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好きなもの、好きなひと

思いつくまま・・・

日影丈吉『夢の播種』

2012-05-13 12:29:26 | 

観てはいないのだが、映画『インセプション』のあらすじを読んでいて、

「これって、日影丈吉の『夢の播種』じゃん?」と思い、本棚から捜して再読。

・・・いいですねえ。

「ひこばえ」と「旅は道づれ」の印象が強かったけど、他の短編も良い。

幻想と現実の入り交じる感じに陶然。

この作家は幻視者だなと思う。

文章は抑制が効いていて美しく、品格がある。

 

映画の『インセプション』は、今監督の『パプリカ』に似ているという話も

あるんですね?

 


『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』

2012-05-13 12:13:46 | 

奥泉光は『葦と百合』が大好きだったんだけど、長い間読んでなかった。

『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』は、「抱腹絶倒」などという評が

あるので読んでみました。

最初のあたりはクワコーの矮小さにクスッとしたけど、あとは・・・?

ミステリとしてはつまらなすぎる。

学生の会話は面白いけど、ずっと同じトーンだし。

もっとこうたたみかけるようなスピード感とか、突き抜ける感じがないと

笑えないなあ。

 

 


『薔薇密室』『ブラッディ・ローズ』『インサート・コイン(ズ)』

2012-05-09 08:17:30 | 

『双頭のバビロン』がとんでもない傑作だったので、未読だった『薔薇密室』を。

これも面白い~。物語に淫することができる。

「物語とは、騙りとは」ということをとことん追求した作品。

以前『死の泉』を読んだが、眩惑されたままで終わったような…

もう一度じっくり読んでみようかな。

 

たまたま薔薇つながりで、今邑彩『ブラッディ・ローズ』。

読んだことがあるような気がしていたが未読だった。

こちらもまた、「物語」がキーワード。

うまい作者さん。初期の作品の方が好きかな。

 

詠坂雄二『インサート・コイン(ズ)』。

曲者の作者なので、新作が出たら読む。

ゲームはぷよぷよくらいしかやらないけど、家人がマリオや

ストⅡはやっていたので、懐かしいような感じもあり。

この作者の謎の提示は独特。

他のレビューなども読ませてもらったけど、何かもっと仕掛けが

あるのではないかと、まだ疑心暗鬼状態(笑)

青春小説的なノリで読んでいていいのだろうか…

 


『パラダイス・ロスト』

2012-04-12 10:27:13 | 

柳広司『パラダイス・ロスト』。

「ジョーカー・ゲーム」シリーズ3作目で、よく練られた話だと思うが、

スパイ小説にしては甘すぎる。

「暗号名ケルベロス」にしても、こんな優しいラストは違和感ありまくり。

それから出てくるクロスワードパズルが簡単すぎない?

(モース警部がやってるのとかと比べるのは酷かもしれないけど・・・)

 

とても好きな作家なので、ちょっと残念。


『裏返しの男』

2012-04-10 11:31:01 | 

フレッド・ヴァルガス『裏返しの男』。

フランスっぽい捻ったミステリで面白かった。

登場人物が皆個性的で、台詞が詩的。

前作『青チョークの男』がバカミス(褒めてますw)で、今回も

どんでん返しがあるだろうなとは思ってたから、結末は予想内。

三聖人シリーズの方の新作は出ないのかな?

 


『千年ジュリエット』

2012-04-10 10:53:06 | 

待ちに待ったハルチカシリーズ4作目、初野晴『千年ジュリエット』。

変わらずテンポのいい文章と、凝った謎解きで楽しかった。

(「ヴァナキュラー・モダニズム」ほどの破壊力はなかったけどw)

次々と魅力的なキャラクターが出てくるのは嬉しい反面、マレンやカイユの

出番が少ないのがちょっと寂しい・・・。

まだまだシリーズは続きそうなので、自作を気長に待ちます。

 


『ハード・ボイルド・エッグ』&『サニーサイドエッグ』

2012-02-19 16:16:28 | 

『噂』が面白かったので、荻原浩さんの 『ハード・ボイルド・エッグ』と

『サニーサイドエッグ』を続けて読了。

どちらも悪くない。

文章が少し綿密過ぎて、スピード感には欠けるけど、やはりうまい作家さん。

 

『サニーサイドエッグ』(文庫版)の方の解説を書いている0さん。

ほのぼの系、日常の謎系、ユーモア系の作品の解説で時々目にする。

正直この人が解説を書いている本は苦手だ。

解説自体もベタだし、作品も人畜無害な感じがする。

 

『噂』には毒があったけど、この2作品はやたら爽やかでした。

 

卵つながりで、若竹七海の『スクランブル』を再読。

これはかなり好き。

ただ今回読み返して、登場人物のキャラが似すぎていると思った。

(そういう仲間という設定ではあるけど)


荻原浩『噂』

2012-01-22 20:51:32 | 
初めて読む作家さん。

いや~面白かった!
最後の一行、やられました。

登場人物が生き生きと描かれ、ユーモラスな会話もあり、
最近よく目にする「ステマ」を題材にしたよくできたミステリ。

最後の一行で、ほのぼのとした日常にいきなり闇が出現します。

この作家はいろいろなジャンルのものを書いているようだけど、
まずはミステリから読んでみよう。