観てはいないのだが、映画『インセプション』のあらすじを読んでいて、
「これって、日影丈吉の『夢の播種』じゃん?」と思い、本棚から捜して再読。
・・・いいですねえ。
「ひこばえ」と「旅は道づれ」の印象が強かったけど、他の短編も良い。
幻想と現実の入り交じる感じに陶然。
この作家は幻視者だなと思う。
文章は抑制が効いていて美しく、品格がある。
映画の『インセプション』は、今監督の『パプリカ』に似ているという話も
あるんですね?
観てはいないのだが、映画『インセプション』のあらすじを読んでいて、
「これって、日影丈吉の『夢の播種』じゃん?」と思い、本棚から捜して再読。
・・・いいですねえ。
「ひこばえ」と「旅は道づれ」の印象が強かったけど、他の短編も良い。
幻想と現実の入り交じる感じに陶然。
この作家は幻視者だなと思う。
文章は抑制が効いていて美しく、品格がある。
映画の『インセプション』は、今監督の『パプリカ』に似ているという話も
あるんですね?
奥泉光は『葦と百合』が大好きだったんだけど、長い間読んでなかった。
『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』は、「抱腹絶倒」などという評が
あるので読んでみました。
最初のあたりはクワコーの矮小さにクスッとしたけど、あとは・・・?
ミステリとしてはつまらなすぎる。
学生の会話は面白いけど、ずっと同じトーンだし。
もっとこうたたみかけるようなスピード感とか、突き抜ける感じがないと
笑えないなあ。
『双頭のバビロン』がとんでもない傑作だったので、未読だった『薔薇密室』を。
これも面白い~。物語に淫することができる。
「物語とは、騙りとは」ということをとことん追求した作品。
以前『死の泉』を読んだが、眩惑されたままで終わったような…
もう一度じっくり読んでみようかな。
たまたま薔薇つながりで、今邑彩『ブラッディ・ローズ』。
読んだことがあるような気がしていたが未読だった。
こちらもまた、「物語」がキーワード。
うまい作者さん。初期の作品の方が好きかな。
詠坂雄二『インサート・コイン(ズ)』。
曲者の作者なので、新作が出たら読む。
ゲームはぷよぷよくらいしかやらないけど、家人がマリオや
ストⅡはやっていたので、懐かしいような感じもあり。
この作者の謎の提示は独特。
他のレビューなども読ませてもらったけど、何かもっと仕掛けが
あるのではないかと、まだ疑心暗鬼状態(笑)
青春小説的なノリで読んでいていいのだろうか…
小林泰三『大きな森の小さな密室』。
ホラー作家の印象が強いけど、ミステリも面白い。
ミステリファンがニヤリとするような、斜め上を行く展開。
ミステリで遊んでいる感じが楽しい。
柳広司『パラダイス・ロスト』。
「ジョーカー・ゲーム」シリーズ3作目で、よく練られた話だと思うが、
スパイ小説にしては甘すぎる。
「暗号名ケルベロス」にしても、こんな優しいラストは違和感ありまくり。
それから出てくるクロスワードパズルが簡単すぎない?
(モース警部がやってるのとかと比べるのは酷かもしれないけど・・・)
とても好きな作家なので、ちょっと残念。
フレッド・ヴァルガス『裏返しの男』。
フランスっぽい捻ったミステリで面白かった。
登場人物が皆個性的で、台詞が詩的。
前作『青チョークの男』がバカミス(褒めてますw)で、今回も
どんでん返しがあるだろうなとは思ってたから、結末は予想内。
三聖人シリーズの方の新作は出ないのかな?
待ちに待ったハルチカシリーズ4作目、初野晴『千年ジュリエット』。
変わらずテンポのいい文章と、凝った謎解きで楽しかった。
(「ヴァナキュラー・モダニズム」ほどの破壊力はなかったけどw)
次々と魅力的なキャラクターが出てくるのは嬉しい反面、マレンやカイユの
出番が少ないのがちょっと寂しい・・・。
まだまだシリーズは続きそうなので、自作を気長に待ちます。
『噂』が面白かったので、荻原浩さんの 『ハード・ボイルド・エッグ』と
『サニーサイドエッグ』を続けて読了。
どちらも悪くない。
文章が少し綿密過ぎて、スピード感には欠けるけど、やはりうまい作家さん。
『サニーサイドエッグ』(文庫版)の方の解説を書いている0さん。
ほのぼの系、日常の謎系、ユーモア系の作品の解説で時々目にする。
正直この人が解説を書いている本は苦手だ。
解説自体もベタだし、作品も人畜無害な感じがする。
『噂』には毒があったけど、この2作品はやたら爽やかでした。
卵つながりで、若竹七海の『スクランブル』を再読。
これはかなり好き。
ただ今回読み返して、登場人物のキャラが似すぎていると思った。
(そういう仲間という設定ではあるけど)