた息子で新米医師の弘平は、母の遺品の中から
一冊の古い日記帳を見つける。
そこには、看護師としての様々な日々が綴られていた――。

1989年。
大学病院に依存し、外科手術ひとつまともに出来ない体たらくの地方病院、
さざなみ市民病院。
そこへ、ピッツバーグ大学で高度な外科医術を身につけた医師・当麻鉄彦が
第二外科医長として赴任する。院内の旧態依然とした慣例に囚われず、
患者のことだけを考えて正確かつ鮮やかに処置を行う当麻。

彼のひたむきな姿勢は周囲の反発を招く一方、腐敗した病院に風穴を開け、
オペ担当のナースとして当麻と一番身近に接していた浪子も仕事への情熱を
取り戻していくのだった。
そんなある日、市長の大川が末期の肝硬変で搬送されてくる。
当麻は、大川を救済する唯一の手段だが日本の法律ではまだ認められていない
脳死肝移植を施すことを決断するが…。
<allcinema>



まさに、平成元年に忽然と現れた日本のジャック・ブラック!じゃなくて
ブラック・ジャックだ!

こういう回想映画はほんとにいい!
片田舎の市民病院で忙しく働く看護師であった母の葬儀から物語は始まる。
遺品の整理をしにきたひとり息子が、見つけた一冊の母の日記。
そこに綴られていたものが回想され20年前にさかのぼり映像として映し出されます。

実際、地方病院の生々しい実態がみごとに描かれているので
それが見られただけでも満足しているのに、それに加え
ひとりのブラック・ジャックの登場で作品自体に華が添えられ
看護師の仕事に疑問を持ち始めていた浪子が彼の出現でみるみる変化していく。

この、浪子がブラック・ジャック(以降・当麻)に認められたい一心で
高度なオペに対する練習を繰り返すくだりは、そのひたむきさに心を奪われます。
看護師としての誇りを、彼といっしょにするオペこそが、それであると確信する。
しかし、浪子は意地っ張りなのか当麻に対して、絶対笑顔を見せないんです。
これも赴任してきた当麻に最初に掛けられた言葉が「器具の扱いはもっとやさしくね」
これが原因なんですね~(まぁ可愛い!)

いや~!判りやすい!
当麻がこの病院に来るまでは、大学病院からの派遣医師らが胡坐をかき
医療設備がままならないことをいいことに簡単な手術しか行わないこと。
やる気(患者を助けようとする純粋な心)など毛頭ないのです。

序盤で、この外科医長が医療ミスを起こしますが、これがまた酷いのなんの。
腹膜炎の術中の門脈切断!その手さばきは素人目でもぎこちないんですね~。
その外科医長・野本を演じる生瀬勝久がぴったり嵌まってます^^;
そして、患者の死亡!それでも悪びれない態度には、ただ唖然とするばかり。
さらには、ガン摘出手術に於いては全摘出をせずにワザと一部を残すありさま。
助手を務めた若い外科医の「なぜ残すんです!」これに対し「いいんだよ!」だ。

こういう体制の中で働いていた浪子は次第に看護師という仕事に達成感を感じなくなり
いつしか苦痛でしかない毎日の繰り返しとなっていったのです。

そんなときに現れたのが、この男・当麻だったのです!
この当麻(堤真一)のキャラは普段の堤真一の、あのトボケた男のまんま
しかし、当病院でも行ったことがない高度なオペに悠然と立ち向かう様は
浪子はもちろん、そのオペに参加したメンバー誰もが感動を覚えることに。
この当麻のキャラの静と動のメリハリがはっきりしてて観てる方は
緊張したり安堵したりと、それは忙しかったです(笑)


追記)
・当然のように、面白くないのは野本外科医長ってことです。
 終盤で当麻が行う脳死肝移植という日本の法律ではまだ認められてない手術に
 食い付くくだりは予想通り。でも面白かった!

・さざなみ病院で大活躍した当麻が前記のことでマスコミに叩かれますが
 そこはしっかりと決着させるところは、とても潔かった。
 去って行く当麻に、浪子は初めて素直に「ありがとうございました!」
 このシーンはウルウルしちゃいました。(予想通りなのに)

・ラストは意外にも嬉しい演出が待ってます。立派な医者になった弘平が
 母の勤めてた病院に赴任し、そこに「都はるみ大全集」だなんて大笑い!
 でも、あの集合写真が机に貼ってあったのには、ここでまたウルウル。

・大学病院と地方病院の因果関係が垣間見れて、とても興味深かった。

・これ観ちゃうと病院選びも患者の自己責任ってことになるのかい。
 やっぱり口コミサイトの情報が重要になるのかな。 

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監督:成島出
脚本:加藤正人
撮影:
音楽:


出演:堤真一/夏川結衣/吉沢悠/中越典子/余貴美子/平田満/生瀬勝久/柄本明


『孤高のメス』

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4 コメント

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☆コレは観たいです!☆ (TiM3)
2010-06-07 23:29:31
朝の某ラヂヲ番組でひゃまむらずんさんが解説したはりました。
お2人(堤&夏川)もゲストトークしたはりました☆

結構「医学モノ」が好きなんですよ~。

『ディア・ドクター』
『阿弥陀堂だより』
『パッチ・アダムス』(=^_^=)

とかね。

堤さんのライバル医師役として阿部サダヲくんが出て来るんでしょうか?
お、おにづか~ッ!? みたいな(=^_^=)
返信する
ワタシも医療関係が好きです (ituka)
2010-06-08 22:53:16
TiM3さん こんばんは。

堤くんが仰るには「なんだかオペが出来そうな気が・・」とかなんとか^^
こういうのも判る気がします。

>『ディア・ドクター』
>『阿弥陀堂だより』
>『パッチ・アダムス』(=^_^=)

げ!この辺りはまったく観てません^^;

>堤さんのライバル医師役として阿部サダヲくんが出て来るんでしょうか?

残念ながら阿部ちゃんは出てませんね~
彼が外科医だったらどうなっちゃうんでしょうか(爆)
真のライバルなら松重豊氏が渋い演技をしてくれてます。
『ディア・ドクター』にも出てたようですね^^
返信する
☆観て来ました~☆ (TiM3)
2010-06-21 07:46:03
柄本明がボヤッキー(=^_^=)の背後に控えてる
「黒幕」と思ってました。。

どうも柄本さんのキャラが、まだ見切れておりません。。
返信する
すごいペースじゃないですか^^ (ituka)
2010-06-21 21:46:36
TiM3さん こんばんは。

2日間で4本って結構きついでしょう^^

あのお見合いのシーンは楽しかったです。
せんべいを口から落とすタイミングが絶妙でしたよね^^

ボヤッキーに当たった患者さんは最悪でした。
彼のオペの成功率が知りたいものです^^;
痔なんぞ入れずにね^^;

こういう役こそ柄本氏の嵌まり役かな~と^^
水を得たサカナくんみたいでした。
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