
評価:★★★★【4点】
孤児役の少年がどう振り払ってもジョン・リスゴーに見えてしまい
当初公開された時はスルーを決め込んでいた作品。
しかし、地元徒歩5分で行けるミニシアターで公開決定したことで
つまらない偏見を排除し鑑賞することに(笑)
◇
1999年、ロシア軍に侵攻されたチェチェン。
9歳のハジは、両親が銃殺されるのを物陰から目の当たりにして、
ショックで声が出せなくなる。
姉も殺されたと思った彼は、泣きやまない赤ん坊の弟を
見知らぬ家の前に置き、一人放浪を続ける。
一方、フランスから実態調査にやって来たEU職員のキャロルは、
ロシア軍の蛮行に憤りを覚えるが、
現状を何も変えられない自分の無力さに絶望する。
やがて彼女は、道端にいたところを保護した
少年ハジだけは守ってあげたいと願い、彼の姉弟の捜索に奔走するが…。
<allcinema>
◇
まず作りがドキュメンタリー映像を見てるような錯覚を起こす。
冒頭、手持ちハンディカムに映るチェチェンの荒れ果てた様子は
戦争の生々しさを訴えかけるには十分な迫力となっている。
物語はたった一人で戦地をさまよう少年のロードムービーであり
同時にひとりのロシア兵のサブストーリーも挟み込む形となる。
また、少年の美しい姉が必死に弟らを探す光景や
EU職員キャロルが偶然見かけた少年を保護する辺りから
バラバラに進んでいたストーリーがイッキに交錯するのだ。
冒頭、チェチェンの民衆を拷問し銃殺する様子を撮っていた人物。
その男性の素顔が露わになる展開は、なかなか渋い演出だと思う。
ただ、これは何を狙っていたのだろうか監督さん^^;
【今週のツッコミ】
・ジョン・リスゴーに似てるから嫌だな~と思っていたが
序盤の少年の演技を見てその食わず嫌いな偏食は綺麗に消え去った。
・少年が赤ちゃんに与えていた透明の液体は何だったのだろう。
ただの糖水だったりして。
・言葉を発しない少年がロシア兵に怯えながら放浪する姿は
『グロリア』(1980)の家族を失った少年の姿と被ってしまう。
ならキャロルはグロリアかといえばそれは違う(笑)
・アネット・ベニングの安定した上手さは作品の質を格段に上げた。
・ロシア軍、強制入隊という制度が横行していたとは知らなかった。
少年兵の背景を一切描かなくとも演出でこうも訴えかけることができる
これはよい見本ではなかろうか。
・本作の悪役はその素顔こそ見せないが元KGBエージェントのプーチン首相
この翌年に大統領に就任しそのタカ派ぶりはご承知の通り^^;
・ラスト5分、ホームで孤児を見た姉の取った行動こそ
キャロルが目指す姿ではないだろうか。
------------------------------------------------------------
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
脚本:ミシェル・アザナヴィシウス
音楽:
出演:ベレニス・ベジョ/アネット・ベニング/マクシム・エメリヤノフ/
アブドゥル・カリム・マムツィエフ/ズフラ・ドゥイシュヴィリ
『あの日の声を探して』
孤児役の少年がどう振り払ってもジョン・リスゴーに見えてしまい
当初公開された時はスルーを決め込んでいた作品。
しかし、地元徒歩5分で行けるミニシアターで公開決定したことで
つまらない偏見を排除し鑑賞することに(笑)
◇
1999年、ロシア軍に侵攻されたチェチェン。
9歳のハジは、両親が銃殺されるのを物陰から目の当たりにして、
ショックで声が出せなくなる。
姉も殺されたと思った彼は、泣きやまない赤ん坊の弟を
見知らぬ家の前に置き、一人放浪を続ける。
一方、フランスから実態調査にやって来たEU職員のキャロルは、
ロシア軍の蛮行に憤りを覚えるが、
現状を何も変えられない自分の無力さに絶望する。
やがて彼女は、道端にいたところを保護した
少年ハジだけは守ってあげたいと願い、彼の姉弟の捜索に奔走するが…。
<allcinema>
◇
まず作りがドキュメンタリー映像を見てるような錯覚を起こす。
冒頭、手持ちハンディカムに映るチェチェンの荒れ果てた様子は
戦争の生々しさを訴えかけるには十分な迫力となっている。
物語はたった一人で戦地をさまよう少年のロードムービーであり
同時にひとりのロシア兵のサブストーリーも挟み込む形となる。
また、少年の美しい姉が必死に弟らを探す光景や
EU職員キャロルが偶然見かけた少年を保護する辺りから
バラバラに進んでいたストーリーがイッキに交錯するのだ。
冒頭、チェチェンの民衆を拷問し銃殺する様子を撮っていた人物。
その男性の素顔が露わになる展開は、なかなか渋い演出だと思う。
ただ、これは何を狙っていたのだろうか監督さん^^;
【今週のツッコミ】
・ジョン・リスゴーに似てるから嫌だな~と思っていたが
序盤の少年の演技を見てその食わず嫌いな偏食は綺麗に消え去った。
・少年が赤ちゃんに与えていた透明の液体は何だったのだろう。
ただの糖水だったりして。
・言葉を発しない少年がロシア兵に怯えながら放浪する姿は
『グロリア』(1980)の家族を失った少年の姿と被ってしまう。
ならキャロルはグロリアかといえばそれは違う(笑)
・アネット・ベニングの安定した上手さは作品の質を格段に上げた。
・ロシア軍、強制入隊という制度が横行していたとは知らなかった。
少年兵の背景を一切描かなくとも演出でこうも訴えかけることができる
これはよい見本ではなかろうか。
・本作の悪役はその素顔こそ見せないが元KGBエージェントのプーチン首相
この翌年に大統領に就任しそのタカ派ぶりはご承知の通り^^;
・ラスト5分、ホームで孤児を見た姉の取った行動こそ
キャロルが目指す姿ではないだろうか。
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監督:ミシェル・アザナヴィシウス
脚本:ミシェル・アザナヴィシウス
音楽:
出演:ベレニス・ベジョ/アネット・ベニング/マクシム・エメリヤノフ/
アブドゥル・カリム・マムツィエフ/ズフラ・ドゥイシュヴィリ
『あの日の声を探して』
冒頭でハンディカムをまわしていた人物が明らかになるところは、
少々狙い過ぎの様な気もしますが、やはり衝撃的でした。
あれほど怯えていた彼が、
何のためらいも無くカメラを向ける様になるなんて・・・
つくづく麻痺することの恐ろしさを感じました。
こういうシリアスな映画では思い出したくないのが本音です(笑)
ここのところ日劇で掛かる作品がなかなかいい!
ってことで未見作品はどんどんチョイスしていくつもり(笑)
何より安いしね(爆)
この映画、想像してたモノより遥かに完成度高かったです。
あのハンディカムの人物が判明するところ「おー!」でしたよ(笑)