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トガニ 幼き瞳の告発

2012年08月05日 19時21分11秒 | 映画 た行
評価:★★★☆【3,5点】


最後のテロップで若干救われた気がした。

こういう闇の事件は氷山の一角なのかもしれないが
本作公開に於いて実際の事件の再捜査が行われ
国家をも動かし、その後、「トガニ法」が立案されたのは凄いこと。
そして、これらはまだ去年の10月末の話という真新しさに驚きです!



韓国の聴覚障害者学校で起きた実在の性的虐待事件を基にした
コン・ジヨンのベストセラー小説を映画化した衝撃の社会派ドラマ。
校長や教師たちによるおぞましい虐待に加え、
理不尽な司法制度にも翻弄される幼き児童たちの
悲痛な運命を力強く描き出す。
本作の公開によって韓国国内で改めて事件にスポットが当てられ、
事件発覚後も存続していた学校の閉鎖や
性犯罪に関する法改正が実現するなど、
社会的にも大きな反響を呼ぶこととなった。

美しい霧で有名な郊外の街にある聴覚障害者学校に赴任した
美術教師のカン・イノ。
しかし着任早々、怯えたような児童たちの表情から
学園内に漂う不穏な空気を感じ取る。
ある日、一人の女子児童が女寮長によって
顔を洗濯機に押しつけられている現場を目撃したイノは、
彼女を保護して病院に入院させる。
そして、以前知り合った人権センターで働く
気の強い女性ソ・ユジンに連絡を取る。
やがて、児童たちが校長をはじめとする教師たちから
日常的に性的虐待を受けている実態が判明。
イノとユジンはマスコミを利用して校長たちを告発、
ようやく警察が動いて逮捕にこぎ着けるのだったが…。
<allcinema>



今や、世界のどの国にも言えることですが
弱者はいつも泣いているということです。

今回、韓国で実際に起こった事件を基に
映画が製作されたわけですが、よくぞ作ってくれました。
こんな悲惨な現実が世に蔓延っているを
知ることが出来、またそれに対し、観客が署名活動をし
事件の事実調査を再開させたことは大きな進歩だったと思います。

劇中では学校関係者、事件に関わった容疑者たちに
なんの刑罰も与えることができなかった理不尽な結果に
胸が締め付けられる思いでいっぱいでしたが
最後のテロップで、すべてが解決したわけではないですが
幼き子供らに対し、またその親に対しても
小さな光が見えたことがよかった。

新任教師の彼が居なかったら、この事件は
未だに闇の中に封印されていたことでしょうし
事件にならないことで、さらにエスカレートしていったはず。
そういう意味では、自分の生活を犠牲にしてでも
正義を貫き通した新任教師にスタンディングオべーションですね。

また運よく(?)知り合いになった人権センターの女性の
活躍にも心を揺さぶられました。


【今週のツッコミ】
・証人喚問で酷似の双子の校長と行政室長のどっちが容疑者か!
 このときの聴覚障害者のヨンドゥの機転には唸ってしまった。
 法廷シーンから、このヨンドゥが妙に大人っぽく見えたのは
 気のせいだったのだろうか。髪形のせい?

・その校長と行政室長、どこかで見たような気がしたのは
 どこぞのヨットスクールの校長と雰囲気がそっくりだったからか。
 ここの場合も、訓練生の死亡が相次いで起こり事件捜査ありましたね。

・幼き生徒らの心のケアには相当な時間をかけて慎重に行ってほしい。

・中盤以降の法廷シーンは見ごたえ十分だったが
 最後の判決でまさかの展開に怒りがこみ上げてしまった。
 すべての人間、それぞれ弱みがあるってことで
 判事、おまえもだったのか!(怒)

・それにしても、司法制度がまったくデタラメで
 こんなところで安心して生きていけないと思ったのはワタシだけ?

・自殺した幼き兄弟の弟の無念を晴らすため、復讐しに行った兄。
 加害者と対峙したあそこは、最大の山場となるところ。
 もう少し、加害者に恐怖を与えたかったのが本音ですかね。

・事件そのものは、凶悪卑劣で学校関係者、刑事までがつるんでいて
 彼らを守るには、余りにも形勢不利な状況だったのが
 逆に社会の心を動かしたと思われますが。。。
 ただ、映画としてのレビューとなると脚本から構成、編集など
 もっと盛り上げる方向で脚色してほしかったけど、それって無理かな。

・ちなみに本作で校長/行政室長の二役を演じたチャン・グワンに
 役の上とはいえ、私生活に何もなかったのかが気になるところ。
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監督:ファン・ドンヒョク
脚本:ファン・ドンヒョク
撮影:キム・ジヨン
音楽:


出演:コン・ユ/チョン・ユミ/キム・ヒョンス/チョン・インソ/ペク・スンファン/


『トガニ 幼き瞳の告発』

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2 コメント

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どこまでがドキュメンタリー? (mariyon)
2012-08-21 20:54:05
韓国映画はちょっと苦手なんです。
なんて言うか、国民性の違いと言うか
泣きわめく、くどい、ってのが定番で
どうも肌に合わない。。。

でも、今回のは、ほんとうに淡々としてて
それだからこそ、すごく胸をうたれました。

>聴覚障害者のヨンドゥの機転
被害者に(しかも子供に)ここまでやらせるって。そのうえ聴覚テストも。
なんて言うか、障害者の言うことをまったく信じていない空気が、あんなことを許すのか・・って、観ていてつらかったです。
でも、ほんとうの裁判でもあんなことがあったんでしょうか?
返信する
mariyonさんへ (ituka)
2012-08-22 00:19:19
こんばんは。

これって、かなり実話に沿ってて、脚色されたのはごく僅かだと思います。
韓国映画はハードボイルドか猟奇事件モノしか見ませんが
それ以外は、mariyonさんと同じで、やたらわめき立てる印象が苦痛なんですよ(苦笑)

そういうなかで、この映画はわりと異色な感じがして
あらすじだけで惹き込まれてしまいました。
そして、映画の公開後に再審するといった具合に、映画が人々を動かしたという事実に驚いたわけです。

ヨンドゥのとっさの機転は、映画用かもしれませんが
実際に、それがあったとしても不思議ではないかなという思いです。
でも、ワタシはあれは有ったと信じたい派です(笑)
返信する

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