
評価★★★★★
予想以上の仕上がり。
荒くはあるがハイテンポな展開に息つく暇も与えない。
冒頭のアフガニスタンでのシーンが
後に、非常に重要な部分となってきますので
台詞の一語一句見逃さないように鑑賞してください。
監視社会の現代は、
今も尚、進化するそのテクノロジーは止まるところをしらない。
先日公開された『LOOK』もまさに監視をテーマにした疑似ドキュメントもの。
これ、観たかったのですが県内では上映されませんでした。
米国本土にいるかぎり一日に数千、数万もの回数で
生活する自分がどこかしらの監視カメラに撮られている。
今回の『イーグル・アイ』も監視社会の
最先端のテクノロジーを使いサイバーテロらしき脅威に
ごくごく普通の一般市民が事件に巻き込まれていくのである。
コピーショップで働くジェリー(シャイア・ラブーフ)は
双子の弟の方。
安いアパートにひとりで住み、毎日お気楽に自由に暮らしていた。
家賃も滞納ぎみで、大家さんにはいつも催促されていた。
そんなある日、実家から電話が入る。
米軍に勤めていたショー家の誇りである兄・イーサンの訃報であった。
失意のどん底で葬儀に駆けつけるが
父との確執は一向によくならないでいた。
葬儀のあとで生活のことで言い争いとなるが
父のせめてもの気持ちとして生活費を小切手で渡すのだった。
ジェリーにとって1000ドルは大金だった。
ほんとうは父の気持がよく分かっていたジェリー。
帰りにATMで小切手を現金化しようとしたら
出てきたのは75万ドルというビックリするようなお札の数だった。
グチャグチャに掴み取ると慌てて自宅に急いだ。
『ウォンテッド』のマカヴォイくんのパターンと似ていますね。
ワタシもそんな目に逢ってみたいっす。
自宅アパートに着き玄関を開けて更にびっくりだ。
なんと!軍事用の機材が部屋中に所狭しと置かれていた。
なかには硝酸アンモニウムが500キロ以上と
只事でない事態に、なにが何だかどうなっているのか
まったく理解できないというところに携帯に電話が入る。
謎の女性の声で「今すぐ自宅から逃げなさい!」だ。
さらに「10数秒後にFBIが到着する」と
まるで、その現場をどこかから見ているかのような言葉だった。
今の状況を理解する暇もなくFBIに連行される。
FBI取調室でのモーガン捜査官(ビリー・ボブ・ソーントン)に
自白を迫られていたジェリーは必死に潔白を訴える。
一方そのころ、シングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)も
同じ謎の女性の声で子供の命と引き換えに電話で指示を受けていた。
謎の女性の電話は固定電話にも勝手に割り込んで来る。
電話の指示に従いFBIから脱走に成功するジェリー。
その先で、同じく指示をされたレイチェルと遭遇する。
「ポルシェ・カイエンが鍵付きで置いてある。それに乗りなさい」ときた。
ジェリーがFBIから脱走したところから
まったく息つく暇も与えないノンストップアクションは
ジェットコースターに乗っているような感覚だ。
女性からの指示が次々と電話を筆頭に街の
電光掲示板や他人の携帯電話まで、そして
ポルシェ・カイエンのカーナビにまで、その指示は来る。
FBIに追われカーチェイスとなるが、このふたりの乗る車は
その女性の指示した速度と車線、道順通りに突っ走る。
交差点はシグナルコントロールで全て青に強制変換されていく。
いったいどこから見ているのか?
誰がなんの目的で、なぜこのふたりなのか?
観ている者は、主人公らと同じ目線となり
数秒先がまったく読めない展開にスクリーンから目が離せなくなる。
このまま指示に従って行けば、その先に何かが見えてくるはずと
いう思いだけで、彼らと一緒に行動しているような感覚になる。
この映画、
ネタバレは命取りになります。
なので、ここからは一切、本筋を書くことができません。
観終わって感じたことは
それまでの名作といわれた過去の作品の良いところを
箸の先で掴み取るように、スピルバーグは自分の
料理の器に奇麗に盛り付けしたという印象がします。
それは、パクリという表現でなく
リスペクト、オマージュに近いものかもしれません。
結構、突っ込みどころ満載なんですが
鑑賞中はテンポの速さにまったく気が付きません。
久しぶりに手に汗を握るという表現がピッタリな映画を見せてもらいました。
【ココからネタバレ注意】
Q、何故アレだけの頭脳を持ちながらFBIの動きを制御しなかったのか?
A、実は、謎の女“A”は、ワザとFBIを遊ばせていたんです。
それは何故か?ジェリーが命令に従わない確率を計算していたんです。
Q、あの必要な追跡さえなければ、スムーズに目的地まで到達するものをなぜ?
A、確かに!そう考えるのが最も正しい意見だと思います。
ところが、あの追跡があったからこそ、追われる身となったジェリーは
道案内した“A”に従わざるを得ない状況になったんだと思います。
あの75万ドルと軍事機材は単にFBIが嗅ぎつけるための
囮だったと思いますね。
“A”にとってFBIはジェリーを動かすための好都合な存在だったわけです。
今回、この映画は4人の脚本家による共同執筆となっています。
スピルバーグは入っていません(爆)
1本の映画(サスペンス、ミステリーもの)には脚本家が多ければ多いほど
良い映画になるというのは、ワタシの中ではトリビアとなっています(笑)
【ココまで】
おまけ)
・謎の女性“A”の存在がこの映画のキモである。
あの電話の無機質っぽい声質に魅力を感じてしまったワタシ。
個人的には電話の主は『ボーン・スプレマシー』
『ボーン・アルティメイタム』と諜報機関の女性幹部を演じた
ジョーン・アレン氏のイメージをずっと描いていました。
・警備員に扮したジェリーが最後に取った行動には
思わず涙腺が緩んでしまいました。(あ~、そんな~と心で叫びながら)
・映画の題名がB級映画っぽいところで損をしている。
ワタシが付けるなら『春の嵐』だ(爆)
・シャイア・ラブーフは大作映画続きで
これもスピルバーグに気に入られたお蔭なんですね。
本作では無精ひげも蓄えていて、ワイルド感があって
大人になったな~という印象を持ちました。
『ダークナイト』が遺作となった「ヒース・レジャー」亡き後
若手俳優の台頭となっていってもらいたいものです。
---------------------------------------------------------
監督:D・J・カルーソー
脚本:ダン・マクダーモット/ジョン・グレン/トラヴィス・アダム・ライト/ヒラリー・サイツ
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ブライアン・タイラー
出演:シャイア・ラブーフ/ミシェル・モナハン/ロザリオ・ドーソン/ビリー・ボブ・ソーントン
『イーグル・アイ』
予想以上の仕上がり。
荒くはあるがハイテンポな展開に息つく暇も与えない。
冒頭のアフガニスタンでのシーンが
後に、非常に重要な部分となってきますので
台詞の一語一句見逃さないように鑑賞してください。
監視社会の現代は、
今も尚、進化するそのテクノロジーは止まるところをしらない。
先日公開された『LOOK』もまさに監視をテーマにした疑似ドキュメントもの。
これ、観たかったのですが県内では上映されませんでした。
米国本土にいるかぎり一日に数千、数万もの回数で
生活する自分がどこかしらの監視カメラに撮られている。
今回の『イーグル・アイ』も監視社会の
最先端のテクノロジーを使いサイバーテロらしき脅威に
ごくごく普通の一般市民が事件に巻き込まれていくのである。
コピーショップで働くジェリー(シャイア・ラブーフ)は
双子の弟の方。
安いアパートにひとりで住み、毎日お気楽に自由に暮らしていた。
家賃も滞納ぎみで、大家さんにはいつも催促されていた。
そんなある日、実家から電話が入る。
米軍に勤めていたショー家の誇りである兄・イーサンの訃報であった。
失意のどん底で葬儀に駆けつけるが
父との確執は一向によくならないでいた。
葬儀のあとで生活のことで言い争いとなるが
父のせめてもの気持ちとして生活費を小切手で渡すのだった。
ジェリーにとって1000ドルは大金だった。
ほんとうは父の気持がよく分かっていたジェリー。
帰りにATMで小切手を現金化しようとしたら
出てきたのは75万ドルというビックリするようなお札の数だった。
グチャグチャに掴み取ると慌てて自宅に急いだ。
『ウォンテッド』のマカヴォイくんのパターンと似ていますね。
ワタシもそんな目に逢ってみたいっす。
自宅アパートに着き玄関を開けて更にびっくりだ。
なんと!軍事用の機材が部屋中に所狭しと置かれていた。
なかには硝酸アンモニウムが500キロ以上と
只事でない事態に、なにが何だかどうなっているのか
まったく理解できないというところに携帯に電話が入る。
謎の女性の声で「今すぐ自宅から逃げなさい!」だ。
さらに「10数秒後にFBIが到着する」と
まるで、その現場をどこかから見ているかのような言葉だった。
今の状況を理解する暇もなくFBIに連行される。
FBI取調室でのモーガン捜査官(ビリー・ボブ・ソーントン)に
自白を迫られていたジェリーは必死に潔白を訴える。
一方そのころ、シングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)も
同じ謎の女性の声で子供の命と引き換えに電話で指示を受けていた。
謎の女性の電話は固定電話にも勝手に割り込んで来る。
電話の指示に従いFBIから脱走に成功するジェリー。
その先で、同じく指示をされたレイチェルと遭遇する。
「ポルシェ・カイエンが鍵付きで置いてある。それに乗りなさい」ときた。
ジェリーがFBIから脱走したところから
まったく息つく暇も与えないノンストップアクションは
ジェットコースターに乗っているような感覚だ。
女性からの指示が次々と電話を筆頭に街の
電光掲示板や他人の携帯電話まで、そして
ポルシェ・カイエンのカーナビにまで、その指示は来る。
FBIに追われカーチェイスとなるが、このふたりの乗る車は
その女性の指示した速度と車線、道順通りに突っ走る。
交差点はシグナルコントロールで全て青に強制変換されていく。
いったいどこから見ているのか?
誰がなんの目的で、なぜこのふたりなのか?
観ている者は、主人公らと同じ目線となり
数秒先がまったく読めない展開にスクリーンから目が離せなくなる。
このまま指示に従って行けば、その先に何かが見えてくるはずと
いう思いだけで、彼らと一緒に行動しているような感覚になる。
この映画、
ネタバレは命取りになります。
なので、ここからは一切、本筋を書くことができません。
観終わって感じたことは
それまでの名作といわれた過去の作品の良いところを
箸の先で掴み取るように、スピルバーグは自分の
料理の器に奇麗に盛り付けしたという印象がします。
それは、パクリという表現でなく
リスペクト、オマージュに近いものかもしれません。
結構、突っ込みどころ満載なんですが
鑑賞中はテンポの速さにまったく気が付きません。
久しぶりに手に汗を握るという表現がピッタリな映画を見せてもらいました。
【ココからネタバレ注意】
Q、何故アレだけの頭脳を持ちながらFBIの動きを制御しなかったのか?
A、実は、謎の女“A”は、ワザとFBIを遊ばせていたんです。
それは何故か?ジェリーが命令に従わない確率を計算していたんです。
Q、あの必要な追跡さえなければ、スムーズに目的地まで到達するものをなぜ?
A、確かに!そう考えるのが最も正しい意見だと思います。
ところが、あの追跡があったからこそ、追われる身となったジェリーは
道案内した“A”に従わざるを得ない状況になったんだと思います。
あの75万ドルと軍事機材は単にFBIが嗅ぎつけるための
囮だったと思いますね。
“A”にとってFBIはジェリーを動かすための好都合な存在だったわけです。
今回、この映画は4人の脚本家による共同執筆となっています。
スピルバーグは入っていません(爆)
1本の映画(サスペンス、ミステリーもの)には脚本家が多ければ多いほど
良い映画になるというのは、ワタシの中ではトリビアとなっています(笑)
【ココまで】
おまけ)
・謎の女性“A”の存在がこの映画のキモである。
あの電話の無機質っぽい声質に魅力を感じてしまったワタシ。
個人的には電話の主は『ボーン・スプレマシー』
『ボーン・アルティメイタム』と諜報機関の女性幹部を演じた
ジョーン・アレン氏のイメージをずっと描いていました。
・警備員に扮したジェリーが最後に取った行動には
思わず涙腺が緩んでしまいました。(あ~、そんな~と心で叫びながら)
・映画の題名がB級映画っぽいところで損をしている。
ワタシが付けるなら『春の嵐』だ(爆)
・シャイア・ラブーフは大作映画続きで
これもスピルバーグに気に入られたお蔭なんですね。
本作では無精ひげも蓄えていて、ワイルド感があって
大人になったな~という印象を持ちました。
『ダークナイト』が遺作となった「ヒース・レジャー」亡き後
若手俳優の台頭となっていってもらいたいものです。
---------------------------------------------------------
監督:D・J・カルーソー
脚本:ダン・マクダーモット/ジョン・グレン/トラヴィス・アダム・ライト/ヒラリー・サイツ
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ブライアン・タイラー
出演:シャイア・ラブーフ/ミシェル・モナハン/ロザリオ・ドーソン/ビリー・ボブ・ソーントン
『イーグル・アイ』
いつも読み逃げでごめんなさい^^;
わぁ~ん (((o(^。^")o)))ワクワク
ほんとは楽しみにしている映画だからレビュー見ないでおこうかと思っていました
…でもでも そこはかっちりしっかりマナーの河童ちゃんですね
心のざわめき倍増ですよ
アフガニスタンでのシーンしっかり見ておきますね^^
前半に伏線が数か所あるんですが、それが後半にしっかり生きてくるので頑張って凝視していてください^^
評価は少し甘めになったかもしれません。
直前に観た映画に不満があったからかな~(笑)
いかんせん「スピルバーグ=製作総指揮」ってな「ベッソン的立ち位置」なのが、どうにも赦せなくて・・(=^_^=)
新聞のレビューでは「ヒッチコック好きにおススメ」みたいにも書いてましたっけか。
>冒頭のアフガニスタンでのシーンが
>後に、非常に重要な部分となってきますので
つまりは、洞窟のシーンですね?(←違うだろ、バカ(=^_^=))
スピルバーグがメガホンを執っていたら、どうなったんだろう?とは思いましたね^^
監督:D・J・カルーソーの技量が大きいところかもしれません。
>新聞のレビューでは「ヒッチコック好きにおススメ」みたいにも書いてましたっけか。
ヒッチコック好きであれば十分楽しめる要素を持っていると思います。
>つまりは、洞窟のシーンですね?(←違うだろ、バカ(=^_^=))
この冒頭のシーンって洞窟に拉致されるところにクリソツでしたよ^^
流石♪深い読みですね
…ねえ レイチェルって ずっとマイケルジャクソンに似てると思ったの~ ‥‥ポロンだけね(*^.^*)エヘッ
流石♪深い読みですね
掲示板に書いてから読み直して「自画自賛」してしまいました(爆)
あのまま風化して行くならココに残そうと思った訳です^^
>…ねえ レイチェルって ずっとマイケルジャクソンに似てると思ったの~
実を言うとワタシもマイケル・ジャクソンに似てると思ってましたよ。
更に、ホラー映画『エミリーローズ』のヒロインの子にも似てたな~なんて。
ということで、ほんとは皆さん思ってたけど
マイケルに呪われそうで言わなかったかも知れませんね^^
私的には、、ちょっとねー・・って感じでしょうか。。
何にしても、スピやん(御大)ご自身がメガホン執らなくて、まだ良かったな、と(=^_^=)
※ポロンさんの指摘から妄想を広げるに、サンドラ・ブロックとミシェル・モナハンとマイケルご本人がおんなじカッコして並んだら、ちょっとクローン状態なのかも知れませんね、ホー!(←いや、そこで奇声をあげんでよろしい)
‥読み逃げでごめんなさい^^;
マイケル‥‥ (^w^) ぶぶ ポロンだけじゃなくて良かったわ
河童ちゃんとは いつか一緒に映画が観れたら良いなって思います(笑)
同じく空間でどう評価するのか聞いてみたいものですね
ポロンさん、こんばんはです。
itukaさんって河童っぽいんでしょうかね? 何となく『舞妓HAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!』の主人公を連想してしまいますた(⌒~⌒ι)
>同じく空間でどう評価するのか聞いてみたいものですね
あんまり評価が一致しても不気味だし(=^_^=)
かと言ってケンカしてもしょうもないし、、
“映画にもの申す”系の2人は、極力、一緒に観ない方が・・と言うのがワタシの勝手な持論です。
・・と言うかただのヤッカミです(爆笑)
なにやら週末のカウンターバーのようになってまいりましたね^^
>河童ちゃんとは いつか一緒に映画が観れたら良いなって思います(笑)
え?マジっすか
それってオフ会というふうに捉えていいんでしょうかね(爆)
>itukaさんって河童っぽいんでしょうかね? 何となく『舞妓HAAAAAAAAAAAANNNNNNNN!!!』の主人公を連想してしまいますた(⌒~⌒ι)
この名が付いた由来は「最近、抜け毛が気になっています」のカキコに対して
ポロンさんが勝手に命名してくれました^^
因みに私のイメージは『デラックスファイター』です(ウソです)